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ワタクシ流☆絵解き館その232 あえて、近代絵画で味わう「奥の細道」幻想 ② 日光・那須
芭蕉の「奥の細道」を、江戸絵画ではなく、リアル感では勝る近代絵画の中から、俳文のイメージに合うものを選んできて、俳文とともに味わおうという趣向第二回目。イメージ喚起のきっかけと考えてほしい。
ゆえに、当然ながら「奥の細道」とは、場所も時代も状況も同じではない。
絵のタイトルは無視して、あくまで雰囲気を思い描いて見てほしい。引用部分は「奥の細道」の本文である。
廿余丁(にじゅうよちょう)山を登つて瀧あり。
岩洞の頂より飛流して百尺(はくせき)、千岩の碧潭(へきたん)に落ちたり。
岩窟に身をひそめ入りて瀧の裏より見れば、裏見の瀧ともうし伝えはべるなり。
しばらくは瀧に籠るや夏(げ)の初(はじめ)
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那須の黒ばねといふ所に知人あれば、これより野越にかかりて、直道(すぐみち)をゆかんとす。 遥に一村を見かけて行くに、雨降り日暮るる。 農夫の家に一夜をかりて、明ればまた野中を行く。
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そこに野飼の馬あり。 草刈る男の子になげきよれば、野夫といへどもさすがに情しらぬには非ず。 「いかがすべきや。されどもこの野は縦横にわかれて、うゐうゐしき旅人の道ふみたがえむ、あやしうはべれば、この馬のとどまる所にて馬を返したまへ」と、かしはべりぬ。
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山はおくあるけしきにて、谷道はるかに、松杉黒く、苔しただりて、卯月の天今なお寒し。 十景つくる所、橋をわたつて山門に入る。
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また、清水ながるるの柳は蘆野の里にありて田の畔(くろ)に残る。
この所の郡守戸部某のこの柳見せばやなど、おりおりにのたまひ聞こえたまふを、いづくのほどにやと思ひしを、今日この柳のかげにこそ立ち寄りはべりつれ。
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令和5年6月 瀬戸風 凪
setokaze nagi
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