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読書日記(5)

ゲイドルのぽたろうです。
頭痛が鳴り止まない。

2020/06/29(月)
23時まで働いてました。雲の上を突き進むような足元の覚束なさで仕事の内容も覚えていない。TSUTAYAに延滞料金を払った。本は読めませんでした。

2020/06/30(火)
日中の眠気がひどい。クリープパイプにはまる。といっても、ラブホテルという曲だけをリピートしている。社会人なりたての頃にはクサしていたはずだったけど、声に癒されるようになって声は大事だと思った。
本は読めていない。

2020/07/01(水)
会社と往復するだけの日々。
女による女のためのR-18文学賞はあるのに、男による男のためのR-18文学賞はない。ありふれているからか。今時こんなジェンダーバイアスな賞をと思いつつ、選考委員に友近がいて大好きで憧れの芸人さんやからいいです。
本は読めていない。男の子二人が自転車で延々と移動するだけのロードノベルを書きたい。言う前に書かなきゃいけないと思う。

2020/07/02(木)
タスクの整理が出来ず、だらだらと仕事をして22時頃までを日課にしている場合ではないなと思うけれども思考停止状態に陥っている。
先週末に掲示板で書き込みをしたら返事が返ってきていて、大学院文学研究科博士後期課程終了、というプロフィールが現実なのかも定かでない。アピールポイントが良くわからない。安物マスクのせいで耳が痛い。
その人は文学の何を専攻していたのだろうか。事実だとしたら、読書の話が弾んだりするのだろうかと考える。本は読めないまま終わった。

2020/07/03(金)
仕事が終わったのは23:30だけれど、色んな人に迷惑をかけていることがつらくて仕方がない。答えのない問いにいかにビジネスライクに接することができるか。雰囲気だけで自分は苦手なんだなという思考さえ逃げである。
眠っても眠っても物足りない。テレビ番組もあまり見なくなった。
本は読んでおりません。

2020/07/04(土)
朝から某ロハスホテルで23時前までテレワークプランで過ごす。利益率の低い迷惑な客なのではないか。土曜なのにホテルの価格が安い。リネン交換や清掃は人力であることを考えると、ホテル業も大変だと思う。今日のホテルはエレベータが1つしかなく、昼間はシーツのカゴが占領していた。
仕事用のノートパソコンと私物のノートパソコンとiPad。どんどん重装備になっていく。仕事をしながら読書をして昼間抜けて。新橋に1日いるなんてはじめての経験だったが面白い街だと思った。男の街。ニュー新橋ビルにいると、大阪駅前ビルのレトロな感じと近い気がして楽しかった。
横田増生「ユニクロ帝国の光と影」を読み終わった。光と影の側面にきちんと触れているのが素晴らしいと思う。私情感情だけの文章だと疲れてしまうのだけど、そこに描かれている事柄に想いを馳せた。10年前くらいのことらしいけれども、その後のユニクロをみて、ワンマン社長だからうまくいっている会社がたくさんあることを知っているから、昔は一切ユニクロの製品を買わなかったのにいまでは面倒臭くてすべてユニクロで済ますから、その裏側での出来事をもう少しだけ感じていなくちゃと思わせる本だった。

2020/07/05(日)
仕事をしなくちゃと思えば思うほど体がいうことをきかない。午前中に大前粟生「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の表題作以外の小説を読み終わった。すごくやさしい人なんだろうなと思う。最後の「だいじょうぶのあいさつ」がグッときた。人の脆さというか打たれ弱さみたいなものに感傷的な私はすぐにやられてしまう。ベッドの上でiPad上のKindleをめくっているだけなのだけど、交信とか虚言とか擬態とか漢字二文字で簡単に省略できない世界がそこには立ち上がっていた。
長時間のお昼寝タイムを経て(その直前に憂鬱なチャットが来て原因は私にあるのだけれど無視して逃げてしまった)、「文藝」に収録されていた遠野遥「改良」を読み終わる。冒頭と結末のシーンが印象的で、ジェンダーとかセクシュアリティに括られがちが問題を、冷静に描いているようにみえた。女装をするのは美しくありたいから、行為をするのは女性とで、作中でやたらと勃起しているのはご愛敬といったところなのだろうか。無駄なところがないというか、前の文章や出来事が後々繋がってきて、身体というテーマはいままで散々書かれてきているのだろうが、悔いのない時間を過ごせた。
夜、思い立って中島梓「小説道場」を読み始める。JUNEとは角あるべし、というべきか、その時代の感覚もあるのだろうが、そこには師弟愛があった。歴史的仮名遣いや華美な文章をいまの時代にやると、読者は果たしてついてこれるのかということが気になり、気づいたら夜も更けていた。



断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。