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ワタクシ流☆絵解き館その94 青木繁「黄泉比良坂(よもつひらさか)」の《何じゃ、こりゃあ?》を探る。

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青木繁「黄泉比良坂」 1903年 水彩・色鉛筆 東京藝術大学大学美術館蔵
※以下の図版はすべてこの絵の部分切り取り 一部に輪郭線を加筆

この絵の場面説明は、青木絵画愛好者には周知でしょうから省きます。早速表題の内容へ。

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「古事記」の記述では、イザナギが黄泉国から逃げる術として、クロミカヅラを投げるとエビカヅラノミになった。
エビカヅラノミはすなわち葡萄だ。そしてまた、黄泉比良坂に至ったとき、モモノミを投げている。のこと。それを醜女が拾い食べている間に逃げ切ったとある。iやHで示したものは、醜女が気を取られている食べ物に間違いないだろう。
Gは何だかわからない。腕の間にはさんでいる物のように見える。

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醜女は手に何か下げているのか。宙に何かが浮いているようにも見える。「古事記」の記述には、イザナギが身に着けていたユツツマグシを投げるとが生った、とある。

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複製の状態(実物とはずいぶん違うだろう)もあって顔みたいに見えるものは、あちらこちらにあるが、余禄にひとつだけ例示しましょう。断っておくけどもちろん錯覚、思い込み。

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手元に青木繁の画集があれば、この「黄泉比良坂」は、拡大鏡で眺めてみると面白いですよ。芸術の純粋な愉しみ方からすれば、まったく邪道ですが。けれど青木繁もこの絵だけは、多少は遊びの心を持って描いたと思うのは、間違いとは言えない気がします。
                   令和3年12月      瀬戸風  凪  






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