ワタクシ流☆絵解き館その227 青木繁の絵に感化され生まれた詩を読む。
■ 伊良子清白の詩「淡路にて」ー青木繁「海の幸」(1904年発表 )からの触発
伊良子 清白(いらこ せいはく) は、詩集「孔雀船」( 1906年(明治39年)刊 これが清白唯一の詩集 ) を持つ明治、大正時代の詩人。本業は医師。蒲原有明に並ぶ明治の象徴派詩人。
上に挙げた文語詩を、口語体で書き直して意をとれば、下記のようになるだろう。
下に挙げた蒲原有明の詩「海の幸」は、白馬会で発表された青木繁の絵画「海の幸」を観た感銘から、展覧会直後に作られている。伊良子清白の「淡路にて」の方は、先行する蒲原有明のその詩に影響を受けている。
よって最終連 (「鳴門の子海の幸」以下 ) は、青木の「海の幸」の画面を彷彿させる表現だ。蒲原有明の表現「魚 ( な ) の腹碧き光を背に負ひつつ」を、清白は「魚 ( な ) の腹を胸肉 ( むなじし )におしあてゝ」と表現を変えてはいるが。
■ 作詞家 島田磬也 ( しまだきんや ) の詩「黄金の鐘」ー青木繁「わだつみのいろこの宮」(1907年発表 )からの触発
島田磬也 ( しまだきんや ) は明治42年生まれ。日本音楽著作権協会評議員で「闘魂」「詩祭船」などの詩集がある。
「裏町人生」、「上海ブルース」、「夜霧のブルース」や軍国歌謡などの歌謡作詞者として知られる。
青木の絵からの触発された詩ではないが、島田磬也の詩を一部抜粋して紹介する。浪漫主義へのあこがれを持った詩人であるのがうかがわれる。
令和5年2月 瀬戸風 凪 setokaze nagi
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