見出し画像

医療保険サービスで急成長 Clover Health(CLOV)ってどんな会社

Clover Healthという全米で最速で成長を遂げるMedicareサービス企業がSPACで上場を検討しています。

Medicareサービスとは、 65才以上の高齢者と障害者のための医療保険のサービスです。

どのような会社なのか、投資家向け資料から調べてみました。

12/31時点での株価は以下のようになっています。

画像23

会社概要

Clover Healthは医療データを活用し、保険加入者に有効な予防ケアや在宅ケアを提供することで、医療費を抑制している民間の医療保険会社です。 保険適用ネットワーク内だけでなく、他の医療機関も利用できるPPO(Preferred Provider Organization)として保険を展開しています。

57,000名の加入者数、過去二年CAGR 37%成長し、オペレーションを展開できている地域では、25%のマーケットシェアを獲得しています。

画像1


これまで、セコイア、グーグルベンチャー、First Roundらのベンチャーファンドが出資しています。

今回、IPOC が買収してSPAC上場を目指しています。

画像2

Clover Assistantというプラットフォームサービスを提供し、医療機関には、保険事務手続きの簡素化による医療提供時間の拡充、加入者には幅広い医療機関ネットワークへのアクセスのサービスを低コストで提供しています。

画像3


米国では、医療機関ネットワークが複数存在し、通常のHMOでは自分の保険がカバーしている医療機関しか保険適用されません。CloverのサービスではHMOより安い価格で、PPOが提供するより充実したサービス内容を提供しています。

画像4

画像5

Clover Healthは全米のMedicare Advantage Planのなかで最速の成長を遂げています。

*Medicare Plan : 65才以上の高齢者と障害者のための医療保険

画像6

医療機関へのメリットとして以下を提供しています。
1) 医療費の回収が迅速に行える(方法は未調査)
2) Clover社システムの利用により事務手続きの削減

*米国は医療事務が他国に比べて非常に効率が悪い。医療以外のサービスに多くの時間を費やしている現状があります

画像7


画像8

医療機関が、患者にサービスを行う上で、必要となるメンバー認証、エンゲージメント、ケアサービス提供などをプラットフォームサービスとして提供しています。

画像16

患者を診察した情報をClover Assistantシステムに蓄積。AIを活用し、予防医療に努め、手術などの大型医療行為を削減し、医療費を削減するとしています。

画像9

画像10

Telehealthの機能も提供しています

画像17

Clover Assistantは、スケーラブルで、3週間に一度のスピードで改善されていくプラットフォームで、Net Promoter Scoreも(満足度調査スコア)業界他社を大きく上回り、他のカテゴリのリーダーであるNetflixやAmazonと同等のスコアを出しています

画像11

現在34の群でオペレーションを行っています。57,000人の加入者がおり、市場シェアは8%です。ただし、ニュージャージー州などオペレーションが確立されている州では、25%のシェアを獲得しています。

画像18

2021年には、108の群でオペレーションを展開、73,000人の加入者を見込んでいます。シェアは7%となります。

画像19

$25Bの売上目標に向けて、40%の群でオペレーションを展開し、12%のマーケットシェアを獲得することを目標としています。

画像20

加入者獲得として、昨今の動きとしてWalmartと組んでMedicareの加入者獲得を進めています

画像15

また、医療機関との契約を行うことで、加入者の獲得を医療機関側からも行うことで営業力を補っています。

画像12

過去2年間の加入者成長は34%, 売上成長は37%。利益は現状まだ赤字です

画像13

Clover Assistantの効果で、既に保険金申請で支払う金額は減少しています。2019年から2020年に89.2%から80%と減少しています。

画像21

Clover Assistantを活用し、サービスレベルを落とさずに、保険金の支払いを下げていくことで、黒字化につなげます

画像22

今後の3年の売上成長はCAGR 37%を見込んでいます。2023年に黒字化予定です。

画像14

雑感

SPAC上場を狙う会社ですが、既に売り上げの規模も約600Mとかなり高く、黒字化への道筋も見えています。今後の売上成長も、これまでの成長と同じペースで無理なく設定されており、大きなリスクがあるプランには見えないのは好感です。

ニュージャージー州で成果をあげ、これから他の州に拡大しようとしているので、あまり無理をせずにビジネスを拡大できるのではないかという印象を持ちました。

またバイデン政権との絡みでいうと、バイデン氏はMedicareの加入者年齢を現状の65歳から60歳に引き下げる意向を持っているとされていますので、もしそれが実現すれば加入者増でTAM拡大可能性もあります。

医療効率化、薬価削減はバイデン政権の重要な施策のため、医療費削減の実績を持つClover Health社の医療機関での導入が進みやすい可能性もあると感じます。

そう言った観点でも、今後どのように成長していくか注目してみたいと思います。

最後に、注意点ですが、こちらは記載しているようにSPAC上場を狙っている銘柄です。SPAC上場に関しては、当初は短期勢が非常に多い印象ですので、上場前後に大暴風雨が来ることも予想されます。もし投資を検討するにしても、SPAC投資であることをご認識の上で、検討されることをお勧めします。

SPACでの上場について、確認をしたい方は、合わせて以下もご覧いただけると嬉しいです。

最後に、少しでもお役に立てましたら、イイねボタンをクリックしていただけると次の記事も頑張って書けそうです。よろしくお願いします。


参考




サポートいただいたお金は、今後の記事のための情報収集に大切に使わせていただきます。