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生きているのは なぜ だろう。を読んで

おはようございます。本日は絵本を読んでの感想と中身の紹介です。

生きているのはなぜだろう?の題名と絵の不思議さに手に取り読んでみました。読んでみて”これは子供に理解できるのか?絵本なのだろうか?”とちょっとモヤモヤとしました。

作者は東大の教授で脳の研究者です。なるほど…。かなり難解で本の後半にある解説で”あまりに非日常的で愕然としたでしょうか”と書かれていました。その通りで愕然としました。予想しなかった言葉がずらずらと出てきました。

一度では理解できず二回目に少しニュアンスといいますか、こんな感覚を伝えたいのかななど理解が少し進み、解説を読んでまたさらに少し理解が進みました。


装丁が美しい

装丁にも惹かれました。どこか重たげだけど優しい、個性的でなさそうで個性的と不思議な魅力を感じました。コンセプトアーティストの方だそうです。中の絵もダイナミックで力強いですが、優しいです。

それを秩序というのです

内容は小学生の男の子が鉛筆をカッターで削っている時、指を切ってしまいます。※このシチュエーションは作者の子供の頃の事かもしれないですね。
指から血が出て、保健室へ行きます。
保健室の先生が「3日すれば元通り」と話し。男の子はどうして自然に怪我が治るのか不思議に思いました。石は割れたら元に戻らないのに。

体の細胞は100日でほぼ入れ替わるのに、細胞はいれかわっても”ぼくはぼくのまま”そのことにも不思議さを感じます。

保健室の先生は「それを、秩序というのです」と言いました。
改めて秩序を調べました。※物事を行う場合の正しい順序・筋道。
中身が変わっても正しい順番で入れ替わっているから、元のままでいられるということでしょうか。

秩序を保たない物、石や水、コップなどは割れたりこぼれたりすれば元にもどりません。世の中全てのものがだんだん壊れて形を失う。
これが世の中、宇宙全体の約束」そして「宇宙全体の秩序も無くなり
消えていく」。そう書いてあります。終わりがあるという事ですね。

もう一つの疑問

男の子は「秩序がなくなるのが宇宙の約束なら、ぼくは秩序があるから、宇宙の約束にさからっているのか?」と疑問を感じます。
その問いに保健室の先生は「渦は水が無くなるまで変わらない。渦という形の中を水は流れ、どんどん入れ替わる。でも渦の形は保たれている。渦は秩序を保っている。」と話します。なんとなくわかります。確かに、流れる水は入れ替わるけど、渦という形はあり続ける。

生き物は渦と同じで、自分という秩序の中を色々な物質が通り抜けていく。
渦は栓を抜くと水が押す事で出来る。渦は保たれるが、水の秩序は消えていく。

男の子は実験をしてみます。洗面所の栓を抜いて、渦が出来たらその渦を手で壊します。そうすると今まで落ちていた水が、なかなか落ちていかなくなりました。渦がある方が水は素早く流れます。渦は水の流れを助けていたのです。

そこで男の子は気が付きます。ぼくという秩序は、宇宙の約束に逆らっているのではなく、宇宙全体が秩序を消すのを速めている存在なのだと。

宇宙の手助け

「宇宙全体の約束は、秩序がなくなり消えていくこと」
大きな宇宙で小さなぼくは、生きている事で秩序を作り、宇宙から秩序を消す事の助けをしている。
生きる事で年を取る宇宙の役にたっている。

ネガティブな話のようですが、小さなぼくが秩序を持って生きていないと、宇宙も生きていないことになります。水が宇宙全体で渦がぼくです。
ぼくがいないと宇宙は年を取る(流れていきせん)ことが出来ません。秩序を失い消えていくのが宇宙の約束なので、約束が果たせなくなります。

宇宙とぼくは繋がっています。それが生きることであり、生きていかなくてはならない理由です。

ここで物語は終わります。

解説を読んで

「なんの為に生まれてきたのか」「何をすべきか」「私は必要とされているのか」と考える人は多くいると思います。作者はその答えを社会ではなく自然の法則に見つけたいと思ったそうです。
どんな答えでも良い、自分の価値が低くても答えが存在する以上は無価値ではないので、その回答を元に前向きになってもらえれば。ということを絵本に綴ったそうです。

脳科学者のなので、解説にはノーベル化学賞を受賞した方の理論などが書かれていますが、生物は生きているだけで健全な役目を果たしていて、誰もが役に立っている。そして人によって価値に差はない。誰もが等しく宇宙に役立っている。この事を伝えたかったのです。

生まれた以上不可逆(もとには戻れない)です。お母さんのおなかの中には戻れません。宇宙が私を作り、私は宇宙のために働く。何とも大きな話ですが、生まれるとは不思議なことです。私は小さなころから、この世は存在していないのでは?と思っていました。自分の脳で作り上げたもので、私は生きていないと。そう思うのは宇宙があまりに大きいからなのかもしれません。

呼吸をして生きているだけで、私は一瞬たりとも無駄になっていない。
難しい事は理解できなくても、生きているだけで役立っていると思う事が出来れば、今日も明日も元気でいれそうです。

気になる方は読んでみてください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

どなたかのお役に立てます様に。


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