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【ガイア獲得】YACS2023八王子で使ったスネークアイについて【5-1/Best4】

potato4dです。

遊戯王OCGの競技勢だったはずが、最近はもっぱらマスターデュエルのトーナメントプレイヤーになってしまいました。今回は先日開催されたAREA CHAMPIONSHIP 2023 in HACHIOJI(YACS八王子)にて久々に OCG に力を入れた結果、ベスト4という結果にはなりましたがなんとかガイアの獲得となりました。

最近マスターデュエルでもスネークアイが流行していることから、何かの参考になればと思い、良い機会なので構築についてまとめておきます。

自分で使っている、あるいはある程度対面していてスネークアイについての前提知識があることを前提としているため、一般的なプレイや構築の話は割愛します。


構築

後々話すにあたって先に見ておくほうが便利だと思うので共有。以降構築について述べているときに適宜参照ください。

デッキの選択理由

色々とありますが、端的にまとめると

  • 単純に今期一番強いデッキであると判断したため

  • きっちり展開しつつ返しのターンでリソースで圧倒するプランが肌にあっていると考えたため

  • ギミックのカードが集まったときにも手数で後手を取れるため

の3点となります。

YACSの当選が判明したのが1月末あたりで、今期ほとんど遊戯王に触れていなかったのでまずは扱いやすい粛声に手を出していました。

一度公認に出たあとにCSに持ち込むも、成績はあまり振るわず。噛み合って入賞こそできたものの、どうしても複数枚の誘発+ローを引いた上でローに誘発を喰らわない才能がある人にだけ許されたデッキという印象を受けました。

使用予定として当たりを付けていたデッキがギミックで妥協の1妨害を超えられないデッキであったという事実から、しばらく途方に暮れることとなります。

しかし、このタイミングで転機が訪れます。それはマスターデュエルへのスネークアイの実装です。これまでOCGでしか使えなかったスネークアイが、ついに際限なく一人回しできるようになりました。

元々今期のTier1であった炎王スネークアイは回したことがありましたが、純スネークアイは十分な経験があるとは言えない状況。このゲームで出せる最強のスネークアイの構築は純構築ということもあり、ここでとにかく使い倒しました。

その結果、詳しくは後述しますが純スネークアイはこれまで自分が愛用していた「ドライトロン」や「ドラゴンリンク」のような

  • 「手札がすべて手数になり得る」

  • 「展開の結果、妨害の他に盤面以外(手札・墓地)に大量のリソースがついてくる」

という特徴を備えており、限りなく近い使用感で現代向けにチューニングされているデッキと判断。

これであれば従来のデッキの感覚の流用で戦えると判断し、時間も限られていることから一人回しの量はマスターデュエルでカバーしつつ、差分をOCGの対人やマスターデュエルの相手ターン中の一人回しで確保することにしました。

調整期間はあまり取れなかったので基本的にはOCGの調整は身内とだけ行い、最後に最終調整で一度だけCSに出場。

細かなチューニングの余地はあったものの、十分な成績が出せること、自分のゲームプランと経験値で扱い切れるデッキであることの確信が持てたので、最終的にスネークアイを選択しました。

デッキのプランとコンセプトについて

純スネークアイに関してはデッキリストだけを見てもプレイヤーの構築やプレイの思想が見えづらい部分があると思います。

ジェット・シンクロンを採用したシンクロ型など見ただけでゴールがわかるものは別として、このデッキは展開ルートの柔軟さから、対面するすべてのプレイヤーが違うゴールに向けて、違う展開ルートを辿ります。

そのため、スネークアイについて語るにはまずそのプレイヤーが目指しているゴールの提示が必要であると考えるため、はじめに紹介します。

私が考えるこのデッキの勝利条件は、以下の二つとなります。

  • 相手ターンに蛇眼の炎龍の墓地効果(以降「分裂」と表現)が通ること

  • 分裂が通ったターンのライフカットを拒否し、生存した状態で自分のターンを迎えること

かなりシンプルであり、ボードについて全く言及していませんが、本当にただこれだけを目指してプレイすることとしていました。

少し前にTwitterにも書きましたが、炎龍は相手ターンに5アドを獲得するカードであるため、極端な制圧などを行わずとも、相手がライフカットをしきれないだけの盤面を作れば返しのターンで勝てるというのがスネークアイの強みであると考えています。

言ってみれば1枚で1アド取るのでほとんどカオスルーラーのようなものなので、カオスルーラーを出せる場面であえてサベージを出すプレイは存在しないように、莫大なアドバンテージの獲得の前では、些末な妨害の増加は優先すべきような事柄ではない。というわけですね。

そのため、基本的に「アポロウーサ」のような強力なシステムモンスターの擁立や上振れ要素などは目指さず、ほぼすべての試合の先攻展開のゴールは前盤面にアンブロ&炎龍に魔法&罠として神殿とマスカレーナ、墓地に咎姫のホットラインと分裂後に使うリンクリボーを基本とし、リンク値が増えたらヒートソウル、ディアベルスターが余るならシルウィアと足せる妨害を少しずつ足すようなイメージで展開をしています。

余談ですが、この日一日を通してアポロウーサを出したのは後手捲りのあとの詰めの一手での一回のみとなります。

実際のデュエルシーンで頻発する最終盤面はおおよそ以下の通りですね。

  • 前盤面: ヒートソウル&炎竜

  • 魔法: マスカレーナ&神殿

  • 墓地: 咎姫&リンクリボー&エクセル&オーク&ポプルス

この状況が成立している場合、たとえ炎龍で分裂した個体含めて前盤面がすべて取られてしまったとしても、こちら側は

  • 魔法・罠: ポプルスの効果で置き直した炎龍、神殿

  • 手札: エクセルでサーチしたエクセル/ポプルスでサーチした反逆/ヒートソウルで引いた2ドロー

  • 墓地: エクセルのサクリファイスエスケープ用のリンクリボー、咎姫

これらのリソースが最低限残った状態で捲りに臨めるため、この物量を捌き切れるデッキは環境にはほとんど存在しません。

もちろんこれは最低保証であり、現実には完全に盤面が返されることは稀であるほか、先攻展開で残った手札もあるので誘発による妨害追加やギミックによるプラスの後続も存在します。

そのため、ニビルなどの誘発を喰らうリスクやリソースを吐き出すリスクを追うことはせず、徹頭徹尾誘発を軽く受ることを意識してまずは相手ターン炎龍の成立を目標に展開。相手ターンでは分裂を成功させたあと、全力でライフを守ることに専念します。従ってマスカレーナの変身先も三戦などの捲り札の影響を受けづらく場持ちも良い、更には返しには妨害にもなるサロスを選択することがほとんどでした。

現環境において簡単にサロスの回答を作れるのはそれこそミラーの炎龍の起動効果や反逆くらいのもので、炎王の破壊関連の除去や粛声の威光などはマスカレーナ素材によってすべてシャットアウト。先述の通り三戦も喰らわず、リトルナイトや大儺主水はボード解決こそできるものの相手が一番取りたいはずのキルのルートから逸れてしまうという固さが、現環境においてはかなりの存在感を放っており、1枚おいておくだけでゲームが有利に進むのを毎ラウンド実感しました。

後手に関しても無理にワンキルをするというよりは極力リソースを伸ばす方向でアクションを取り、反逆などを駆使して相手のリソースを削り取りながら、神殿を構えてゆっくりと構えるゲームプランを取っています。

粛声対面などであれば盤面を広げてサロスで吸って、毎ターン儀式体を1体ずつ魔法罠に押し込んで3~4ターンかけてキルを取りに行くような感じですね。

このプランをとったため、この日はすべて合わせて15シングル行っていますが、そのうちレイジングが出た試合は1試合のみといった具合で、基本的にリスクを取ったキルは一切しないようなゲームメイクを目指していました。

裏目を踏まないこと

ゲームプランと関係する点で、今回プレイにおいては特に「裏目を踏まないこと」を重視しました。

ふたつ以上の使って動くことは基本的にしないことを前提におき、弱い初動から順に切っていくことで、誘発で止まったら次の手数を切る。といった打ち筋を徹底しています。

このデッキの手数は「神殿」を軸とするエクセルの動きと「原罪宝」を中心とするディアベルスター周りの動き、どちらにもなれるポプルス周りの動きと、初動以外ではもっぱらオークを出すことに特化するワン・フォー・ワンが存在します。

少し展開を伸ばすと先出しウーサにたどり着きそうみたいなケースであっても、欲張った結果誘発2枚持ちで咎姫のホットラインすら成立しないというのが最大の裏目となってしまうため、欲張らず一つの初動でできる範囲の動きを全て行う。終わったあとに次の手数に移行するといった具合でゲームメイクを進めています。

これはシルウィアのメイン採用によって誘発を喰らわなければ万能無効に、喰らった場合は貫通札に化けるという前提があって初めてできることであるため、後述の通りメインからのシルウィアは必須と言えるでしょう。

このあたりの考えは監修させてもらった小倉カフェさんのMD向けのスネークアイの note でも軽く触れてあります。これからスネークアイを使う人はこちらを見つつOCG/MDなどプレイ環境に合わせた差分を適用すると円滑化と思うのでぜひご覧ください。

採用・不採用カードについて

次に特にピーキーな採用カードの部分について紹介します。概ね固定枠の部分は解説を割愛します。

【採用】禁じられた一滴

このデッキの強みの一つであると考えて採用。誇張なしに粛声が使う一滴の10倍はパワーがあります。

罪宝狩りの悪魔などチェーンに乗せられるカードが一定数あること、乗らないカードも大半がコストとして切った場合に手数に貢献することから、実質コスト0で打てる複数無効として破格のパワーを誇ります。Lv.1炎を素材にしてオークを召喚する、炎龍と蘇生先をまとめてコストにして分裂させるなど、本来出せなかった手数を無理やり作り出すことで取った試合は数えられません。

後攻の捲りはもちろん、先攻で伏せる場合も強力であり、一滴を引いているだけでGの止まりどころである神殿+マスカレーナの布陣の強固さが増します。名称1を一通り吐いたあとのキルの動きに刺せるのはもちろんのこと、その際に分裂したポプルスを切ることでライフカットの拒否とさらなる後続の確保に貢献します。

先攻ワンキルや残存効果によるシステムモンスターでもいない限りはほとんど無限泡影の上位互換のような感覚で使えるため、枠が許す限り採用しました。

速攻魔法は基本的には手札誘発の上位互換であると認識していますが、その例に漏れない活躍をしてくれた汎用カードのMVPです。

【採用】メインの反逆&シルウィア

YACS一週間前あたりまではマイナーでしたが増えてきた印象がありますね。

反逆はシンプルに後手のパワーを高めてくれるほか、罪宝狩りを交えて連射することでロングゲームにも強力であること。シルウィアは誘発を引けておらずギミックで固まった手札におけるG受けの低減とヒートソウルのドローからの上振れを狙えることからそれぞれ採用しました。

G受けでの伏せについて

エクセル+ディアベルスターのような手札では普段はエクセルからスタートしたいですが、ワン・フォー・ワンなど貫通札は沢山あるが誘発も指名者も一切ないというような手札のときは、先にシルウィアで万能無効を構えてGの止まりどころを補強したうえで、通常の先攻展開をスタートという形を取っていました。

どちらもこのカードがサーチ可能であるからこそ取れる試合が先後問わず複数存在したため、外せないカードたちです。

【採用】トロイメア・ユニコーン

机上論と現実で大きく評価が変わる一枚。

机上論ではユニコーンの仕事は殆どリトルナイトで賄うことができていましたが、リトルナイトは

  1. 後手捲りで除外を使うとライフカットが一切できなくなる

  2. リトルナイト単体ではリンク3で盤面を剥がすことができなくなるため、次に向かう除去がジーランになってしまいジーランに泡影を喰らうとリカバーできなくなる

  3. リンクリと相互リンクになったトロイメア・フェニックスでキャントリップ付きで割りながら高リンクに繋げたいのにリンク値が下がる

という問題を抱えており、先攻で妨害として使うのは強いが、後攻の捲りやライフカットをするときには余りにも隙がありすぎて使いづらいと感じました。

世間ではリトルナイトを2枚採用する構築もありますが、泡影の裏目を切ったり、途中で妨害を喰らっても最低限盤面を荒らせるフェニックス→ユニコーン→アクセスのラインを確保し、アクセスまで通ればそのままゲームエンドに持っていきたいと考えてユニコーンの採用に至りました。

リンク値が伸びるデッキは階段状にリンク値を伸ばしながら盤面を触るだけで、無効系の妨害の裏目を完全に潰しながら攻められるのが強みであると考えているため、この枠は外せません。

【不採用】蛇眼の大炎魔

ほとんどの人が採用しているカードですが、「素引きノイズがほとんど無い」「ギミックがほとんど手数」という魅力を持つこのデッキにおいて、唯一素引きしたときのストレスが許容値を超えており不採用としました。

また、このカードは「展開を伸ばす」際に非常に強力なカードで、セレーネ経由でのウーサの成立などに貢献します。が、先述の通り私はこのデッキに盤面の強力さは求めておらず、リソースの爆発の実現を勝利条件しているため、ゲームプランに合わないことから不採用としました。

このカード自体はポプルス+エクセルorオークまたは神殿でアクセスが可能ですが、いずれのケースでも私はそこでこのカードを使うよりは誘発(特にニビル)受けに当てたいと考えたため、裏目を踏みやすいことからも低評価に繋がりました。

一般に炎龍の2枚目との交換の枠になると思いますが、誘発受けやリソース管理はもちろん、一滴との相性も加味して個人的には炎龍2枚を選択しました。

直前のCSでの調整によって不採用に踏み切れたのが幸運でした。必ずしも必要なものではない時点で上振れ札と取り扱って差し支えない一枚ですね。

【不採用】神聖魔皇后セレーネ

大炎魔を不採用としたことから採用する必然性を失ったので不採用に。

ディアベルスターの蘇生という仕事こそあるものの、出現頻度が低いことと、比較対象の必然性が高すぎることから先述のユニコーンと枠を入れ替える形となりました。

使用感が悪かったカード

おまけで使用感が悪かったカードも書いておきます。

神の宣告

CSでの調整時は非常に強力でしたが、YACSではETが0,1なためかなり使いづらい印象を受けました。

ET直前では選択権を後手を取り一滴で無理やり終わらせることも多く、CSのようなETが0,1,2,3の大会では強力なものの、公式の大会では今後は使用しないと思います。

コズミック・サイクロン

こちらも粛声に対して強力であったり、ミラーなどの炎にも一定以上の活躍を見せること、先でも強いことからCSでは高評価でしたが、やはりET0,1のシステムと相性が悪く、YACSではほとんど利用しませんでした。

おわりに

他に語る部分も多くないため、今回はシンプルに特に意識したプレイ・構築のポイントについて紹介しました。

私はもう今期は選手権の店舗だけやりきって終わる予定なので、今期まだまだ大型大会やエリアを控えている人の参考になればと思います。

それでは。


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