伊藤幸司気分を味わおうと企んだが、結果コバヤシになってしまった話。
ランジャタイ・国崎☆和也さん 『へんなの』(太田出版)刊行記念イベント
情報が少なく、なかなか謎なイベントだな。
そもそも国崎☆和也さんには会えるのだろうか、何が行われるのだろうか、と初めは訝しがっていたけれど、あの国ちゃんが関わってるんだ。きっと何かあるに違いないと、妄想をかきたてた数日間
いよいよ当日を迎えた。
向かう電車の中で、どういうイベントなのかTwitterでサーチすべきか、知らずにいくべきか迷ったけども、好奇心に負けて、
へんなの イベント
と、ちゃっかり調べてしまった。
そこで、国ちゃんと喋れる時間があるというtweetをみて、一気に緊張した。え?いざとなったら何を話そうか。
・あのカーテンで気に入っているところはどこですか?
とか、
・ベタに「このくそったれ人生にさよならぽんぽん」が好きです。
とか、言おうかと思ったけど、そうじゃない。ベストアンサーはそうじゃない。
推しのイベントには推しのグッズと決めている私はグレープカンパニーのショップで買ったランジャタイマスクを鞄に忍ばせていた。
黒の伊藤ちゃんバージョンをつけ、
苗字が伊藤であることを名乗り
「頭がかまくらみたいですねぇ。」とか
「もう顔の半分が髪の毛ですねぇ。」とか、普段、伊藤ちゃんが国ちゃんに言われていることを、国ちゃんに言ってもらい、伊藤幸司を体感しよう作戦を決行しようと決めた。
イベントの集合時間が来て
いろんな事務所が入っている怪しげ〜な廊下をぞろぞろと並び、国ちゃんがいるであろう奥の方にある部屋を覗ける?!か覗けるか?!と、キョロキョロ動いていたら、なんと角刈りの男性を見つけた!
え?伊藤ちゃん?!
と一瞬思ったが、あれは紀伊國屋の社員さんだ。
落ち着け、落ち着け。
部屋に入ると、聞き覚えのある声が聞こえる。
会議室のような空間なので、ちょっとこもって聞こえたのが、新鮮だった。
「こんにちは!」
と、誰かに元気よさそうに挨拶していた国ちゃんはいつもの国ちゃんだった。
簡易版空港の手荷物検査のように、荷物が預けられ、手ぶらで、国ちゃんに会えるのを待つ。
その時が来て、覗き込むようにして入っていくと、いつもの赤いパーカーを着た国ちゃんが
「どうも〜。」
と言ってくれた。
あっ!目が合った!と思ったのも束の間、その視線の延長線上に、あのなすびを捉えた。
フル武装をした天竺鼠・川原氏がいた。
もう情報量が多い!
と思った私の脳は、川原氏のサプライズにびっくりショートし、スター2人にひたすら手を振っていた。
「手を振ってくれてる。手を振ってくれてる。」
みたいな雑談を国ちゃんと川原氏がしている中、
私は意を決して切り出した。
あの〜、私苗字が伊藤なんですけども
すると国ちゃんは、相方・伊藤幸司には一切触れず、間髪入れずに「じゃあコバヤシって書くね!」
と予想外のことを言い出したので、私は思わず
やめて〜!やめて〜っ!!
と連呼していた。
その時、国ちゃんは、なんか笑ってくれてたと思う。そうしよう。笑ってくれていた。
終わった後、1人反省会&喜びの会をしてた。
確かに、サイン会みたいな場で苗字を名乗ったら、名前を書いてほしいのかと思うのが自然よなー、と
伊藤幸司には行きつかんよなー、とか
川原さんを見た時に、モッフンニョ!って言える機転があればなー、とかなんとか
帰宅して、本をじっくり見返すと、白い紙に「コバヤシあやしいなー」と書かれていて笑った。
そして、みんなのTwitterのレポから、緑のページに書かれていることが一人一人違うことに気がついた。
私のはよく見ると、手のイラストが書いてあった。
2人に手を振ってた私の手を国ちゃんが書いてくれたんだ…!と思い
国ちゃんをますます好きになった。
あったかい気持ちになった。
「どうぞ〜。」と招き入れてくれた時の、いつもの何かを覗き込んでくるような表情は、たぶんずっと忘れない。
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