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色にまつわる現在地〜スギサキさんのおかわりレッスンに向けた交通整理

スギサキさんのおかわりレッスンを、受けたい。

12月に初めてSS展示会でお邪魔して以来、カラーレッスン受講、樹雨さんのレッスン同行、SSお洋服受取り会(w/ユキノコさん・なかまちさん・もとこさん)と、気づけばなかなかの頻度で杉崎製作所にお伺いしている。毎回必ず新鮮な気づきがあり、スギサキさんやガールズさんとのお話から学ぶことが多すぎて楽しい。

一方、気づきの量が膨大すぎて飽和を起こし、わかるようなわからんような事象が自分の中で貯まりすぎている。それがどうにももどかしいので、ここらで一旦頭の整理をしようと思う。自分の現在地とこれから知りたいことをはっきりさせて、またスギサキさんに会いに行きたい!(単におしゃべりしたいだけとも言う


気づきその1. 色は面で捉えるべし

樹雨さんのレッスン同行で私が得た最大のお土産は、これだった。レッスン未受講の方からすれば、「は?」と思われるかもしれない。

スギサキさんのカラーレッスンの極意は、「色を色として捉えるな」。

なんじゃそれ?!という話なのだが、実際に色を「音・手触り・味」などありとあらゆる「色以外」の切り口で表現してくださるのがスギサキさんのすごいところ。受講者は、その中から自分の一番得意な(無意識に一番よく使っている)感覚に近しい表現を通して、色を新しく捉え直すことになる。例えば味覚優位の人なら、「冷酒に合いそうな」とか「片栗粉をまぶしたような」でピンとくる(らしい)。

私は多分、視覚優位。学生時代、テスト前はまとめノートを作っていたクチで、テスト中はその映像を頭に浮かべて解答していた。ところが色に関しては、視覚優位ならすんなり入ってきそうな表現がなぜかピンとこない。例えば合わない色のドレープを当てた時に「チカチカするでしょ?」と言われても、正直わからない。ダークなカラーは一様に「重い」としか認識できず、ツヤとマットの区別がつかない。

1回目のレッスンを終えてもそんな感じだったので、これはどうしたら…と思っていたのだが、樹雨さんのレッスン時に「距離」というワードが出てきて開眼した。カラーフェルトに手を当てた時の、フェルトと手の距離を見れば良いのだ。

手とフェルトが同じ面にいるなら距離はゼロ、つまり仲間の色。手とフェルトの間にアクリル板ある?ってなくらい断絶を感じたり、フェルトの中に手が埋もれて見えたりしたら、距離がある=仲間じゃない。うん、それなら見た瞬間わかる!ただし、距離ゼロなのにフェルトも手も変色して見えるケースもあるので要注意(調和じゃなくて一体化)。

思い返すと私は、視覚優位でも文字情報に特化しているケースなのかもしれない。文字以外の情報を目にすると、初見で違和感があってもすぐ頭で考え始めてしまう(「青っぽいけど似合わない…わけでもない…いや…?」)。理屈でああだこうだと考えるうちに初見の印象が薄れてしまうから、「チカチカ」が「わからない」。

ははーん!謎はすべて解けた!!

気づきその2. リズムがだいじ

コーデを組むときは、「色を面で捉える」理論を全身に拡大すればいい。

自分の体と同じ面に揃って見えるアイテムは「似合っている」。前後にガタガタと面がずれる場合は調和していない=似合っていない。だからもし、自分よりも前に出たり後ろに引っ込んだりしたトップスを身につけるなら、ボトムスでガッチリキッチリ面を合わせるとか、似合うアクセサリーや小物を足したりメイクを工夫することで、全身の面が合って見えるように整えてやればいい。

ところが。

今回のyee SSで私は、ガッチリキッチリ自分と面が合うトップスとボトムスを1着ずつ注文した。ツヤ感のある明るい茶のペプラムブラウス(裏地が大好きブルー)と、ダークブラウンのストレートパンツ。上下を組み合わせて着ると、発光する勢いで似合う。だけど、全身茶色「だけ」だとなんだかつまらないなと感じるのだ。

ブラウスのインナーに黒を入れ、靴とバッグでツヤ黒を足すと多少バランスが取れた気はするものの、まだ少々物足りない。黒がないと、なんか「のっぺり」して見える。そう、どうやら私は「のっぺり」をかなり気にしているらしい(SS受取り会後、ユキノコさんからのご指摘で気がつきました。ありがとうございます!)。

考えてみると全身面が揃っているということは、ある意味「単調」であり、音楽に例えるならリズムが一定、ということ。私はどうやら単調よりも、リズムがある方が好みらしい。音楽でもグルーヴ感が私のキモで、思わず体が動いちゃうような曲が好き。実はこうして文章を書くときも、音読した時のリズムを大事にしている。

おお、This is my 個性。リズムがだいじ。

そして最近気づき始めた。私、冬に憧れる秋なんだわ。黒!シルバー!どーん!!とかやってみたかったなぁ、と思う。でも私がまんまそれをやると、わかりやすく自分本体が色に負ける。だとしたら、秋カラーの中でギリギリ負けないコントラストが知りたい。やりすぎにならないリズムの極限を攻めたい。

気づきその3. 微妙な差異が奥行きを生む?

もう一つの気づきはその2と真逆で、微妙〜〜な色の差異ってめっちゃおしゃれ上級じゃない?というもの。それに気づかせてくれたのが、こちら。

使用感満載ですみません

ADDICTION THE EYESHADOW、左上から時計回りに027M Clay Pot、018SP Brick、010M The End、028M La Mamounia。1回目のレッスン後に買ったのが上のClay PotとBrickで、それだけだと「薄い」と感じていたのはこちらに書いた通り。その後、樹雨さんのレッスン同行時におすすめいただいたのが下の2色。

…赤に赤を重ねるとか、思いつきます?しかも素人目にはほとんど色の違いわかんないし!てかこんな濃いパレット、どこ探しても売ってないよ!!\(^o^)/

しかしびっくり大仰天。実際、同行前は自力でちょこちょこカーキとか重ねてみては「うーん?」と首を捻っていたわけなんだけど、Clay Potにちょっとだけトーンのズレた赤・La Mamouniaを重ねてみたら、まあ深みの出ること!これはあれかね、料理で言うところの旨味ってやつかね?(違う)

で、瞼のキワに締め色The End(私の肌だと深いブラウンに発色するよ!)を細く引いてみると、一気に奥行きがグッと増す。Clay PotとThe Endの組み合わせはそもそも私の好きなコントラストなんだけど、そこにLa Mamouniaがあるのとないのとでは奥行き感が違う、ような気がする。微妙な色のズラし、大事じゃない?

この気づきの背景にはもう一つ、別のエピソードがある。

先日、出先でぽっかり空いた小一時間でお初エリアのエルメスに入ってみたのだが、接客してくださったおじさまがとんでもないおしゃれパーソン、もとい、ごりっごりのファッションマニアだった。その日の私のオールブラックコーデを見て開口一番、「お客さま、おしゃれですね」とお褒めくださったのが前哨戦。

見せていただいたのはカシシル。中でもジャガーとハチドリの柄に目が釘付けになり、鏡で合わせてわー素敵!とはしゃいでいたら、ニコニコと柔らかな物腰のままおじさまが「…実はその組み合わせだと、何がしたいかよくわからないんです」と呟くものだから、目が点になった(注:感じ悪いとかは全くないです、念の為)。

画像は公式サイトからお借りしました

曰く、コーディネートの情報量が多すぎる。

写真だとわかりにくいが、柄がすべてはっきりとした黒で縁取られている。その黒は、首に巻かれて柄の一部だけが拡大されて見える状態になると、よりくっきり見える。それでも私はベースの服が全部黒なら柄と服がケンカすることはないだろうと考えていたのだが、おじさま曰く、そうではないと。話を要約するとこうだ。

色自体は黒で統一しても、冬だからファッションのアイテム数はどうしても多くなる。アイテムが異なればどうしたって質感は微妙に違ってしまうし、全体が黒だからこそ、ボタンの光沢や靴・バッグの金具のゴールドがかえってものすごく目を惹く。だから実は、ワントーンコーデでも情報量がすでに多い。そこにさらに黒縁の柄を持ってくると、うるさくなりすぎる。

うわ〜〜〜〜〜!なるほどね〜〜〜〜〜〜!!

ブランドとしてもこの点を考慮して、実際のコーディネートに向いた柄を提案している。でもそれだけだとカシシル単体(とディスプレイ)の華が足りないから、別で柄主役のデザインも用意している…などなど、続くおじさまの話も面白すぎて、最後はカシシルを脇に追いやっておじさまの話に夢中になったが、ここでは割愛。

ワントーンだから大丈夫、ではなくて、ワントーンだからこそ素材なり色なりのちょっとした差異は簡単に浮かび上がってしまう。それが心地よいリズムとなるか、あるいは逆にノイズとなるか。それってめちゃくちゃ難しい。だからこそ、微妙な差異を制する人はめちゃくちゃおしゃれに見えるんじゃないか。

おかわりテーマはこれだ!

ここまで書いてきて、なんとなく次のテーマがつかめた。


「奥行き」について知りたい!

極限を攻めるコントラストと、微妙なトーンや素材のズラし。その両方で、私にとって心地よいリズムって一体なんだろう。それが今、知りたいことだ。できれば服とメイク両方で理解できたらとっても嬉しい。わーい!おかわり受けよっと!!

ちなみに前の記事で書いていた「リップの迷いごと」は、その後(偶然)あっさり解決してしまいまして、めちゃくちゃ好みの赤リップを2本入手することに成功しました!ただ、どうしてここまで「良い」と思うのかは言語化できておらず…その掘り下げも含めて、手に入れたアイテムの話もまたいずれ。


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