予習の時間対効果

英語科では(かつて?)オーソドックスな指導法として
・単語調べ
・本文丸写し
という予習方法がありました。

これ、どれだけの学習効果があるか、誰か検証したことある人は教えてほしいんですよね。
とくにタブレットですぐに意味を検索できるようになった令和時代、(紙の辞書を引く訓練はどこかでしておくとしても)「ただ調べるだけ」「ただ写すだけ」の予習は(効果ゼロとは言わないが)かなり効率が悪いだろうと思ってます。

で、アンチテーゼですが、いきなり意味を教えて、いきなり単語テストをする授業をしています。

①単語の意味をいきなり伝えてしまう【全体】
②タブレットを使って自分で発音チェック&ALTのところに行って発音テスト【個別】
③スペルテスト【全体】
④発音もスペルもできるまで再テスト【自由進度学習】

今まで一般的だった予習(意味調べ)をオミットして、代わりに『発音を自分で調べる』ことを自学として課したわけです。

いきなり単語テスト(発音もスペルも)ってあたりは、隂山英男先生の「3秒で漢字を覚えなさい」あたりと似ています。
(いちど全体を示すために1ラウンド終えてしまうラウンドシステムも、隂山先生の「集中速習」と同じ発想ですね)

最近はカフートやクイズレットなんかをフル活用する先生方も増えてきましたが、山田は意外と発想は前衛的、手法は古典的で、フツーの紙のノートに単語テストをさせてます。自学の練習もかねて、普通の4線ノートに自分なりの方法で練習させてから「練習が見えないようにしてテストしましょう」としてます。

専用の市販ノートや、単語帳や、こちらが作るワークシートなんかは、あえて使ってません。真っ白なノートを使いこなす訓練をさせたいからです。
難しい語だけ練習してもいいし、自信あるなら見るだけで覚えてもいい、など方法は自由です。大事なのは覚えたという結果のみ。

Unit2ー2などのタイトルと、8/12点のようなスコアとを記録させてます。12/12のように満点になったら見せに来て山田が記録します。その記録してる時間で「クリアできなかった人は再挑戦に向けて準備しましょう」「クリアした人は先に進みましょう」としてアイドルタイムをつぶしつつ、数分後には再テストしたりします。
言語活動も含め、連続でテストしたときに最も学習強度(インテンシティ)が高まってると感じるからです。

ノートを使ってアナログに勉強する訓練をさせる一方で、教科書と違う配列のYEシート(いつしか『山田先生のエクセルシート』略してYEシートと呼ばれるようになりました)は、効率重視のため自動採点を組み込んでます。小中どちらでも習得させてもらってない小学校単語631語(この問題については別記予定)なんかは、このYEシートで取り戻します。

授業内での展開例としては、

①教師用デジタルテキストの単語フラッシュ機能でいきなり英単語(一応発音も)を見せて
"player"(デジテキ)
"player!"(生徒)
"What is the original word of player?"(山田)
"play!!"(生徒の誰か)
"Yes , that's right. play する人がplayer な"
(ここでデジテキに日本語訳が表示される)
"OK. next..."
(山田はどんどん先に進むので、生徒はすばやく教科書に直接意味を書き込む。出遅れても、班の人に聞いたり教科書のぞきこんだりしてついてくる。なにせ説明の1~2分後には単語テストが始まっているから)

②せっかく全員にタブレットと生徒用デジタルテキストがあるわけなので(そして予算を投入したからには使わせろという圧力があるわけで)
「書く方の単語テストをクリアした人は、ALTのところへ行って発音テストしましょう。発音がまだ怪しいと思うなら、自分のデジテキの音声をイヤホンで聞いて確認しておきましょう」
とします。
これだけで自学を促せるし、『ALTがいるのに、わざわざ英会話をレコーディングする』とかいう圧力に屈した無意味な授業をしなくてすみますw

③ALTには、わざと筆記体で生徒の教科書の該当場所にサインしてもらってます(偽造防止w)。そのうえで、山田がチェック受けつけてる時間にサインを見せに来て、山田がポートフォリオに正式に記録します。別途記事にしましたが、行列をさばく技術もブラッシュアップさせていきたいですね。


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