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【ポートフォリオワーカーのススメ】

2019年から、新しい働き方を目指している。その名も「ポートフォリオワーカー」。未来の働き方だと信じていつか実践したいと思っていたポートフォリオワーカー。私は今、その未来の中にいる。

メインの仕事を持たず、複数の異なる種類の仕事を組み合わせて働く働き方のことをポートフォリオワーカーと呼ぶ、と知ったのはまだ私が企業に勤める会社員だったときのこと。私は新卒で大きめのコンサルティング会社に就職し、3年目が終わるころ、身体を壊して仕事を辞めた。2つ目の会社はこぢんまりとしたコンサルティング会社で、そこで私は6年間バックオフィスとして会社を支えた。確かに会社を支えている、という実感や自負もあったし、それなりの対価もいただいていたし、評価もしてもらっていた。でも会社を離れた。変わらなければいけない、何かを変えなければいけない、そんな気がしていた私は、色んなものに後押しされて家族とともにウガンダへ渡ったのだ(ウガンダ滞在時の話は非常に長くなるので割愛。いつか必ず書きます。ポートフォリオワーカーになれた大きなきっかけだから)。

そしてウガンダから日本へ帰国して、いよいよポートフォリオワーカーを実践する時が来た。帰国後はポートフォリオワーカーになる!と決意を固めていたのに、収入がない時期が長く続いたことが恐ろしくなり、フルタイム、正社員の仕事をこっそり探したことも何度もあった。人はときに仕事がない状態が続くと、自信がなくなり、不安感も強くなるのだということを知った。収入がない状態、そして肩書のない状態は私の心の不安を醸成させて、心細くさせた。でもなんとか踏みとどまり、ウガンダ時代からやっていたほぼ収入のない小さな2つの仕事を細々と、そして丁寧に行う日々が2か月ほど続いていた。そうこうしている中で、一つ、また一つと仕事の声をかけてもらって、そう。これは今思い出してもすごいなぁと思う。奇跡のような出来事が繰り返し続いたと言ったら良いのか、とにかく周りの人に恵まれているということなのだろう。ポートフォリオワーカーを実践できているのは間違いなく仕事をくださっている人たちのおかげで感謝を忘れないようにしなければいけないなと毎日思っている。

2020年現在私が抱えている仕事の種類は5個。すべて全く違った業種で、仕事の職種も異なるものばかり。2019年から実践し始めてもう少し種類が増えた時期もあったし、減った時期もあった。収入も今よりずっと多い時期もあったし、ゼロに近くなってしまった時もあった。今の状態が良いバランスなのかはわからないし、もう少し増やせそうな気もすればこれ以上は無理なような気もしている。

時間が非常に多くとられるものも、そうでないものもあるし、単価が高いものも、それほどでもないものもある。それらを同じように大切に、同じように丁寧に対応することは非常にチャレンジングで時に挫折しそうになることもある。でも間違いないのはどれもとても好きな仕事ばかりで、手放したくないものばかりだ。

そんなポートフォリオワーカー、今回はポートフォリオワーカーを続ける魅力をいくつかご紹介したい。

1. 「都度のライフスタイルに合わせて、ポートフォリオの組み替えが自由にできる」


これぞまさにポートフォリオワーカーの醍醐味である。ポートフォリオワーカーを実践し始めて私もいろんな出来事があった。息子の転園、引っ越し、妊娠、出産。イベントの都度ポートフォリオを組み替えてきた。仕事の数を減らしたり、増やしたり。家でできる仕事だけに絞ったり、外に出たい時期は外へ出る仕事を増やしたり。これができるのはポートフォリオワーカーの一番の魅力。

2. 「新しいことを多少躊躇なくできる」


フルタイムの仕事で転職するのって本当にドキドキするけれど、複数あるうちの仕事の一つだと、ちょっとチャレンジングかな?これは私にはできないかも、と思っていたことにも少し背伸びしてチャレンジができる。2020年に入ってからは翻訳の仕事を新たに始めたり、カフェとパン屋さんで働かせていただくなど、本当に考えられないような出会いがたくさんあった。私のポートフォリオワーカーマイルールは毎年新しくやったことのない仕事を新たにポートフォリオに組み込むこと。今年は既に目標ルールクリア。

3. 「いろんなバランスがとりやすくなる」


もともとは本当に24時間365日仕事のことしか考えられないような性格で、そのせいで心も体もたくさん疲れた時期もあった。でも息子が生まれたときから、仕事は決して一つじゃなくっていい!と気づくことができた(子育ても一つの仕事とカウントした場合に)。今は仕事自体も複数になって、子育てもあって、心のバランスはとても取りやすくなったと思うし、仕事の重さのかけ方とかもバランスを考えられるようになったと思う。一つのことをやりすぎず、手を抜かない。一つのことを考えすぎず、でも必要最低限には考えてみる。難しいからバランスが貴重。

4. 「稼ぎすぎなくてもいい、の発見」


これは本当にすごい発見ですが、会社員をやっていたときはとにかくボーナスと昇給がうれしくて、そればかりをモチベーションにしてやっていたけど、今はポートフォリオを見直すたびに、自分の家族との時間や一人静かに過ごす時間と天秤にかけ、仕事の時間や収入を一つ一つ見てはこんなに働く必要はあるかな?と自問自答できる。初めていくら稼ぐ必要があるのか、じゃあどれだけそこに時間を割こうかと考えることができるようになった。まあ稼ぎすぎるほど稼げたことなんてないんですけど(笑)

5. 「雇い主とのevenな関係性」


雇われているとどうしても立場が弱くなる状況がたくさんある。もちろん仕事で評価をされ、大切にし扱っていただく場面はたくさんあるし、それは非常にありがたいこと。でも何かトラブルが生じたとき、仕事がどうしてもつらくなったとき、仮に身体や心が病んでしまったとき、雇われる側は弱い。なんでかって?仕事をやめたら明日から生きていくことに困るからだ。有給をたくさん消化することはできるかもしれない。休職を勧められるかもしれない。でも戻ったときにまた同じ状況にならないか。よりつらい状況になってしまわないかと考えることで、すべてきれいさっぱりやめてしまえたらいいのにと思うことはあるだろう。でも、仕事をやめてしまうことはそんなに簡単なことではない。でもポートフォリオワーカーは違う。一つの仕事をやめても、ほかにも仕事がある。一つの仕事の収入がなくなっても、明日からすぐに生きていくことには困らない。仕事がなくても、自分の存在価値を見失うこともない。大丈夫。また新しく少しだけ稼げる仕事を一つ探せばよいだけだ。私もポートフォリオワーカーを始めて、ポートフォリオの組み換えでやめたところもあれば、仕事に対する姿勢などの不一致で契約を終わらせていただいたところも、ある。でもその時よかったのはいつも、ほかの仕事が目の前にあったことだ。やめる決断がしやすかったし、やめた後も後悔していない。それはきっと、ほかにも仕事がたくさんあったからだ。

掛け持つのは時間管理能力を必要とするし、すべてをきちんと行い、そして決してやりすぎないという能力が必要で、それはまだ私にはないように思う。けれどまだまだポートフォリオワーカー2年目の私。これからどんどん新しい経験が積みあがっていくはず。そしてよりよいポートフォリオでの働き方を目指していくのです。

今回はポートフォリオワーカーの良さをお伝えしました。次回以降はどんなお仕事をしているのか、一つ一つの仕事について少しずつ書いていこうかなと思います。


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