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AIの画像でテクスチャを作る

商用利用可能な絵を描くAI、Stable Diffusion。
これを簡単にPCへインストールできる「NMKD Stable Diffusion GUI」というものを見つけたので遊んでみました。

内容はこんな感じです。

  • モデルを用意する

  • 生成する画像は512×512

  • シームレス化やハイパスフィルタといった画像加工はOK

  • それをもとにNormalマップ等を作成(今回はMaterializeを使用)

今回はこのイスの木の部分のテクスチャを作成します。

座面と背もたれが木製


元となる画像を生成する


さっそく作ってみます。Stable Diffusionは初心者です。"wood texture"とかseemless"とかいろいろPrompt(呪文)を入力しました。

何度か試した結果はこちら

木のテクスチャと言ったらフローリングみたいなものが大量に生成されました。公園のベンチ作ってるんじゃないんだ。
強烈にビネットがかかってたり、”PBR”と入れたらマテリアルのサンプル画像みたいになったり難しい。
何度もPromptを変えて200枚を超えたあたりで以下の画像が入手できました。

Prompt:white oak texture, wooden panel, texture, table

木のテクスチャです!縦のリピート感が突板っぽい。
今回はPromptに"table"と加えたのが良かったようです。この画像をベースにテクスチャを作成します。

テクスチャ用に加工する

次の作業を行いテクスチャとして使える状態にしました。

  • ハイパスフィルタでビネットみたいなものを除く

  • ハイパスフィルタで失われた色を戻す

  • タイリング可能な状態にする

  • 他のマップも作る(今回はDiffuseとRoughnessのみ使用)

MaterializeでRoughnessマップを作成
(Smoothness Mapって書いてあるわ)
最終結果

これらの作業を経て完成したテクスチャがこちらです。
最初はRoughnessマップの作成以外は一切加工をしないつもりでしたが、あまりに道のりが険しく結局妥協、上記の処理をしました。
例えば"seemless"や"tilling"と入力しても得られる画像は"リピート可能っぽい"画像です。今回使用した画像のPromptにはどちらも含まれていません。

テクスチャ完成!

DiffuseとRoughnessの各マップが用意できたので3Dモデルに実際に使ってみます。

小物程度なら実用に耐えるところまで行けそう

かなりそれっぽいものができたのではないでしょうか?

課題

なんかAI楽しそうとフワフワ始めた挑戦でしたが、実際にやってみて特に気になったものを2点挙げていきます。

Promptが大変

"3D"と入れたらやたら立体的になった、"CG"と入力したらスタイルが変わってしまう、"tilling"というPromptのせいでタイルそのものになったなど思った内容と返される内容の開きに苦労しました。

ですがこれは個人のStable Diffusionへの習熟度の問題でしょう。
Promptの作成を助けてくれるサービス *1などを使えばもっと効率的に行けたはずです。画像からPromptを生成してくれるサービス *2なんてものもあるそうです。

加えて今回は使っていませんが、Stable Diffusionには0からではなく用意した画像をもとに新たな画像を生成する機能というものがあります。
他にもseed値をはじめとした調整可能なパラメーターにはほとんど触れていません。これらを理解して使えば更に効率的に画像を生成できるかもしれません。

写真から作るのに比べアドバンテージが無い

ここまで来てから言うのもアレですがAIで画像を作る利点は何でしょう?
スタート地点となる画像、素材の入手法がいつもと異なるだけで、他の工程は特に変わったものはありません。きれいにリピートするようにしたのもRoughnessマップを用意したのも自分です。

今回は木というありふれたものをわざわざAIで作成した為、余計にこの感覚が強くなってしまいました。
言い換えれば画像を用意するのが大変なものなら絶大な効果を発揮してくれるかもしれません。自分でデザインするのが面倒な紋章とか「緑に輝く毒の沼」の様な実在しないものなど適切な使いどころというものがありそうです。
ありふれたものであってもStableDiffusionに習熟して、欲しい画像が一瞬で用意できるとなれば話は変わってくると思います。

Prompt:painted metal texture, seemless, black, 3D
Prompt:Green glowing poisonous swamp, texture

終わりに

初めてのStable Diffusionでイスのテクスチャを作りました!
上でも述べましたがテクスチャに加工する工程が自分の作業となってしまいました。このテクスチャ作ったのAIじゃなくて俺じゃない?

今回はイスの木の部分しかテクスチャを作成していません。
ですが一度使用したことで理解が深まりどんな風に使えばいいのかが見えてきました。
いずれはコンクリートの床やレンガの壁、空のテクスチャなんかも用意できるようになるかもしれません。


*1:Catcy AI で画像生成するテキストを作成ジェネレーター 2022年9月14日
https://ai-copywriter.jp/free/136

*2:Replicate methexis-inc img2prompt 2022年9月14日
https://replicate.com/methexis-inc/img2prompt


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