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ひとりおうち焼肉

10/9(月)
天気:雨

なんか最近、ご飯を食べることに力を入れてない感じがしてイヤだったので

バイト帰りに安売りしてた肉と野菜を買い漁り

ひとりおうち焼肉をすることにした。

お米をしこたま炊いて、材料をひととおり切り分ける。

会場の設営にも手抜かりはない。

うちは幸いにも備え付けではない移動式IHコンロを使ってるので

ドンとテーブルの真ん中に置いた。

舞台は、揃ったでい!

(ソワソワ....ソワソワ....)

「うーん、もう我慢できないッ!」

お米が炊き上がるのを待たずして、焼肉ライブの幕が上がった。

まずは玉ねぎとピーマン!

チリチリと音を立てながら、サーファーのごとく肌を焼いていく。

あれれえ、ここは海の家か??

モクモクと漂う煙に、夏の砂浜の華やかな映像が映って見える。

その白煙が、次第に香ばしい匂いを纏ってきた。

「キタキタァ!」

僕は高らかにそう叫びながら(彼はおうちで1人)

ごっそり野菜を掴んで、どっぷりタレに浸してから頬張った。

「ゴメスぅ〜〜〜」

なぜそんなアメリカ人名を言ったのかはわからないけども

そんな声が自然と漏れ出てしまうほど美味しかった!

サイクゥですわい!

結局、焼肉では焼き野菜が一番美味しいのかもな!

そんなことを考えながら、牛バラ肉を焼き始めた。


え、えぇ!?!?


もう、漂う煙の香りが、レベチレベチ!

めっちゃくちゃ良い匂いなんだけど!?

そしてこのタイミングで炊飯器の電子音。

「よしゃあ!」

僕は脱兎の如く炊飯器に向かうと、デカい茶碗に米をこんもりと盛った。


それから再び舞台に向き合って座ると

ホントに、ウソ抜きで、匂いだけで米3口食べちゃった。

匂いだけでおかずになる。

恐るべし、肉!


匂いだけですらこれなんだもん、食べたらもはやどんだけの旨みが待ってるのか、怖くなった。

あの、あまりにも幸せだと怖くなるやつ。

あれに近い現象が僕を襲う。

ビクビクしながらも器用に肉で米を包んで、簡易肉巻きおにぎり(小)を作ってパクリ。


「ロドリゲスぅぅぅ〜〜〜」


たまらなく美味い!これぞ焼肉の真骨頂!

焼肉ライブのメインボーカルである牛バラ肉と、力強く弾き鳴らすギターの米のハーモニーは

脳天を突き抜かんとするような勢いで旨みをドカン!と供給して来た。

これはたまらんよ。

やっすいうっすい肉だけども、舞台を揃えてお膳立てすれば

こんだけ輝けるんだな!!

音楽(焼肉)の素晴らしさを五感いっぱいに感じて

僕はため息をつくしかなかった。

そこからはもう夢中で食べて美味しかったという記憶しかないが

しばらくしたら2合の米も、肉も野菜もすべてなくなっていた。

大トリを務めたエリンギも、バター醤油を纏って、MISIAに負けず劣らずのパフォーマンスを披露してたなぁ。


こうして、大盛り上がりの焼肉ライブの幕が閉じた。

会場撤去中、ふと空になった牛バラ肉のパックを見ると

「米国産牛バラ肉」というラベルが。

そっか。

ゴメス、ロドリゲス、お前らはそういうことだったのか。

僕は2人の農場経営者を勝手に想像して

「Thank you!!」

そう、海の向こうに届くように叫んだ(彼はおうちで1人)。


きっとまた、僕はひとりおうち焼肉をやるだろう。

うん、絶対にそうしよう!

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