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碧の夢 -序章-

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かなり長いファンタジー小説です。 構想が長過ぎるから、書き始めないと終わらない。 不定期に更新していきます。
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2021年1月の記事一覧

破滅の碧色 → 時代の終焉

大聖堂での爆発、轟音に気付いたのは、警備の兵たちだけでは無かった。
世界樹の森より先、不可侵エリアの向こうからネルミラを監視し続けていたガーランド帝国。彼らもまた昨今の騒動には危険を感じていたし、世界樹が枯れ落ちたことにも真っ先に気が付いていた。
「これはまさか、ネルミラで暴動か……?」
監視兵から連絡を受けたガーランド帝国騎士団長は、すぐさま国王に進撃を進言しに行った。内乱、暴動、テロ。国が騒つ

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夢の終わりに

事切れた友の亡骸と、瓦礫の山。
夥しい死を前に、彼の思考は不思議と澄み渡っていた。

「終わりだな、これで……」

呟きながら、瓦礫を踏み歩いた。
何の反応も無く、友の亡骸はただ風に吹かれていた。

何が、間違っていたのだろうか。

考える程に思考は絡まり合い、答えは永遠に見えない。だが後悔は無かったし、己が間違っているとも思えなかった。

「……ロー」

亡骸に触れ、涙を流す。零れ落ちた滴は彼の

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