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麦酒の攻防│甘味屋餡子

ビールはワインに次いで古くから飲まれているお酒で、古代エジプトでは『飲むパン』とも呼ばれていた。
日本でも恐らく最も飲まれているお酒ではないだろうか?
「ビールで乾杯」「とりあえずビールで」「ビールかけ」など登場頻度も高く、あまりに身近である故に個人的にはその分多少雑に扱われてる感も否めない。

つい先日「厚生労働省よりビールロング缶1日1本で大腸がんのリスクが高まる」という内容のニュースが出された。
正確には厚生労働省から様々な疾患別に発症リスクが高まる飲酒量の公表なのだが、結果記事として最も注目を集めるトピックスとして「ビールのロング缶」が選ばれたのだ。
メイントピックスにあげられるということはそれだけ人々からの注目を集めやすく、それだけ身近で飲酒人口が高いということだ。

だからこそ、現在の日本ではビールだけでなく発泡酒やビールテイスト飲料など、ビールに類似した飲み物が多くある。
これらは全て法律で原材料や麦・ホップの割合、製法によって分類されており、その分かかる税金が異なるのだ。
純度の高い「本物の」ビールほど税金がかかる。
税金が安ければその分消費者に安価で提供できるため、あまたのビールテイスト飲料は価格の削りどころとして税金面に着目し、試行錯誤した結果生まれたものなのだ。

ケーキ投函では比較的早い時期にかなり粗い通し稽古を行う。
全体の上演時間の把握もだが、セットや小道具・衣装の出捌けの確認、それによって生じる矛盾や問題点、必要なアイテム類の精査などを主な目的としている。
役者にとってはこの早い時期の粗通しは大変ありがたく、作品の全体像や作品内での時間経過とそれに伴うキャラクターの心情の変化などを早いうちから把握しやすいのだ。
無論、各シーンをピックアップして稽古するのも重要だが、やはり全体の繋がりを体感した方が点を線として受け取りやすくなる。

大道具小道具はこの通しから必要なアイテムをピックアップしていく。
どんな規模の公演だって大道具小道具や衣装は予算との戦いだ。現実の世界をそのまま舞台に再現することは難しい。
本物のビールは難しいが、ビールテイストでどこまでクオリティを上げていけるか。
本番まで1カ月、ビールに近づく戦いは続く。

文:甘味屋餡子(役者)https://x.com/raincloud_017


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🍺公演概要🍺

ケーキを海底のポストへ投函 vol.5『葡萄と麦と米と芋』作・演出=堀伸也

[ 日程 ]
Day1. 2024年3月22日(金)  
 19:30 開場 / 20:00 開演
Day2. 2024年3月24日(日)  
 14:30 開場 / 15:00 開演
(上演時間は約1時間を予定)

[ チケット ]
・一般:2,000円
・高校生以下:1,500円
・リピーター割:500円

[ 会場 ]
中板橋 新生館スタジオ
〒173-0016東京都板橋区中板橋19-6 ダイアパレス中板橋B1
(東武東上線 中板橋駅より徒歩二分)

名前のない演劇祭紫 参加作品
演劇企画集団「名前はない劇団」が主催・運営する演劇祭。第十五回目の開催となる今回は、北池袋・中板橋・池袋の3拠点での同時開催。13日間に渡り、68団体が公演を行う

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