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中高一貫校か大学附属校か、それも問題だ

娘の志望校を考えるうえで、「共学か別学(女子校)か」は大きなポイントであるけれど、都内の共学中高一貫校は選択肢が少なすぎる!ということを先のnoteで嘆きました。

そこで共学を志望するならば嫌でも視野に入り込んでくるのが、大学附属校の存在です。

〔都内の大学附属校(四谷大塚80偏差値60以上)〕
・慶應義塾中等部(70)
・早稲田実業中等部(68)
・青山学院中等部(65)
・明治大附属明治(63)
・立教女学院(61)
・学習院女子(61)

大学入試制度が変わった影響もあり、早慶GMARCHの附属校・系列校はどこも大人気ですよね。附属校のメリットは、なんといっても大学受験がないところ。附属中学に入学することで実質的に大学進学が保障されるというのは、親としてもストレスが少なくて済みそうです。一方、デメリットとまでは言わないまでも、内部進学率の高さ、つまり外部の大学への進学率が低い点が引っかかるのも事実。

私はSFCとはいえ一応慶應卒なので、在学中には内部進学の人にたくさん出会いました。彼らには共通して漂う雰囲気みたいなものがあった気がします。例えば、幼稚舎から慶應という人たちは、皆一様にコミュニケーション能力が高かった。ガツガツしたところがなく、オープンマインドで社交的。本人に自覚はないだろうけれど、「育ちのよさ」が至る所にあらわれてしまうので、口の悪い人たちから「あいつは幼稚舎だから(お坊ちゃんだから)」みたいに揶揄されることもあったりして。幼稚舎卒同士のタテヨコの結束はめちゃくちゃ固くて、福沢先生はイギリス式ボーディングスクールを日本に導入したかったのかな……。

一方、中・高から慶應という人たちは、もうちょっとすれたところがあったような。女子はなんでもそつなくこなす優等生タイプをよく見かけた一方で、男子は遊び上手で、やるときはやるけど、やる気がないときは徹底的に手を抜くみたいな人もいて、成績が悪いと「オレは内部生だから」と自虐的な笑いを取る人にもよく出会いました(あくまで、20数年前に私の周りにいた人たちの話です)。

そもそも、内部進学生のほとんどは男子。都心から離れたSFCだからということもあるけれど(※世間一般にイメージされる「慶應ボーイ」系は、華やかなキャンパスライフが送れる日吉や三田に進学する)、女子は慶應女子かSFC高校、ごくまれにNY高しかないので、絶対数が少ないのです。内部進学生同士でも「塾高だから」「志木高だから」などと互いにいじり合ってた記憶があります。

――話が大きく脱線してしまいました。

大学受験なしの6年間は本当に貴重で、多感な年頃の中高時代を存分に好きなことに打ち込めることの意味は大きいと思います。一方、私立中高一貫校に進学し、それぞれが自分の可能性を手探りしながら大学受験にチャレンジしていく環境に身を置くのも刺激的です。2020年度の渋渋や広尾学園の進学実績を見ていると、自分の未来を切り拓こうという意思が感じ取れますよね。私は子どもに、どこの国で暮らしても自立して仕事ができるようになってほしいと願っているので、中学~大学ではいろいろな価値観を持つお友達と出会い、互いに与え合える道を選んでほしいと思っています。

ちなみに、私の大学時代の友人に御三家卒の人もいますが、彼らは「自分は落ちこぼれだから慶應にしか受からなかった」みたいなことをけっこう口にするんですよね。「御三家→(鉄緑→)東大」コースから外れただけで劣等感を抱くのはつらすぎる。難関校で競争にもまれた結果、自己肯定感をすり減らしてしまうくらいなら、附属中に入ってのびのび育ってほしい気もするなあ。

私自身は小中高と地方の公立共学校を出ているので、素敵な学校を見るたびに「私もこんな学校に通いたかった!」と胸の中でため息をついてしまいます。幼いころ、私の母がよく「蔦の~絡ま~るチャペ~ルで 祈り~を捧~げた日~」と歌うのを聞かされていた影響でしょうか、レンガ建ての校舎、ツタが生い茂るチャペルといったものに憧れがあるんです。今調べたら1964年に出された「学生時代」という歌のようで、舞台は青学なのだそう。40代・2児の母になっても変なところでこじらせているので、こういう憧れは子どもに転嫁させずにうまく成仏させたいところです。


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