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私を構成する5つのマンガ。

ゲイドルのぽたろうです。
noteのお題に乗っかってみる。

私はマンガをたくさん読む方ではないですが、それでも5つに絞るのに迷いました。構成する、ってなんだろうと思いながら、印象に残っている(大袈裟にいうと影響を与えた)マンガをあげたいと思います。
ところでマンガというカタカナ表記に未だに慣れない。漫画じゃないの?

1.最終進化的少年アライブ

高校生の叶太輔は、親友の広瀬雄一をイジメから救い、幼なじみの落合恵とはケンカばかり。そんな平穏な毎日が、突如沸き起こった全世界規模の集団自殺騒動“悪夢の1週間”を契機に、音もなく崩れはじめた!
(Amazonウェブサイトより抜粋)

ど田舎から田舎の高校へ進学し、寮生活を送ってたころ、休日に自転車で少し距離のあるTSUTAYAに行って、1巻だけ立ち読みして一目惚れした作品。
広瀬くんの顔がタイプで、当時好きだった片思いの相手にとても似ていた。

思春期独特の性のゆらぎというのもあっただろうが、中学末期から高校入りたてのときくらいから、自分は男なのに男の子が好きだということに気づきはじめた。(物語とは関係ない)
広瀬くんのことが気になって、その後も新刊が出るのを楽しみにしていた。
当時新人だったあだちとかさんの画力が刊を重ねるごとに鬼のようにあがっていき、超能力と死という人を惹きつける要素にハマり、一部と二部のストーリー展開の跳躍に驚きながらも最後まで夢中になって読みました。

小中と漫画をまったく読んでこなかった(読んだのは小学校の図書室にあったブラックジャックくらい)ので、カルチャーショックだったのもある。

GONZOでアニメ化が計画されていたようですが、業績悪化でアニメ化はなくなりました。あだちとかさんは「ノラガミ」でブレイクしました。

2.志村貴子「放浪息子」

女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子。
フクザツで壊れやすい心を抱えて思い悩む現代の少年少女たちを、優しく透明に描き出す、思春期学園ラブストーリー!
(Amazonウェブサイトより抜粋)

こちらも高校の頃に読み始めた作品。
女装欲はないけれど、放浪息子にはかなり救われた、と今にして思う。

似鳥くんは女装が似合う背が低くて可愛い男の子。
高槻さんは宝塚の男役が似合いそうな背が高くてカッコいい女の子。

売れっ子のマンガのように、コマにびっしりと背景とか隙間がないくらいに書きこまれているわけではない。
だからこそ、その隙間から色んなことを想像してしまう。

私は似鳥くんほど可愛くないし、女装が似合うはずもないけれど、そんな似鳥くんにだって(周りからしたら贅沢かもしれないが)悩みはある。
脇を固めるキャラも立っていて、有賀くんというおぼこい男の子だったり、千葉さんというミステリアスな美少女だったりが生き生きとしている。

一番好きなのは変化があること。小学校から長いスパンで丁寧に描かれているのもあるが、年齢を重ねていったり環境が変わることで気持ちに変化が現れる。いつまでも同じではいられない。だって人間だもの。(byみつを)

ノイタミナでアニメ化もされました。

3.近藤ようこ「五色の舟」

先の見えない戦時にありながら、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ、異形の者たちの家族がいた。
未来を言い当てるという怪物「くだん」を一座に加えようとする家族を待つ運命とはーー。津原泰水の傑作幻想短編を、近藤ようこが奇跡の漫画化。
(Amazonウェブサイトより抜粋)

大学生の頃、津原泰水さんの原作小説(短編集)「11」を読み、いままで触れたことのなかった美しい世界観に魅了されました。
そのなかでも「五色の舟」という短編が印象に残っていて、マンガになったことを知ったときはわくわくしながら手にした記憶があります。

擬似家族のそれぞれに特徴のある異形の者たちの、不思議な幻想の世界に惹き込まれていく。美しくて儚くて脆い。心と心が共鳴しあう感覚。

数年前に電子書籍へ移行するために自炊を進めるなかで、数少ない紙で残してある作品。
(基本マンガは読みたくなったときに買えばいいかの精神で本作以外のマンガは大方すべて処分しました。実際のところ私はそこまで読み返さない)

4.吉田秋生「BANANA FISH」

1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。
雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。
(Amazonウェブサイトより抜粋)

吉田秋生先生の作品は大学生の頃に「河よりも長くゆるやかに」を読んで、局地的にハマっていたのだけれど、BANANA FISHは全部で20巻ほどあり、当時は手が出せないでいた。

アニメ化されたときに、先が気になってつい手に取ったところ…。
平日なのに一気読みして眠たい目で翌日会社に出勤したのを覚えている。
止められなかったの。アッシュと英二、二人の絆を目にしてしまったら。

作品をどう読むかは読者個人の自由であり多様な解釈はあっていいと思うのだが、本作はBLという枠組みのなかで描かれたものではないと思いたい。
二人のあいだの性行為は描かれないわけよ。これはボーイズラブではない。ボーイズライクなんだ。親愛というか聖なる愛というか。
腐女子が良く口にする尊いちゅーやつや。頼むから汚さないで。

自分でも何を言っているかわからなくなってきたが、アニメも素晴らしかった。結末を変に改変しないでくれてありがとう。
吉田秋生は映画化された「海街diary」も人気ありますね。

5.鎌谷悠希「しまなみ誰そ彼」

クラスメイトに「ホモ動画」を観ていることを知られた、たすく。
自分の性指向…ゲイであると皆に知られたのではないかと怯え、自殺を考えていた彼の前に、「誰かさん」と呼ばれる謎めいた女性があらわれた。
(Amazonウェブサイトより抜粋)

先生との出会いは、高校生の頃に書店で「隠の王」という現代の忍を描いた漫画を独特な絵柄とミハルくんの可愛さで手に取ったのがきっかけです。
「隠の王」は後にアニメ化されました。自分でも男の子センサーが怖い。

5つの作品を選ぶとき同じ作者の「少年ノート」と迷いました。
分かりやすさでいうと「少年ノート」だし、主人公も可愛いし、なにせボーイソプラノの世界だし好みではあるのだけど、なんか違う気がして。

違和感の正体はいまだに掴めないし、粗筋だけなぞったところで、悔しいかな私の力量では本作の魅力が伝えられない。
だからこそ、また折に触れて読み返すことになるのだろうな、と感じさせる一作なのでした。運動音痴で旅行嫌いなのに、しまなみ街道に行きたい、とか、サイクリングしたいと思わせるほどの作品でした。

なんとか、5作品あげました。
選んだのは完結している作品です。
この他にも現在進行形で連載中の作品で、追っかけている作品で紹介したい作品もあるので、ダイジェストでお届けします。

【番外編】現在進行形の5作品

1.桃栗みかん「群青にサイレン」
いちご100%の作者が描く、不仲バッテリーでの挫折と苦悩。
元は女性誌連載作。おおふりと違った魅力。健気な玉井先輩に癒される。

2.つくしあきひと「メインインアビス」
同人的魅力にあふれたフェティシズムの数々。
緻密だけど軽く理解を超えてくる世界観。アニメ化、映画化もされました。

3.押見修造「血の轍」
毒親をモチーフに徹底的に容赦なく描くことで恐ろしいまでのリアリティーを生んでいる。見たくないはずなのにページを繰る手が止まらない。

4.高野ひと深「私の少年」
大人の女性と少年の愛を描いて、このマンガがすごい!2017<オトコ編>2位に選ばれる凄さ。ゲスな気持ちで読み始めると心が挫かれる。
聡子へ共感度の高さもさることながら、真修くんの一途さが際立つ。
4巻あたりの真修が中学生になって再会を果たすあたりから、彼の視点が入ってからのギアの入り方が異常。聡子世代のホモの涙をそそる。

5.出水ぽすか「約束のネバーランド」
アニメ化もされました。みんな大好き寄宿舎もの。鬼と対峙。
主人公格3人の三者三様の魅力がつまっている。
ノーマン可愛いだけで読み始めて若干後悔している。

(PS)漫画好きではないのにちくま文庫から出ている米沢嘉博「戦後少女マンガ史」とかブルボン小林「マンガホニャララ」を読んだりしてる不思議。
いま一番気になるのは「増補 エロマンガ・スタディーズ」という本なのよ。


断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。