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「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」レポ【前編】

こんにちは。ぽろんと申します。またの名を雛田みかんです。役者の端くれでオタクです。

先日、2024年7月5日〜7月22日まで紀伊國屋ホールにて上演されていた「熱海連続殺人事件」を観劇してきました。
Standard公演とモンテカルロ・イリュージョンの2作品が同時上演された中から、
「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」の主観にまみれたレポと感想を綴っていこうと思います。
台本と記憶を頼りに書いているので正確ではないです。ご容赦ください。

台詞はこちら↓の台本から引用してますが、一部端折ったりもしてます。

筆者のクソキモオタぶりが随所に滲み出てしまうかと思いますので、その点もご了承の上お付き合いいただければ幸いです。


まず私は、熱海殺人事件という演目は昨年紀伊國屋ホールで上演された「熱海殺人事件 バトルロイヤル50's」が初見でした。
そこから熱海にハマり、ここ1年ほどで色んな団体さんの公演を観劇したり、残っている映像を視聴したり、台本を読んだりしていました。
(※熱海ファン歴としては全然ぺーぺーなので、何年も観劇されている方や携わったことのある方の方がずっとずっと詳しいと思います)

「モンテカルロ・イリュージョン」(以下モンテ)も阿部寛さんが出演された時の映像を何度か観て、他の団体さんの公演を観劇したり、台本も読んでいました。

2020年、2021年に中屋敷さん演出のモンテが紀伊國屋で上演されたらしいとは昨年知りました。
それもコロナ禍により2020年は完走されず、2021年は全公演中止。どうやらすごかったらしいという噂を聞く幻の公演。
いつか中屋敷さん演出のモンテを観てみたい、と思っていました。

そんな中で発表された今年の公演。なんとしても観なければ、と楽しみにしていました。
ルンルンで概念コーデを数日分買って組んだくらいです。過去の公演に倣ってピンクを揃えたところ、今年は部長の衣装は紫らしいと知って紫のコーデも組んだり。
(ちなみに昨年は大山くん概念はオレンジだったので、私の芸名(雛田みかん)からくるイメージカラーがオレンジなことからオレンジの服は手持ちが多く、自前で揃えられて楽だったりしました)

そんなこんなで浮かれて劇場に向かったオタクのレポになります。
よろしければお付き合いください。

今年もうちの金ちゃんと一緒だぞ!

(※昨年の大山くんをイメージした衣装を着せたゼニガメぬいです)
(※なんのこっちゃな方はよろしければこちらをご覧ください↓)


ストーリーレポ

幕が開くと、スモークの中、ブルックナーの「復活」が流れる。
一人の男が客席に背を向け、マイクを手に語る。
いくつもの星が生まれ、いくつもの星が滅んでいった。地球さえもが滅んでから何千億という時が流れた。
死後の世界で目を醒ましたのは木村伝兵衛部長刑事(演:多和田任益さん)。
背後のスクリーンでは宇宙の創造の映像が映される。
部長の朧げな記憶の中から「鳥」「速水」という言葉が浮かぶ。

「白鳥の湖」が流れ、舞台は過去、1993年の東京警視庁捜査室へ。
他演出ではよく鏡が使われているところ、鏡の代わりに背後のパネルに部長の姿が映る画は美しい。
「速水…速水…」と泣いているところへ電話がかかってくる。新宿2丁目のオカマからの電話。
受話器を取りなが艶やかに舞う部長。
バリバリ踊れる人の踊り。指先まで滑らかで美しい。ここそう演出するの!?という衝撃その1。
再びかかってきた電話をワン切りする時の手先も美しい。

その中で山形から赴任してきた速水兼作刑事(演:嘉島陸さん)が登場。
速水は部長をオカマと罵り、胸を揉む。バイセクシュアル(男の方が好き)な部長はあられもない声を出す。
殴りかかる速水を部長は返り討ちにし、上司と認めさせる。
ここ、バチバチのアクションでドカッ!バキッ!という派手なSEが入る。派手な暴力は良い。
反撃するまでカマ走りで逃げる部長がかわいかったりもする。(※カマだのゲイだの言ってますが作中の表現なので実際の人たちを貶す意図はありません、悪しからず)

部長は速水という名には聞き覚えがある。
かつてロサンゼルスオリンピックの棒高跳びの選手だった速水雄一郎という男がいた。彼は部長の恋人だった。しかし6年前、モンテカルロの自動車事故で死亡。
速水兼作は雄一郎の弟であり、部長が兄を殺したと思い時効が迫る今日、逮捕に来たという。

そんな中、婦人警官水野朋子(演:木崎ゆりあさん)が登場。
水野は心臓に病を抱えており、通院先の病院に部長の父も入院しているという。
水野はこの事件を最後に警視庁を退職する。
水野は部長を愛しているが、部長は女を愛することはなく(愛人関係は持っている)、すげなくあしらわれる。
水野が意見しようとすると部長は「クソが!」と書類を床に叩きつける始末。クソ野郎である。

部長「一言でどんな女かと申しますと、私の女です⭐︎」
完全に⭐︎が付く語尾。
速水「水野さん、あなた部長の女って本当ですか!」
水野「はい⭐︎」(キラーン)
部長と水野2人揃ってポーズするのだが、ここがピースで猫耳だったり顎下キラーンだったり野球のバッターだったりセーラームーン(?)だったり日替わりでかわいい。
雑に扱われてるものの息が合っててベースは仲良しな部長と水野。10年も部下(兼愛人)やってるとこうなるのか…

今回の事件は、熱海の海岸で容疑者大山金太郎が被害者山口アイ子の首を締め殺したとされるもの。
このあたりはノーマル熱海と同じフォーマットなのだが、モンテにおいては過去の速水雄一郎の死の真相や、他にも様々な事件が交錯し、それらを捜査していくことになる。
さらに、山口アイ子は元オリンピックの女子砲丸投げの選手だったとされている。

部長は速水にセクハラしつつ、「もし水野にいい人ができて結婚することになってもケーキカットもナシ!お色直しもナシ!お色直しは俺がやる!その時の俺はキレイだぞ。そして胸のとこがカバーッて開いた紫色のドレス着て、俺たちオカマの応援歌、中森明菜先生の「デザイヤー」を歌ってやる!」と滅茶苦茶なことを言い出す。

そして実際歌い出す。

1曲目:「デザイヤー」(中森明菜)

部長「ゲランゲランゲランゲランバーニンハート♪チュッチュッチュッチュルッチュッチュッ」

歌うま。
歌いながら優雅に踊る。
ブレない歌声。
ダンスうま。
振り付けが良すぎる。
タンバリンで盛り上げる水野。

ここまでガッツリ曲流して歌い踊るモンテの演出は初めて観た。ここそう演出するの!?という衝撃その2。
歌唱力の無駄遣い…と思ったけどこれだけ歌って踊れる人ならそら歌謡ショーに振り切るべきたわ。有効活用だわ。

そう、モンテにおける木村伝兵衛は「歌で捜査をする」というトンデモ刑事
「そのアリバイは、私がいずれ歌って崩します」とか大真面目に言う男。無茶苦茶である。
芝居の中で台詞をメロディーに乗せたり、急に歌い出す、という演出はこれまで見てきても、歌謡ショーにここまで振り切るのは初めて見ました
音と照明がフルに使われ、紀伊國屋ホール全体が手拍子に包まれる一体感はとても楽しい。
間奏の間に台詞を挟むので流れが途切れずテンポが良い。

部長「美しいオレだ、怯えた初夜を迎えるのは、このオレなんだよ!」

はい、美しいですね。中森明菜がこの上なく似合ってるわ。
衣装はタキシードの中にド紫のフリッッフリなサテンブラウス着てるんですが、この宝塚みてえな衣装そのうっすいメイクで着こなせる人他にいないわ。その顔とトンデモスタイルがあってこそだわ。

(他の伝兵衛比でもナチュラルメイク。席が遠めだったこともあり、引きではピンクのリップしてんな、アップの写真でブルーのアイシャドウうっすらしてんなと分かるくらい。地顔が強すぎる)

速水と水野による「あーどっこい!」という合いの手も入れられる。
歌っている中で水野は「今だ!」と部長に抱きつき、ガチ拒否される。
部長が歌っている途中で水野に抱きつかれる、もしくは速水や大山に殴られて中断する、というのがこの後定番の流れになります。

部長「変な合いの手入れんな!」
速水「あんた達いつもこんなことやってるんですか!」
部長・水野「あーどっこい⭐︎」(ダブルピースキラーン)
イカレてやがる。

大山の捜査を続ける中で
部長「君、尾崎豊をどう思う?」←????
本当に唐突すぎて「お前何言ってんだ?」という笑いが起こる会場。
部長は尾崎豊の「シェリー」を勉強中だという。
と、そこで外で火事が起きているのが窓から見える。
燃えているのは新宿2丁目。誰かが放火したのだという。

そろそろ本気でいく、時間もないという部長。
水野「部長に手錠をかけ、死刑台に送り込むお時間でしょう」
部長「よせ」
水野「よしません。私、あなたのお側にお仕えして、もう十年になります。一度でも、私はわがままを」
部長「水野君、私は喋りすぎる人間は嫌いだ。君には感謝してるよ」
水野「…ありがとうございます」
速水は部長の水野への仕打ちは残酷だと言う。(それは本当にそう)

速水「人間なんて死ぬ程愛してやるか、殺す程憎んでやるかのどっちかだ。それを出来ないヤツは人間のクズと言います。 いや、オカマといいます」

「シェリー」がかかる。

2曲目:「シェリー」(尾崎豊)

歌い始める速水。
うっとりトリップしだす部長。
「罠よ!」と止める水野の制止も聞かず、速水に差し出されたマイクにルンルンで飛びついて歌ってしまう。

部長「シェリー♪あのころは夢だった♪」

これまた歌うま。美声。
サビに差しかかる。

部長「転がり続ける俺の生き様を〜♪」
速水「時には無様なかっこうで支えてる〜♪」

エアギターから、ガニ股ダブルピースでカニのようなポーズをする部長。

速水「それを待ってたんだ!!」

熱海において犯人が追い詰められる時のシリアスなBGMがかかる。(笑いどころ)
兄が事故を起こした時、現場から一人のカニ男が逃げ去る影が目撃されたという。(????)
背後にカニのポーズをとった部長のシルエットが映し出される。(爆笑)

俺は殺してない、と否定する部長に速水はゲイバー「トン吉」のママがお前が殺したと証言している、と言う。
だったらここにトン吉のママ連れてきてみろ!と言われた速水が鞄から出した金髪のカツラを被ると、そこにはトン吉のママが。
速水は昼は山形県警で、夜は新宿のゲイバーで働いていたという。

水野「昼は山形県警で夜は新宿、どうやって通ってたのよ!」
部長「飛ぶのよオカマは!」
(背後で大ジャンプする速水)
水野「じゃあいつ寝るのよ!」
部長「オカマは寝なーいのっ⭐︎」

トン吉のママ(速水)「ほ〜らキーさん(部長の愛称)やってよ、得意のカニ歩き。シュシュッ、シュシュッ。」

体が言うことを聞かず(?)たまらずカニ歩きをしてしまう部長。(しっかり内股、外股、としながらカニ歩きしていてダンススキルの高さが伺える)
ついに観念する。
時効まで残り2時間を切った中、最後に大山金太郎の事件を捜査するという。

部長「あの男には恨みがあるんです。」

部長はオリンピック棒高跳びの選手だった。
(オカマで元アスリートで突然歌い出す刑事というとんでもない情報量のキャラ付け)
13年前、部長はモスクワオリンピックに出場予定だったが、同じく選手だった大山がしでかしたある事件により、日本選手団680名は出場を拒まれたという。

部長「俺はあいつをブタ箱に叩き込むまで、あんたに捕まるわけにはいかないんだ!」

速水「大山を入れて!」

オープニング。

ナレーションの中、ピンクのライトを浴びて部長の捜査机でポーズを取り見栄を切る3人は非常に画になる。
「〇〇役、〇〇」というキャスト紹介。
一人一人ポーズをキメるのだが、この時、クルッとターンした部長の額から汗が飛ぶ様は「美しい…」と見惚れる画。

3曲目:「なぜか上海」(井上陽水)

歌いながら客席から登場するのは、犯人・大山金太郎(演:鳥越裕貴さん)。

部長と大山は絡み合いながらデュエットする。
(メインパートが大山、高音のハモりパートが部長)

大山「久しぶりだなぁ。相変わらずモテてねえか。相変わらず嫌われてるか」

鳥越さん.5(文ステ)でしか見たことがなかったんですが、こんなに声低かったの!?となる。

バチバチな部長と大山。
部長はモスクワオリンピックの件で、大山はモスクワの4年後のロサンゼルスオリンピックに優勝候補の部長が出場しなかったことで、互いに恨み合っている。

大山は部長を蹴りつけ、部長が新宿2丁目のウリセンゲイバーで体を売っていた過去を暴露し、部長を貶める。
男に体を触られると男娼スイッチが入って善がり声を上げ自ら男を求めてしまう部長を、大山は辱めようとする。
そこで速水が大山を殴りつける。

速水「俺たち警察にも午後5時過ぎたらプライベートはあるんだ。この人は俺たち地方刑事からしたら神様みたいな人なんだ。それをお前みたいなこすっからい容疑者に足蹴にされてたまるか!」

速水は部長の尊厳を守り、部長を助け起こす。
調子を取り戻した部長は捜査を始める。

部長「大山、この捜査室では演歌はだめだ。魂の叫び一本で来てくれや!…参ります。浜は〜♪汚れていましたか?」←熱海お決まりのフレーズ。
大山「カマ?」
部長「そんなこと言ってない!やだこの人怖い!」
カマ走りで逃げ出す部長。(椅子の陰からひょっこり覗いてる様はさながら大きい小動物)
カマじゃない浜だ、お前の聞き間違いだ、と速水は大山を殴る。

速水「いいか、これからはカマのカ、ホモのホ、ゲイのゲで始まる言葉は使うな。カホゲと覚えておけ」
↑この演目を初見の時に爆笑したポイント

水野がいじける部長をなだめて捜査が再開される。
(いじけ部長、指と指をツンツンしてて非常にあざとい)

再開したものの今度は大山がケツを掻こうとして「ケツ」と口走ったりするせいで一向に進まない。

部長「あたし、化粧を直してきてもいいかしら」
速水「あんたは化粧なんかしなくても十分キレイです」

ここ、日替わりパートで嘉島さん(速水)がクソほどいじられまくる。
先輩たち(主に多和田氏と鳥越氏)によるスパルタアドリブトレーニング。

7/14
部長「なんて言ったの?(早口すぎて)全然聞き取れなかったんだけど」
速水「アンタハケショウナンカシナクテモジュウブンキレイデス!」
部長「もっかい言って?」
速水「荒井さんが熱海は早口で大声出せばいいって言ってたんだよ!!」
部長「誰よ荒井って!」
速水「先輩だよ!」
(※スタンダード伝兵衛の荒井淳史さん)

7/20昼
部長「目ぇカッ開きすぎじゃない?」
部長「ちゃんと目を見て言ってよ」
速水「あんたは化粧なんかしなくても十分キレイです」
部長「なんで今瞬きしたの?」

7/21
部長「あたし化粧を直してきてもいいかしら」
速水「え?」
部長「なんで急に聞こえなくなったの?汗でびしょびしょだから化粧直してきていいかって言ったのよ」
速水「え?」
部長「こいつ殺していいかしら」
大山「さっきまで聞こえてただろ」
部長「あんたそれやること決めてんの?ダッサーい」
大山「ダセーよなぁ」
水野「ダサーい」
速水「(敬礼)あんたは…」
大山「なんでそれで先に進めると思ったんだよ。会話を楽しもうぜ
速水「捜査を進めます!」
部長「綺麗って言って」
速水「きr…」
部長「イヤーッ!!(ビンタ)浜は〜♪」

7/22(千秋楽)
速水「今日は!初めてなので。(←前回の反省)用意してきたことがあります」
部長「やってみせなさいよ」
速水「…テレレー♪テレーレレー♪テレーレーレ…(劇的ビフォーアフターのメロディー)」
大山「それはやめとけ
事故の予感がしてドキドキした先輩たち。
結局やることに。
速水「…なんということでs」
部長「イヤーッ!!(ビンタ)浜は〜♪」

だいぶうろ覚えです。

最後には部長がビンタして捜査を続けるのが定番の流れになってますが、どこで切ったら面白いか、どう収集つけるか考えてアンテナ張ってるわけだからすげえや。これだからアドリブは面白い。

捜査に戻ると、山口アイ子が熱海の海岸で殺害されるよりも前に、青森県竜飛岬の海岸で、山口アイ子のコーチ・立花五郎も殺されており、大山には立花を殺害した容疑もかかっている。

立花の頭を割った凶器が丸いもの、ヤシの実だ!と分かると、ミラーボールが回り、「ふたりの愛ランド」が流れ出す。

4曲目:「ふたりの愛ランド」(石川優子とチャゲ)

出だしを水野が歌うんですが、この歌が破壊力抜群
私は初見の時、「事故ってる…?大丈夫…?」とドキドキしたんですが、「夏夏夏夏ココナッツ♪」と部長とデュエット(部長による音程介護)した後、
大山「お前は音を確認しろ!」
部長「お前サビヤバ」
とイジってくれたので、「あ、これ笑って大丈夫なやつなんだ」と安心しました。

そんな(言葉を選ばずに言うと)ヤバい水野(木崎さん)の歌は回数を重ねるごとに味が出るというか愛着が湧いてきたり、曲によっては歌い出しが合ってたりもするのですが、「ふたりの愛ランド」はダントツでヤバい。
部長とアイドル的なかわいらしいダンスを踊るのですが、歌の破壊力がヤバすぎてダンスに意識を向けられないほど。振り付けは抜群にかわいい。

大山はアイ子と二人で行こうとした喫茶店の前の写真館に火をつけたという。
速水「もっと容疑者を追い詰める歌があるはずだ!その写真館には悩み事が飾ってあったんだな?」

速水は持ち歌の「抱きしめてトゥナイト」を歌い出す。

5曲目:「抱きしめてTONIGHT」(田原俊彦)

速水「悩み事を隠すの案外下手だね〜♪」

水野の破壊力で霞みそうだが速水も大概ヤバ…ゲフンゲフン。
しかしながら「テレッテレー♪テッテテーテッ♪」という冒頭のイントロに合わせてターンをし、腰を低く落としたキメポーズをして見栄を切るのはとっても好き。

部長と水野はノリノリでタンバリンを叩く。
サビ前の「デンデンデンデン♪」で自分の体でタンバリンを叩く部長、タンバリンが胸に当たって悶える。不自由な体だな。

速水が歌い終わって間もなく、

部長「そうか、「東京砂漠」が飾ってあったんだな。

イントロが流れ出す。
ま〜た始まるよ。
大山「この捜査室では演歌はだめなんじゃないのか?バリバリの演歌じゃねえか!」
部長(目潰し)
大山「ア"ーッ!!」

6曲目:「東京砂漠」(内山田洋とクール・ファイブ)

部長「空がぅぁぅぁぅぁぅぁ…哭いぃいぃいぃいぃてる…♪」

うまくて笑う。こぶし回すのうますぎやろ。
しばらく目潰しの痛みに悶えてた大山が復活しようとした矢先、

水野「だけどぅおぅおぅおぅお…♪」
大山「ア"ーーーッッ!!」

水野の破壊力抜群の歌に悲鳴を上げる大山。
さらにサビに入り、あろうことか水野はハモろうとする。
これは…??どういう音程のハモりなんだ…??となる中、またしても水野が抱きついて中断。

部長「すっごい歌いづらい!!」
お疲れ様です。

「お前席戻れ!」と言われた水野は大山の席に座る。
そこじゃない、と言われ今度は速水の鞄をぶん投げて速水の席に座る。
そして部長の席へ。
部長「やめろ!オレは女のケツであったかくなった椅子は嫌いなんだよ。やめろ見せつけるな!ア"ーー!!」
無情にも椅子に下ろされる水野のケツ。

速水が拳銃を大山に突きつけて尋問する中、部長が椅子に座って悲鳴を上げて飛び上がり、拳銃が誤射。

速水「おかしな声出さんでください!」
部長「だって水野のケツであったまってたんだもん!」

そうこうしている間に落とした拳銃を大山が拾ってしまう。
大山が速水たちに銃を突きつける中、再びの部長の悲鳴、再びの誤射。
今度は水野が拳銃を拾う。

大山は喫茶店の名前は「花のサンフランシスコ」だと白状する。

水野「部長、好きだと言ってください。殺しますよ」
部長「俺、絶対言わねえ!ほれ死んでやるよ。引き鉄引いてみな。カモンカモンカモン♪」腹立つ煽り。

とりあえず喫茶店の名前は分かり、部長は椅子をフーフーして報告書であおぎ、ようやく座れる。
(椅子を拭った手を嗅いで「クサッ!」→水野も嗅ぐ→「クサッ!」という小芝居もあったりする。仲良いやんけ)

大山はアイ子と喫茶店「花のサンフランシスコ」に行き、その後竜飛岬を見に青森に行ったという。

デデデデーン♪(イントロ)

部長「どうも私に、津軽海峡冬景色を歌わせたいようですな。」

駄目だよそんなワードを口にしたら。この人歌っちゃうよ。うまい分にはいくらでも歌ってほしいけども。

大山「もういいオレが歌う。マイク貸せ。自白すっからよ」

部長はマイクを取らせようとしない。
「ホーレ短足届かないだろw」と煽る。(無情な身長差)

7曲目:津軽海峡・冬景色(石川さゆり)

部長「それでは歌わせていただきます。津軽海峡ふゆぅん…♡(胸を揉まれる)」
大山(マイクを奪い取り、歌おうとする)
速水「じゃ、どうやって竜飛岬から翌日の♪11時に11時にお前は熱海に着けたんですか♪」(津軽海峡・冬景色のメロディー)

お前が歌うんかい。

速水「11時に11時に11時に♪お前は熱海に着けたっていうんですか♪」
「自白するよ?自白」と今度こそは大山が歌い出そうとすると、
水野「その〜謎解き〜は〜♪」
大山「なんでお前ここだけ音が合うんだよ!」
水野「私の大好きな部長がやってくれます〜♪」

部長「お前は青函連絡船に乗り、函館に行き、函館空港から七時五十分発、全日空702便に乗り、横浜でこだまに乗り換えたから十一時に熱海に着けたってわけか〜♪
(「こごえそうな鴎見つめ泣いていました」のワンフレーズに押し込まれたハイパースーパー早口。全く噛まない。ブラボー。)津軽海峡冬景色〜♪…一番難しい所歌わせた!!」
水野「甘えたの♡」(←クソかわいい)

文字に書き起こすと意味が分からないですが、とりあえず「津軽海峡冬景色」のメロディーに乗せて台詞を歌うというトチ狂ったことをしてます。

大山「しまった、完全にアリバイが崩れた。「津軽海峡 冬景色」そうだ、オレが青森に行き立花を殺して、熱海に戻ったんだ。さっ、捜査終了、解散。」

しらじらしい棒読みでハケようとする大山。

部長「あっ、かもめだ!」

8曲目:「かもめが翔んだ日」(渡辺真知子)

部長「ハーバーライトが♪朝日に変わぁ〜る〜♪その時♪一羽の♪かもめぇ〜が〜翔んだぁ〜♪」

バリクソうめえ。
原曲キーなのに高音がパーンと綺麗に出てる。
ワンフレーズ歌ったところで大山が「うるせえ!」と蹴りを入れる。

部長「もうちょっと歌いたかった!」
大山「もう十分歌っただろ!」
フルで歌ってくれ。

大山「カモメじゃ、おお、青函連絡船じゃ!おーい、おーい。竜飛岬に青函連絡船が通ったとですよ。もう、そこまで調べはついちょりましたか。負けました、おいが立花五郎を殺しました。刑事さん、参りました。」

水野「もっと、もっと能天気な高い声だったと言うんですよ。」

空気が一変し、一気にシリアスになる。

水野は核心に迫る。
立花が「おお、青函連絡船じゃ」と言った時の声。
さらに立花の頭を割った凶器の投げ方。
そのどちらもに大山は一致しない。が、大山は自分が立花を殺したと主張する。

熱海で山口アイ子が殺された事件。
その前日、竜飛岬で立花五郎が殺された事件。
6年前、モンテカルロで速水雄一郎が死亡した事件。
13年前、日本選手団のモスクワオリンピック行きが断念された事件。
さらに現在、新宿2丁目が放火された事件。

いくつもの事件が交錯しながら、真相に向かっていく。

と、このあたりから温度差でかもめが死ぬのと文字数が既にエグいことになっているので、

次回に続きます!!

(台本的にはあと半分くらいです)


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