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パーフェクトなスイーツの概念設計

ある晴れた日の朝に、
女の子が眠い目を擦りながら
牛乳と卵が溶け合った名前のない液体に、
昨日のセックスで消費したカロリーと
同じ量の砂糖を加えている。

彼女はボールを湯煎にかけた後、
男という生き物の身勝手さに苛立ちながら
腕をシャカシャカさせている。

カラメルをこれ以上ない強火で煮立てたら、
甘ったるい液体の底に流し込む。

入れ忘れていたバニラエッセンスを垂らしてから、
全く当てにならないフィーリングで焼き始めた。

彼女はオーブンの前で、砂漠のことを想う。
そこでは彼女の理想とする牧歌的でドライな
弱肉強食の世界が広がっていた。

しかし、彼女の生きている世界は砂漠ではない。
ある地方都市の1LDKの台所だった。

そこでは、得体の知れないカビとハエと食糧と彼女。
たった4つの要素で生態系が出来上がっている。

1LDKの生態系で
ヒエラルキーの頂点に君臨する彼女は、
何の意味もなさない思考から解放されて
ようやくオーブンを開けた。

そうして、理想的なスイーツは彼女の心臓に流れ込む。

おしまい。

やっぱり、甘いものはイイよね。
オーブンの前で齧り付くように見てしまいます。

今日も、ドライな1日を‼️

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