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【漫画原作部門】『コード・ビレッジ ―沈黙のアルゴリズム―』第一話


ログライン

「彼女の頭の中で計算された村の未来とは…!?天才プログラマーの"沈黙のアルゴリズム"が、限界集落の運命を変える!」

あらすじ

2025年、消滅寸前の過疎の村・常盤村。そこに移住してきた謎の天才プログラマー、鷹野愛。彼女は、村の再生プロジェクトに参加するが、ほとんど言葉を発することはない。しかし、愛が作成するアルゴリズムとプログラムは、驚異的な精度で村の問題を解決していく。村人たちは次第に彼女の能力に頼るようになるが、愛の真の目的と、彼女の脳内で静かに進行している"あるプロジェクト"の存在を、誰も知らない。村の未来と愛の秘密が交錯する、新時代の地方創生ドラマが幕を開ける。


第一話:沈黙のアルゴリズム

1. 静かな到着(1-5P)


• 2025年、日本のとある山奥。苔むした「常盤村」の看板。
• 曇り空の下、一台のバスが村に到着。
• 降り立つ若い女性、鷹野愛(25歳)。リュック一つだけを背負っている。
• 愛、無表情で周囲を観察。瞳の奥で数字やコードが流れているような描写。
• 村の担当者・山田博(通称:山さん、50歳)が手を振りながら近づく。
• 山さん:「鷹野さん!ようこそ常盤村へ!」
• 愛、小さく会釈するだけで言葉を発しない。
• 山さん(戸惑いながら):「あ、ええと...では、村の案内をさせていただきます」
• 山さんの軽トラに乗り込む二人。窓の外には寂れた風景が広がる。
• 山さん(独り言のように):「正直、もう手遅れかもしれねぇ。でも、君みたいな若い人が来てくれて嬉しいよ」
• 愛、黙ってスマートフォンを取り出し、何かの入力を始める。
• 山さん(心の声):「やれやれ、無愛想な子が来ちまったなぁ...」

2. 沈黙の調査(6-10P)


• 翌朝、愛は一人で村を歩き回る。スマートフォンで様々なデータを記録。
• 通りすがりの村人たちの会話が聞こえる。
• 「あれが噂の天才プログラマー?」
• 「挨拶もろくにしねぇらしいぜ」
• 「こんなので村が救えるのかねぇ...」
• 愛、それらの声に一切反応せず、黙々とデータを収集。
• 商店街で出会った雑貨屋の渡辺さくら(35歳)。
• さくら:「あの、鷹野さん?お店によかったら寄ってください」
• 愛、無言でさくらの店に入り、商品を細かくチェック。
• さくら(困惑):「あの...何か欲しい物でも?」
• 愛、首を横に振り、スマートフォンにデータを入力して立ち去る。
• 小学校を訪問。生徒はわずか10人。
• 教師の中村たけし(28歳):「鷹野さん、子供たちに何か一言...」
• 愛、黙って教室の隅々まで観察し、データを記録。
• 子供たち、不思議そうに愛を見つめる。
• 夕方、山さんの農場を訪れる愛。
• 山さん:「どうだい、村の印象は?」
• 愛、スマートフォンを山さんに見せる。複雑なグラフと数字が表示されている。
• 山さん(困惑):「えっと...これは何のデータ?」
• 愛、何も言わずに立ち去る。
• 夜遅く、愛は宿泊先の部屋で黙々とプログラミング。
• 愛の瞳に映るパソコン画面。村の3Dマップと複雑なアルゴリズムが表示されている。

3. 不可解な提案(11-15P)


• 翌日、村の集会所。村人たちが集まっている。
• 村長(60代、渋い顔):「鷹野さん、昨日の調査結果を報告してください」
• 愛、無言でプロジェクターを設置。
• スクリーンに映し出されるのは、複雑なフローチャートと数式。
• 村人たち、困惑の表情。
• 愛、黙ったまま画面を次々と切り替えていく。
• 村長:「あの...これは一体?」
• 愛、初めて口を開く。声は小さく、ロボットのように無機質。
• 愛:「村の再生プラン。3ヶ月以内に実行すべき528のアクション項目です」
• 村人たち、唖然とする。
• 年配の村議員・木村源蔵(通称:げんさん、75歳)が声を荒げる。
• げんさん:「何だこりゃ!誰にも理解できねぇじゃねえか!」
• 愛、平然と続ける。
• 愛:「理解できなくても問題ありません。各自にタスクを割り振ります。それを実行するだけです」
• 村人たち、動揺と困惑の声が広がる。
• 村長、困り果てた表情で愛に問いかける。
• 村長:「鷹野さん、もう少し具体的に説明していただけませんか?」
• 愛:「...」再び沈黙。スマートフォンを取り出し、何かを入力し始める。
• 村人たち、いら立ちと不安の表情。
• 突如、全員のスマートフォンに通知が届く。
• 画面には「常盤村再生プロジェクト:あなたの行動プラン」の文字。
• 村人たち、驚きの声を上げる。
• 山さん:「これは...俺たち一人一人への指示?」
• 愛、小さくうなずく。

4. 混乱の始まり(16-20P)


• 村人たちは、各自のスマートフォンに届いた指示に困惑。
• さくら:「私の店の商品を全部撮影して、オンラインカタログを作れ...ですって?」
• たけし:「子供たちに、プログラミングの基礎を教えろ...?」
• 山さん:「畑の土壌のpHを1時間ごとに計測...?」
• げんさん:「わしに動画配信をしろだと?冗談じゃない!」
• 愛、全く動じる様子もなく、黙々と自分のタスクをこなし始める。
• 村長:「み、皆さん、とりあえず言われた通りにやってみましょう」
• 数日後、村中が慌ただしい雰囲気に。
• さくらの店では、商品の撮影会が行われている。
• さくら(困惑):「こんな古い商品、誰が買うっていうの...」
• 学校では、たけしが必死でプログラミングを学んでいる。
• たけし:「if...else...もう頭がパンクしそうだ...」
• 山さんの畑には、見たこともない機械が並ぶ。
• 山さん:「こりゃ、宇宙船の管制室みたいだ...」
• げんさんは、孫に教えてもらいながら動画撮影。
• げんさん:「もう、わしには難しすぎる...」
• そんな中、愛は相変わらず無言で村中を歩き回り、データを収集。
• 村人たちの不満と戸惑いが徐々に大きくなっていく。

5. 予想外の展開(21-23P)


• 2週間後、村に少しずつ変化が現れ始める。
• さくらの店に、オンラインで注文が入り始める。
• さくら(驚き):「え?東京から注文が...しかも、こんな古い手ぬぐいが人気だって?」
• 学校では、子供たちがプログラミングに夢中になっている。
• 生徒:「先生!僕、ゲーム作っちゃった!」
• たけし(感動):「すごいぞ、みんな!大人の私より上手だよ」
• 山さんの畑では、今まで見たこともない野菜が育ち始めている。
• 山さん:「なんてことだ...これは幻の山菜じゃないか!」
• げんさんの動画が、意外なところで話題に。
• げんさんの孫:「じいちゃん、じぃちゃんの動画、バズってるよ!」
• げんさん(困惑):「バズ?虫か?」
• 村全体に、少しずつ活気が戻り始める。
• 村長:「鷹野さん、一体どうなっているんです?」
• 愛、黙ってスマートフォンを村長に見せる。
• 画面には「計画進捗率68%」の文字。
• 村長(困惑):「え?えぇ...?」

6. 疑惑の目(24-27P)


• ある日、村の若者たちが愛の周りに集まる。
• 若者1:「ねえ、鷹野さん。あんたの正体は何なんだ?」
• 若者2:「こんなの、普通の人間にできることじゃないよ」
• 愛、相変わらず無言を貫く。
• 若者たち、次第にいら立ちを隠せない。
• そこへ、山さんが割って入る。
• 山さん:「おいおい、鷹野さんを困らせるんじゃない」
• 若者1:「だって山さん、気味が悪いんだよ。まるで機械みたいな人間なんて」
• 愛、その言葉に一瞬だけ表情を曇らせる。
• 山さん、それを見逃さない。
• 夜、一人で村はずれに立つ愛。
• 月明かりに照らされた愛の瞳。その中に複雑なコードが流れているような描写。
• 背後から声がする。
• 山さん:「鷹野さん、こんなところで何してるんだ?」
• 愛、驚いた様子で振り向く。初めて感情らしきものを表す。
• 山さん:「あんたさ、本当は何者なんだ?」
• 愛、言葉を選ぶように、ゆっくりと口を開く。
• 愛:「私は...」
• その時、愛のスマートフォンが鳴る。画面には「緊急事態発生」の文字。

7. 想定外の事態(28-30P)


• 愛のスマートフォンから、村中に緊急アラートが発信される。
• 「注意:土砂崩れの危険性あり。立ち入り禁止エリア」という警告が、村人全員のスマートフォンに届く。
• 村人たち、混乱と困惑。
• 村長:「何だって?土砂崩れ?」
• 愛、初めて慌てた様子で村の裏山に向かって走り出す。
• 山さん:「おい、鷹野さん!危ないぞ!」
• 愛、振り返って叫ぶ。
• 愛:「避難指示を!今すぐに!」
• その言葉を最後に、愛は裏山に消える。
• 村人たちは愛の指示に従い、避難を始める。

8. 危機一髪(31-34P)


• 裏山に到着した愛。周囲を素早く観察し、スマートフォンで何かを操作。
• 愛の行動を見守る村人たち。不安と緊張が漂う。
• 突然、地鳴りとともに土砂が流れ出す。
• 村人たち:「うわあっ!」
• しかし、土砂は村を直撃せず、愛が設置したと思われる仮設の堰堤で食い止められる。
• 驚愕する村人たち。
• げんさん:「あの娘...いつの間にあんなもの作ったんだ...?」
• 危機一髪で難を逃れた村。しかし、愛の姿が見当たらない。
• 山さん:「鷹野さんはどこだ!?」
• 村人たちで手分けして愛を捜索。
• やがて、土砂の中から愛が発見される。意識不明の重体。
• 村人たち:「救急車を!早く!」

9. 秘密の一端(35-36P)


• 病院に運ばれる愛。診察室から医師が出てくる。
• 医師:「奇妙なことに...彼女の脳波が通常の人間とは全く異なっています」
• 村長:「どういうことですか?」
• 医師:「まるで...超高性能コンピューターのような脳波なんです」
• 村人たち、驚きと困惑の表情。
• 山さん:「やっぱり...ただの人間じゃなかったのか」
• その時、病室から物音。駆けつけると、愛が起き上がろうとしている。
• 愛(弱々しい声で):「村は...無事ですか?」
• 村長:「ああ、君のおかげで全員無事だ。しかし君は...」
• 愛、ゆっくりと目を開け、村人たちを見る。
• 愛:「私の正体について...話すべきかもしれません」

10. 明かされる一部の真実(37-40P)


• 病室に集まる村の主要メンバー。
• 愛、ベッドに横たわったまま語り始める。
• 愛:「私は...人工知能と人間の融合実験によって生まれました」
• 村人たち、息を呑む。
• 愛:「私の脳には、最新のAIアルゴリズムが組み込まれています。それを使って、村の再生プランを計算していました」
• 村長:「なぜ、そんな...特別な存在である君が、この小さな村に?」
• 愛:「それは...」
• その瞬間、愛の体が痙攣し始める。
• 医師:「大変だ!彼女の脳波が不安定になっている!」
• 愛、苦しそうに言葉を絞り出す。
• 愛:「私の...使命は...村を...」
• そのまま、愛は再び意識を失う。
• 医師:「申し訳ありません。これ以上の面会は控えていただきたい」
• 村人たち、困惑と同情の入り混じった表情で病室を後にする。

11. 村の決断(41-44P)


• 村の集会所。緊急会議が開かれる。
• 村長:「鷹野さんの正体が明らかになった今、我々はどうすべきか...」
• げんさん:「人間とAIのハイブリッドだと?信じられんな」
• さくら:「でも、彼女のおかげで村は確実に変わり始めています」
• たけし:「子供たちだって、将来に希望を持ち始めた」
• 山さん:「あの子は、命がけで村を守ってくれたんだ」
• 村人たちの間で議論が白熱する。
• 最終的に、村長が決断を下す。
• 村長:「鷹野さんの正体がどうあれ、彼女は我々の仲間だ。これからも共に村の再生に取り組もう」
• 村人たち、静かに頷く。

12. 新たな出発(45-48P)


• 数日後、退院してきた愛を村人たちが出迎える。
• 愛、驚いた表情。
• 村長:「おかえりなさい、鷹野さん。いや、愛さん」
• 愛:「みなさん...」
• 山さん:「俺たちは決めたんだ。君の正体がなんであろうと、君は我々の大切な仲間だってな」
• 愛の目に、初めて涙が光る。
• 愛:「ありがとうございます。私...嬉しいです」
• さくら:「愛ちゃん、あなたの作ってくれた計画、私たちの力で続けていくわ」
• たけし:「そうだよ。君が倒れている間も、子供たちは頑張ってプログラミングの勉強を続けていたんだ」
• げんさん:「わしもな、もっと面白い動画作りに挑戦しようと思っとる」
• 愛、満面の笑みを浮かべる。初めて見せる、人間らしい表情。
• 愛:「みなさん...私、もっと頑張ります。この村のために、そして...私自身のために」

13. エピローグ(49-53P)


• 星空の下、村はずれに立つ愛と山さん。
• 山さん:「で、結局あの時言いかけてた『使命』ってなんだったんだ?」
• 愛、遠くを見つめながら。
• 愛:「私の使命は...村を救うことだけじゃありません」
• 愛、山さんを見つめる。瞳に決意の光が宿る。
• 愛:「私は...人間になるんです」 ※見開きページ
• 山さん、驚きの表情。
• 愛:「この村での経験を通じて、少しずつ人間らしくなっていく。それが私に与えられた本当の使命なんです」
• 山さん、優しく愛の頭を撫でる。
• 山さん:「そうか...なら、俺たちも全力で手伝わせてもらうよ」
• 二人の背後に、活気を取り戻しつつある村の姿。
• ナレーション:「こうして、一人の革命者と小さな村の物語は、新たな章へと歩み出す―」

第二話・第三話

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