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プラグマティズムについて


代表的人物

・パース
・ジェームズ
・デューイ


プラグマティズムとは

プラグマティズムは、実用主義や実践的な思考を重視する哲学の一派であり、日本語では実用主義、道具主義、実際主義などと訳されています。この思想は19世紀後半にアメリカで生まれ、チャールズ・サンダース・パースやウィリアム・ジェームズ、ジョン・デューイなどによって発展しました。プラグマティズムの基本は、「真理は実践的な効果によって定義される」という考え方にあります。つまり、ある考えや理論が実際の経験や実践において有用であれば、それは「真」と見なされるのです。この観点から、プラグマティストは、抽象的な理論や哲学よりも、具体的な経験や実践の結果を重視します。

プラグマティズムが生まれた時代背景

プラグマティズムは、1870年代のアメリカ、特にマサチューセッツ州ケンブリッジで形成された思想です。この時代は、南北戦争(1861年~1865年)の終結後であり、60万人以上が死亡した国家の大きな分裂とその後の再統合の時期でした。科学の急速な発展とダーウィンの進化論の発表(1858年)により、宗教と科学の関係が大きく問われていました。また、デカルトに始まる観念論哲学が意識に確実な知識の基礎を求める中で、外界存在や他者認識の問題(アポリア)に対する解決が求められていた時代背景の中で、プラグマティズムは誕生しました。この思想は、実用性と実践的な真理を重視し、アメリカの産業革命と社会変化に対応する新しい思考方法として登場しました。

プラグマティズムへの批判

プラグマティズムは経験を重視しますが、経験には限界があります。すべての真理が経験によって検証可能であるとは限らず、経験を超えた概念や理性による真理も存在するという合理論の立場からの批判があります。またプラグマティズムは哲学ではない、という批判もあるようです。

さらに、プラグマティズムは相対主義に傾倒しやすいという批判もあります。真理をその有用性によって判断するため、絶対的な真理を否定する傾向があり、真理が個々の状況や利益に応じて変わるものと見なされることがあります。これにより、真理が相対化され、個人や社会によって都合の良いように解釈される危険性があります。

などなど

プラグマティズムの影響

プラグマティズムは社会、政治、教育など多岐にわたる分野に影響を与え、今日の社会形成にも大きな役割を果たしてきました。

教育への影響:デューイはプラグマティズムの原則を教育に応用しました。彼は、学習は単なる知識の詰込みではなく、経験を通じて得られる活動的な過程であると主張しました。この考え方は、教育の民主化と学習方法の革新を促し、現代の教育システムに影響を与えました。

また政治分野にも影響を与えています。実用性と効果を重視する考え方は、政策決定の過程において重要な役割を果たしました。例えば、フランクリン・ルーズベルトのニューディール政策はプラグマティズムの影響を受けたと言われています。

このようにプラグマティズムは真理を静的ものではなく、変化し続ける実践の中で見出す動的なものと捉え、多様な問題に対し、新しい視点や解決策を提供しています。今後も多くの分野で活用され、貢献していくことでしょう。

以上です。