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読書日記(1)

ゲイドルのぽたろうです。
最近本を読みたい欲が止まらない。
去年の今頃は消費税・軽減税率プロジェクトを掛け持ちして鬱になりかけてアニメを浴びるように観ていたのだけどそういう頃合いなのかしら。

忘備録として気まぐれに読書日記でも書く。

2020/06/01(月)
太宰治「斜陽」を読み終わった。
30歳も過ぎてはじめての太宰。巷で良く云われているように、学生時代に接していたら虜になっていたのではないだろうか。
時差出勤OKになったけど、私は頑として9時出社。といいつつ、始業30分前には会社にいる。後輩や一緒に仕事してる方は8時出社だがよかね。
現代小説といっても通用するというか、冒頭のスープを啜る場面から引きこまれる。蛇のエピソードひとつとっても印象的やし、不思議と主人公の女性の気持ちになっていて文豪は違うわねんと思ったりして。
途中に手紙やら弟くんのノートの中身が挿入されて、今更ながら他の作品も読みたいと思ったわん。「ひめごと」をしたいもっと悪い女になりたい。

2020/06/02(火)
保坂和志「書きあぐねている人のための小説入門」を読み終わった。
既存の小説へのアンチテーゼというか、手厳しい言葉の数々に仰け反りながら書くということはなんだろうか、と考えていた。
文庫版は創作ノートが巻末に追加されていて、実作に向かうときのこぼれ話はファンなら嬉しく読めると思ったぞい。
先月より時間ができたせいか読書が捗る。スマホのメモアプリがワードの羅列で連なりだして意味のない物語を書きたいと急き立てる。

2020/06/03(水)
午後にマンションの消防点検があったため、会社を午後半休した。
絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」の表題作を読んだ。蒲田は自分にとって身近な街だったから、ゴジラの公園とか出て親近感を持ちつつ読めた。いとこくんみたいなおぼこい男の子がいたら好きになっちゃうな。
主人公は童貞を奪ってみたり、痴漢デートを楽しんだり、いとこと同棲したり、車が好きなのか車種がたくさん出てきたりドライブもあって、本作に出てくるキングクリムゾンの象さんギターの曲が気になって聴いた。
いとこくんと同じ感想を抱いた。

2020/06/04(木)
仕事で不具合が多発してその対応に追われていた。
清水良典「2週間で小説を書く!」を読んでいる。この手の本は浪人時代にかなり読んだけど、小説を書かずに読書が好きな人も楽しめる気がする。
例を交えつつ語られていて、気づいたら例に出された小説が読みたくなって積読が捗る。
朝の散歩が終わったあとに少しだけ文章を書く練習をしている。

2020/06/05(金)
ダラダラと「本音でハシゴ酒」を観てたら眠ってしまってた。

2020/06/06(土)
絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」に併録されている「第七障害」を読み終わった。
障害馬術が描かれていて、何気のない会話のひとつひとつが愛おしいと感じた。群馬と東京。時節柄、自然の良さに惹かれている私がいる。
主人公が付き合っていた妹の不思議ちゃん系な感じとか、菓子屋さんで働いている年下くんの純情な感じにほっこりして、馬と向き合う主人公の変化がゆるやかに描かれていた。

夕食後に魯迅「故郷」を読了。先日読み終わった「斜陽」と同じく没落して家を手放す話でもあるのだけれど、主人公と閏土くんの少年時代と現在が、閏土くんの子供たちの可愛さが折り重なるように交差してエモい。短編でするっと読めちゃうのだけど余韻を味わう前に、次の「阿Q正伝」の触りをなんとはなしに進める。正伝をつけるまでの葛藤が大袈裟な気もするが、市井の人間の精神にスポットライトを当てて憎めない。
精神勝利法という言葉を聞いて意味を知ったとき、あまりのパワーワードに仰け反りそうになったけれど、SNS全盛のいまの言葉だとも思った。

寝る前にプラトン「饗宴」を読み始める。
饗宴という語感が好きだ。シュンポジオン。それはチンポジオンのようでもある。昨年、主催したライブの題目にも使わせてもらったが、深く考えていたわけでもなくなんとなくで読むのは初めてだった。
寝椅子に横になって男達がエロスについて談笑する。思った以上に読みやすい。光文社古典新訳文庫はKindle Unlimitedでそれなりに読めるから謝々。

2020/06/07(日)
清水良典「2週間で小説を書く!」を読み終わった。バランス良く目配せがされていてブックガイドとしても良いなと思った。何を書くかということといかに書くかということ。書くことの動機付けがないと続かないなと思うし、別に小説のようなオールドメディアじゃなくてよくねって思う。
積読しておいた佐々木敦「ニッポンの文学」を読み始める。同シリーズの「ニッポンの思想」「ニッポンの音楽」は刊行当時に読んだはずなのだが、記憶が曖昧である。
丸の内と皇居周辺を散歩して、丸の内周辺がこんなに開けているのかと感心したのと、日差しの暑さにやられる。オリンピックまで4xx日って電光掲示板に書いてあって実感がなくてパラレルワールドのようだった。日焼け止めが剥がれてきたのか体中が痒い。美容外科の看護師さんに散々言われたのになあ。専属カメラマンと長時間の撮影を経てアップルストアに寄って離散。
ニッポンの文学からWikipediaを芋づる式に見ていくなかで栗本薫(中島梓)氏が「美少年学入門」という本を出していて、アマゾンでチェックしたらなんとまあ昔に購入していたことがわかったのよ。

お客様は、2010/6/6にこの商品を注文しました。

学生時代の頃のことだから、所在がわからないし積読放置だと思うけど。 
そういえばね、丸善丸の内オアゾ店で今更ながらサリンジャーの小説を2冊ほど買ってみたの。諸般の事情で電子書籍にはなっていなかったの。はい。


断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。