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【DCCR】2-1-3_計算過程を操作目的ごとに分割する

必要なデータが整理できたら、次は計算過程を整理します。
そもそもDCCRモデルは、シートを計算過程に沿って、かつシートを操作目的レベルに分解することで、シート構造をシンプルに保つことができるというものです。
ここで計算過程を検討する目的としては、データシートを計算起点となるインポートとしてとらえ、そのデータの加工をどのような流れで行うかを決めることにあります。

そこでまずは大枠をつかむ必要があります。ただしほとんどのデータ加工は、データの結合、データの抜き差し、データの集計、データの抽出、データの読み替えでしょう。
なので手元に用意したデータをどのような加工を行い、最終的な出力したい形に整えていくかを考えていきます。この時に重要な点としては、細かい関数までは検討せず、どのような形でデータを加工していくか途中の経過を追っていくことです。こうすることで足りないデータや、そもそもの計算過程の破綻などに事前に気が付くことができます。

次に大きく計算過程を決定したら、実装するレベルまで分解します。ここで分解したレベルでシートを作っていくことになります。
なお、どのレベルまで分解するかですが、操作内容を元にしたシート名をシンプルに付けられるレベルであれば問題ありません。例えばECサイトの売上一覧を集計するとし、カテゴリIDからカテゴリ名を引っ張ってきて、集計対象となる5つのカテゴリに集計対象のフラグ付与し、隔週ごとに売り上げを集計する処理をワンシートで行うとします。このような場合に具体的な操作内容を元にシート名を付けるのは難しいと思います。恐らく『売上集計表』など最終的に何を表しているかという視点のシート名になってしまうでしょう。
これを操作内容を元にシート名を分けるとすると、『集計データ付与』シートで売上データにカテゴリ名の付与と集計対象フラグ、何年何月の何週目かを付与します。次に『集計対象抽出』シートで集計対象フラグを元に集計対象のデータを抽出します。最後に『週次売上集計』シートで週ごとの売り上げをカテゴリごとに整理することができます。

以上のように、計算シートにおいても計算過程の大枠を掴んでから詳細を検討していきます。そして操作目的ごとに計算シートをわけていくことで、シンプルなシート構造をキープすることができます。

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