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【最強BMP⑫】「呪いの言葉は不幸を加速させ、褒める言葉は幸福を加速させる」脳の仕組み

脳の仕組みで読み解く「人を呪わば穴二つ」の意味

日本の諺に「人を呪わば穴二つ(ひとをのろわば、あなふたつ)」という言葉があります。穴というのは、お墓のことで、二つと言うのは、相手と自分の分です。「人を呪えば自分にもかえってくる」という意味の諺です。
人を呪うという行為は、他人に対して消えて欲しいと思うくらい酷く憎むことですが、この、人を「呪う」という感情は、まさに究極のマイナス感情にも関わらず、呪っているときは、脳内ホルモンのひとつ快楽物質であるドーパミンが出ているので楽しい気分になっています。漫画などで悪魔の形相で「フフフ」と笑っている画などありますよね。

「悪口」はストレスホルモンも分泌させる
「さずがに呪いはしない」と思っていても、「呪う」のと同じことを脳内で起すのが「悪口」です。「悪口」を言っているときは、快楽物質のドーパミンを分泌しているので楽しいはずです。「飲み会で悪口を言うとストレスを発散できる」と言う方もいらっしゃると思います。多少であれば、ストレス発散になる場合もあると思いますので、止めはしませんが、自分の脳を傷つけることになるのでお薦めはしません。

私もビジネスパーソン時代、職場に「仕事や上司の悪口を120%の力で言う」方がいました。聞くほうもマイナス感情になっていくので、パフォーマンスが下がります。しかも、その方は「悪口」を繰り返すことで、怒りや憎しみを増幅させてしまい、眩暈や耳鳴りなど体調にも異変がおこり、最終的には、会社で倒れてしまいました。結果、後日退職してしまいましたが、退職後は驚くほど元気に回復していました。攻撃的且つ人を傷つける言葉を使ってマイナス感情を爆発させたら、他人を責めていたはずが、自分だけが体調を崩すといった、散々な結果になってしまいました。

また、「愚痴や不満を言うと自分が疲れるんです」という相談もお受けしますが、「愚痴」「不満」というのもマイナス感情そのものです。そうなると思考と体調がマイナスになり、ストレスホルモンを出すので、あまり繰り返すと自分も疲れてしまうんです。

ネガティブな「言葉」を使う「態度」をするだけで脳はマイナス反応をしています。
人は、マイナス感情になると、思考も否定的になり、脳内からはストレスホルモンのコルチゾールを分泌します。コルチゾールを過剰分泌すると、最終的には体調を崩します。

無意識の領域は「主語」を認識しない
知らずに自分の脳を傷つけている
「悪口」「愚痴・不満」を一番誰が聞いていると思いますか?言っている本人です。
自分の言葉を自分の耳で聞いています。
私たちの脳は、無意識の領域では主語を認識しません。
つまり「○○さんは頭悪いよね」「○○、あいつクソだよね」「○○さんが仕事出来ないからダメだ」など、意識の上では○○さんを認識出来ていますが、脳内では○○さんが消え「頭悪いよね」「クソだよね」「仕事出来ないよね」と自分に言っているのと同じ状態になっています。
「悪口」を言って「楽しい」「すっきりした」と錯覚しているだけで、吐き出す「マイナスの言葉」で自分の脳を知らずに傷つけているのです。

とはいえ、嫌なことを心に溜めてしまうのも、問題がある場合もあります。言わないに越したことはありませんが「1回だけにする」などして、悪口を言わなくて済むような解決策を考えて行ってください。嫌な相手のために自分の脳を傷つけるのは馬鹿らしいですよね。

「イジメ」はイジメている側も自分の脳を傷つけている
学生さんにお話をさせて頂くときに、他者に対してマイナスの言葉を使った際に、自分の脳に与える影響を伝えています。暴力的な言葉を相手に直接伝える時だけでなく、SNSやLINEなどで、相手を傷つける言葉を使うときも同じです。相手を馬鹿にした言葉で煽っているときは快楽物質のドーパミンを分泌させているので、楽しいかもしれません。
しかし、同時に無意識に「クソだ」「バカだ」と自分の脳を傷つけています。それを繰り返していると、知らずに自分の自己肯定感が下がってきます。自己肯定感が下がるので、日常も面白くない、結果、誰かにイライラをぶつける悪循環を招きます。
イジメだけではなく、普段から「マイナスな言葉には気をつけ、意識してプラスの言葉を使うように」と、お伝えしています。

無意識の領域は「主語」を認識しないを逆手にとる
「褒めまくる」

無意識の領域は「主語」を認識しないとお伝えしました。この仕組みを逆手にとって、幸せになる方法があります。
それは、人を「褒める」ことです。大人になると、残念ながら褒められる事が減ってきます。
脳は主語を認識しないのですから「○○さんは今日も綺麗だね」「○○さん仕事が早いよね」「○○さんがいると職場が明るくなるよね」と言えば、自分に言っているのと同じことになります。褒められるのですから、言われた相手も悪い気はしません。

幸せホルモン「オキシトシン」「エンドルフィン」を分泌させる
褒めると、褒めた側も褒められた側も、どちらも「オキシトシン」や「エンドルフィン」「セロトニン」「ドーパミン」など、幸せホルモンと呼ばれる脳内ホルモンを分泌します。これらは、自律神経を整え、ストレスを緩和し、心身を整えるホルモンです。

呪いの言葉より、褒める言葉の方が、脳と身体にどれだけ良いかお分かりいただけましたか?同じ脳の仕組みを使うのなら、心身ともに幸せになれる言葉を使っていきたいですね。


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