見出し画像

ヨガミニ講座⑨人生という稽古

こんにちは。本日もヨガ哲学の投稿です。
全10回なので、残りもこの投稿を含めて2回となります。
だんだん難解になってきましたが、続けて読んで頂けると、
理解が深まるかなと思います。


本当の自分の正体を知ろう

形而上学(けいじじょうがく)といわれる思想があります。
哲学的・抽象的・物質的ではない物。例えば”正義”とかです。

ヨガ・スートラはサーンキャ学派の哲学で、
形而上学の思想があります。

おさらいになりますが、プルシャ(本当の自分)プラクリティ(根本原始)のお話をしました。プルシャとプラクリティは全く別物という事です。
見る者(プルシャ)と見られる者(プラクリティ)が結合してしまうと苦悩が生まれます。
プルシャ(個人事業主的な感じ)は独立しているのが本当ですが、いつのまにかプラクリティ(大企業的な感じ)の傘下に入ってしまうような感じです。

図1

図1にあるアハムカーラ(自我意識)は自分が我であるという意識。私が私であるという意識です。意識は変化するので本当の自分ではありません。所有物になります。
そして、マナス(意志・心)は喜怒哀楽が本当の自分だと思ってしまう。意志も所有物なので本当の自分ではありません。
このようにプラクリティがつくる世界の中でくっつけてしまう事で問題は生じます。

何度も書きましたが、映画に例えると
「人生という物語をプラクリティが作り、それを椅子に座って観なければならないのに、つい映画の主人公として入ってしまう」

私が悲しい、私が嬉しい…。感情があることが悪いのではないですが、ヨガでは”心の安定や心の平安”を目指しているので、今観ている映像もプラクリティが作っている映像なんだと、一歩引いて観てみるだけで問題が解決します。

サットヴァ・ラジャス・タマス

ヨガ・スートラでは見られる者(プラクリティ)は
①光(サットヴァ)②活動(ラジャス)➂不活溌(タマス)
という質で作られ、元素と感覚器官で構成される。これは経験と解脱をも目的に存在する。と書いてあります。難しい( ̄ ‘i  ̄;)。

変化のおおもとは①光(サットヴァ)②活動(ラジャス)➂不活溌(タマス)でこの3つの中を行ったり来たりしています。

図2

人間関係もこの3つで考えると、いつもは”好きとか嫌い”とか二極で考えがちですが、一歩引いて考えると見え方が変わってきます。
例えば、あの人は今ラジャスだからちょっと怖い感じなんだとか、今あの人はタマスだから元気がないんだとか…。こうとらえると少し気が楽になるかもしれません┗( T﹏T )┛。※私は顔色を見る癖があるので、少し難しいですがこんな感じで考えてみようと思います。

見る者(プルシャ)は純粋な意識である。それは観察する現象の形を帯びているように見えるが、実は何の影響も受けていません。
平たく言うと
プルシャ(本当の自分で見る者)は何の影響も受けない。という事です。
三角形の図の中には入っていないよ。という事です。

プラクリティは俗世を作り出している

プラクリティは色々な経験をプルシャに提供しますが、それには理由があります。
ヨガ・スートラではプルシャは本当の目的を果たすために、プラクリティが俗世(生き物が住むところ)を提供してくれている。とあります。

プルシャの本当の目的は観客席に戻る事。出来事を一歩引いて冷静に観る事(客観視)。
これを「カイヴァルヤ(独存)」といいます。変化する世界から完全に独立・離脱した状態。
永久的な自由みたいな感じです。
いつも変わらないオールインワンな自分という事でしょうかね。※カッコいいq(≧▽≦q)。

お釈迦様が生まれてすぐに話した言葉が「天上天下唯我独尊」だそうです。
他人と比べて自分は優っている。劣っているなどは関係ない。
「私が私である」これが事実であり周りは関係ない。という意味です。
生まれてすぐとは…。人類にとってよほど大切な事なんですね。

本当の自分とは

本当の自分というのは何の影響も受けないまっさらな状態で不動な存在という事です。
雨の日も風の日も(宮沢賢治みたい…)良い事があっても、悪い事があっても、ゆるがない、ただただ常にそこにある。ことが独尊です。

プルシャが独尊に行くためには
「変化するこの世界は本当の自分を確立するために必要な稽古」
そして、幸福も不幸もある程度体験して、最終的にはその両方を超えた存在が「本当の自分」なのだと悟ること。

良い事も、悪い事も経験して、それを乗り越えなければ、本当の自分不動の自分は作れない。
という事です。
深いです。経験しないと確かに自分の中で確立できません。
ですが、経験は時に苦しく悲しいです(;´д`)ゞ。

それを人生を通して学べという事ですね。

自分を傷つけないように上手く経験して、本当の自分を確立していきたいですね\^o^/。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
どなたかのお役にたてますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?