統率者の能力の分類によるデッキの強み弱みの考察~リンディの笑顔を見ながら~

前書き

陽気な拷問吏リンディへの想いが定まらない。

間違いなくカードとして好きだと思うんだが、統率者としてデッキを組んでもどうにもしっくり来ない。本人が無限コンボのパーツになれる訳ではなく、呪いによるドローと妨害も中途半端。「これ、突き詰めるほどリンディが抜ける奴では?」という声が聞こえてきそうで耳を塞いでいる。
なぜ好きなのか?そもそも統率者に指定する意味は?

私は、リンディに何を求めているのか…?

この謎を解くため、そもそも「統率者が持つ役割とは何か」という切り口から、統率者デッキの方向性について考えてみる事にした。まずは一般的な用途について考察し、その後リンディに当て嵌めていく。
番号付きの見出しは、統率者の役割の一側面を挙げたものである。

1.即死コンボのパーツ

安定性:↑↑↑↑(パーツが常に手札にあるようなもの)
方向性:↑↑↑↑↑(明確)
ヘイト:↑↑↑↑↑(世界の敵)

能力が即死コンボ・無限コンボのパーツになっている統率者。
決まれば勝ちのコンボを目指してデッキを組むので、①無限コンボ用パーツ②パーツを集めるサーチ・ドロー③コンボを決めるための妨害・防御、とデッキの方向性が決めやすい。
統率者を公開した時点でヘイトが高まるので、デッキレベル4~7位だとタコ殴りにされる。3以下だとヘイトじゃなくて顰蹙を買う。8以上だと「殺られる前に殺る」の精神でスピード対決、なイメージ。
何度も出せるのが統率者の特徴とはいえ、見えている手札である統率者は常に警戒されるため、打ち消しやヘイトベアーなどで守るためのカードもデッキに入れたいところ。

2.統率者ダメージ狙い(殴り統率者)

安定性:↑↑↑(メインプランにするかサブプランにするかで変わる)
方向性:↑↑↑(オレナグル、オマエシヌ)
ヘイト:↑(対策しやすさでお目こぼしがある)

統率者ダメージ21点を目指す統率者。Web上の統率者界隈のブログではパワー7以上(3回殴ると人が死ぬ)がこのカテゴリに入れられているイメージ。パワー8だと《生体融合外骨格》込みで一撃必殺も視野に入れたりするらしい。
純粋に統率者ダメージだけを勝ち筋にするデッキは難しく、往々にしてクリーチャーを展開する能力を持っていたりしてクリーチャー戦全般を勝ち筋にするデッキが多いイメージ。あるいは無限コンボができる統率者のパワーが7以上だった、くらいの印象が強い。
総じて、ヘイトを買わないことは無いが、あくまでクリーチャーによる戦闘ダメージでしかないため、防ぐ方法は沢山あるのでヘイトを買いすぎないイメージ。サブプランとして持っておく程度の認識が普通かしら。

3.ドローソース・サーチ

安定性:↑↑↑↑↑(たくさん手札があるとたのしいね)
方向性:↑↑(その手札で君は何をするのか)
ヘイト:↑↑(1人だけ手札が多い奴はムラハチ)

カードを引いたりデッキからサーチしてくる統率者。何より安定性が高まる。勿論能力を発揮できるという前提で。
勝ちにいたる一歩手前の要素なので、勝ち筋は自分で決める必要がある。何でも目指していいが、だからこそ方向性は決めてくれない。自由であり、頭の悩ませどころ。
カードを引きすぎたり、明確なコンボパーツをサーチしてきたりすると、ヘイトを買ってムラハチにされる。ヤバい。
安定性が高まる分、ヘイトを買う確率も同時に高まる。安定して沢山カードを引けるなら速やかにゲームを終わらせるプランを練っておくべき。

4.カラーマーカー

安定性:(唱えることもある)
方向性:↑↑(統率者には頼らずとも、勝つ)
ヘイト:↑↑↑(ガチ勢の予感)

後方腕組みドヤ顔統率者。能力には期待せず、色の組み合わせが大事なタイプ。たまに場に出てくるけど、それはもうきっと勝ち戦。
統率者に頼らないので、デッキの構築は自由。勝ち筋は勿論考え済みのガチ勢のデッキというイメージ。

5.マナ加速・コスト軽減

安定性:↑↑↑↑(安い→早い→美味い)
方向性:↑↑↑(能力の条件次第)
ヘイト:↑↑↑(無限コンボに直結することも多い)

本体のサイズに関わらず、マナを産んだりコストを軽減したりしてデッキを高速回転させるタイプの統率者。本体はあくまでも調理器具であり、メインディッシュはデッキの中の他のカードで作りあげる。なんのこっちゃ。
能力の活かし方を考えるとデッキの方向性は決まっていくはず。しかしそれだけでは勝てないので、どのようにフィニッシュするかは統率者と別に考えなければいけない。
往々にして無限コンボからの無限マナ、あるいは0コストで延々クリーチャーを出し入れしたりして勝つので、後半のヘイトは集めがち。対処する暇がないくらい加速して勝負を決めに行きたいところ。

6.部族の長

安定性:↑(部族のサポートによる)
方向性:↑↑↑↑↑(汎用性より部族っぽさが重要)
ヘイト:↑(もっとヤバい奴は他にいる)

ファンデッキと侮るなかれ。部族のロードだったり、部族限定の能力が発動したりする統率者。有名な部族であれば専用の統率者デッキが発売されていたりするのでカードパワーは低くない。ただ「カカシ」とか「イリュージョン」とかマイナー統率者もいるので裾野は広い。
汎用部族サポートもあるにはあるが、部族であるがゆえに汎用的な呪文よりもマニアックな方を選択しがち。デッキとしての方向性は定まりやすいが、フレーバーに凝りすぎると箸にも棒にも掛からないデッキになり、だからと言って汎用的な呪文を積みすぎると「他の統率者のほうがよくない?」とカラーマーカーになってしまう。「好きな部族でデッキを組む」のと「組んだデッキで勝つ」のは全く別の難しさである。
明確な脅威として認められにくいため、ヘイトは向けられにくい。もちろん、ズラっと並んだエルフやゴブリンは許されないので«冒涜的な行動»をすべきである。

7.妨害・打ち消し・除去

安定性:↑(速度ダウン、俺もお前も)
方向性:↑↑↑(妨害に掛からないようにデッキを組む)
ヘイト:↑↑↑↑(俺たちの邪魔する奴ァ!)

色んな意味で嫌な顔をされる統率者。打ち消しを手札に握ってます、と同じく、常に予告されている状態なので存在しているだけで圧力になる。マストダイ。
ただ、妨害したところでこちらの手札が増えない事を前提にすると、全体的なスピードダウンにしかならない。相手だけを妨害して自分が悠々と過ごすのであれば別だが、やっぱりマストダイ認定されてしまう。
また、自分の妨害に引っ掛からないようにする必要も出てくるため、デッキの内容を圧迫することもある。
本体のサイズは並程度であることが多いため、妨害した後の勝ち筋を明確に意識する必要がある。

総括(統率者の役割とは)

・デッキの方向性や初期のヘイト集め等に大きく影響する(当たり前)
・想定されるべき役割は多岐にわたり、持っているものと持たせることができるもの、そして他のカードて補えるものとそうでないものとがある(当たり前)
・自分の統率者が「何の役割を持っているか」「出来ないことは何か」を意識してデッキを組むべき(当たり前)

とりあえずこれは自分の中の考えを整理しただけなので、改めて言葉にするとただの当たり前体操だった。

考察

リンディである。

1.即死コンボのパーツ→×
2.統率者ダメージ→×
3.ドローソース・サーチ→〇
4.カラーマーカー→〇(赤青黒の組み合わせは強い)
5.マナ加速・コスト軽減→×
6.部族の長→×(呪いという意味では〇)
7.妨害・打ち消し・除去→〇

上記より「呪いによる弱い妨害をしつつ、呪いをドローソースに変えながら赤青黒の組み合わせによる強力なコンボで勝つ統率者。呪いによる妨害と、必然的に汎用性が高く個々で強いカードを打つことになるため、ヘイトを貯めやすい」デッキとなる。

当たり前体操の時間だあぁあああああぁああああああああああああぁぁぁ┏( ^o^)┓ドコドコドコドコ┗( ^o^)┛ドコドコドコドコ┏( ^o^)┓ドコドコドコドコ┗( ^o^)┛ドコドコドコドコ
言語化が大事!と叫んで次に進む。

裏返すと弱みが見えてくる。
・呪いによる妨害が弱い。即効性がなく、効果が他人任せのうえ一度に1人しか妨害できない。辛いからもう考察止めていい?
・ドローソースとして不安定。本体+呪い+生贄手段が揃ってやっと自分のターンに追加2ドローというのは、リターンが足りていない気がする。ついでに2点ドレイン位くれ。
・赤青黒、強い色ではあるんだけどエンチャントの取り扱いとしては緑か白が欲しかった。全体エンチャント破壊撃たせろよォ!
・上記の通り統率者絡みのギミックが微妙なのに呪いがうっとおしいおかげでヘイトだけは買う。フフフ怖い。

悲しくなってきたので強み…好きな理由を挙げる。
・顔がいい。笑顔がいい。
・現時点唯一、超激レアの呪いテーマ統率者。
・継続的な妨害…というか嫌がらせ…は好き……好きかな……?
・頑張ると毎ターン追加で2ドロー…

解散だァ!好きな理由の大部分が性能に繋がらねえ!勝てるデッキに仕上げられる未来が見えん!レア度とリンディの微笑みだけじゃ食っていけんのじゃ!
…なんで白を絡められんのじゃ!真紅の誓いの白の裏面呪いこと光の護封剣を使いたいんじゃ!エンチャントのサーチはほぼ白なんじゃ!なんでじゃあ…

通りすがりのスクイー「それを何とかするのが愛じゃないのかい?」

・呪いが弱い
強い呪いだけ使う。候補は«こだまの呪い»«豪奢の呪い»«不幸の呪い»«流血の呪い»等。全体的に重めになるので、マナ加速か踏み倒しで何とかしたい所。
→«編直し»«現実混ぜ»で持ってこれると嬉しい。

・リンディのドローソースとしての働きが微妙
頼らない。エンチャントレス的にドローする動きは色的に出来ないので、ドロソは別と割り切る。
微妙じゃなくする。アップキープを倍にしたり、ドロー自体を倍にしたり、他のカードでサポートする。

・ヘイトを買う
→呪いを自分に貼る(頭おかしい)ムーブでヘイトを低減する。結局リンディのコンボ元にもなる。統率者デッキの呪いであれば、自分に貼っても痛みは少ない。守りが整ったら、リンディで呪い移しするか«現実混ぜ»して新しい呪いに変えて対戦相手に付ける。
→準備が整うまでは無害な(頭おかしい)人を装う。必殺のコンボ以外は、無闇矢鱈に呪いを撒かない。

哀しみを越えて

さて、途中投げ出したくもなったが、大体のデッキの方針は定まったと思う。改めてデッキを見直そう。見直せば見直すほど、愛着は湧くもんだ。色々考えたデッキに対して、愛着が湧かないわけが無いんだ。楽しくなってきたぞ。

副産物として、統率者の能力の分類と、デッキの方向性と強み弱みについてのまとめは割と雛形が出来たように思う。手持ちの時間は無限ではなく、やるべき事は山のようにあり、その僅かに自由になる時間を少しでも効率的に使いたくてこんな考察をしてみたけど、割と良かったのではないか。またやってみます。

ご清聴ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

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