ねずみ男は悪くない~その②~
いきもの画家 poppoです
福岡県大野城市辺りで画家活動をしています
「ねずみ男は悪くない」というタイトルで2部に分けてお話しています。前回「ゲゲゲの鬼太郎」第3期28話「田を返せ!妖怪泥田坊」の登場人物についてお話しました。なぜ私がねずみ男の肩を持つのか
今日はそこの所を詳しくお話したいと思います。
この泥田坊の話を見て私が気になったのは主要人物が皆お金を貰う事を悪いことのように捉えている点でした。ねずみ男以外働いた分の報酬を受け取ることを頑なに拒否しています。
「お金」と聞いただけでこの表情
この話で鬼太郎を呼び出し、被害を訴えたのは
「山中けんたろう君」
新幹線のせいで田んぼがなくなり父親が泥田坊の悪夢にうなされているとの事。その父親もねずみ男に言葉巧みに土地を取られたと泣きつきます。
鬼太郎達はその話を聞いてねずみ男の言い分も聞かず不快感をあらわに。
ねずみ男は現場到着と同時に
猫娘に八つ裂きにされます。
しかしここで鬼太郎達に考えて欲しかったのは、新幹線の為に土地を売るのを最後まで拒否していたのが近隣住民の中で山中さんだけだったという事。
遅かれ早かれ山中さんは土地を売ることになっていたでしょう。
一度は納得して土地を売ったにも関わらず、親子揃ってねずみ男を責めたてます。
ねずみ男はボールを投げつけられたり猫娘に八つ裂きにされても甘んじてそれを受け入れ一切反撃に出ません。話位聞いてあげても良いのではないでしょうか?
新幹線が出来たら出来たで山中親子は「便利」、「ないと困る」と言ったり一変して態度を翻します。
こちらは「新幹線に乗れる」と
喜びを隠せない山中けんたろう君
皆さんもねずみ男の話を聞いてあげても良いという気分になったのではないでしょうか?
そんな所で次に進みます。
怒り暴れる泥田坊
今回の泥田坊の被害は相当なもので「田を返せ」と新幹線を燃やすわ、人の頭頂部を燃やすわ夢に出てくるわ分裂するわで手に追えません。
分裂する泥田坊
雨の中傘もささずに鬼太郎達は2回も出張し、激闘を繰り広げます。
燃やされたり
踏み潰されそうになったり
体当たりされたり
蹴られたり
八つ裂きにされたり
うっかり違う方向に飛んでしまったり
様々な傷を負いながら人間達を守ろうと命懸けで戦い、最終的には目玉のおやじが呼び出した「化け火」という妖怪の力で泥田坊は虫の息に。
山中さん家に新しく作った小さな田んぼに泥田坊を住まわせ一件落着といった所ですが…
ここで注目したいのが助けられた人間達のその後の対応
泥田坊が大人しくなるとねずみ男はすかさず新幹線の関係者に「安心料」という名の報酬を求めます。関係者の男はキョトン顔。報酬を求めたねずみ男はお金嫌いの鬼太郎サイドに痛めつけられます。
新幹線関係者の男はというと報酬などハナから渡す気がないのか「私達からも礼を言いますよ」と一言
上から目線が癪に触ります
命懸けで戦ってくれた相手に「安心料」位払ってあげたら良いと思うのですがね。
鬼太郎も鬼太郎で「礼だなんてそんな」と顔を赤らめます
それでいいのか
妖怪退治のみに留まらず彼らは山中さん家の新しい田んぼ作りを手伝います
ここでもねずみ男は「日当の方はすぐに貰えるんでしょうね?」と山中さんに交渉するのですが…
山中さん「へ?日当?」と
キョトン顔が炸裂します
「この忙しいのに田んぼ作りやらせてタダってことはないだろうよ」と凄みます。
私も全くもってその通りだと思いますが…
再び鬼太郎サイドに咎められて田んぼ作りを一人でこなすという重労働を強いられます。
ねずみ男が何をしたというのでしょうか。
無邪気な笑い声でこの物語は締めくくられます。
今回ねずみ男が求めたのは「安心料」と「田んぼ作り料」、そして「雨の日の出張料」の3つ。
しかしどうせなら人件費も頂きたい。
泥田坊退治に関わった妖怪は以下の通り
・鬼太郎
・目玉おやじ
・猫娘
・ねずみ男
・ぬりかべ
・化け火
・一反木綿
これだけの妖怪を巻き込んでいるにも関わらず鬼太郎はタダで済ませようというのでしょうか。
特に一反木綿においては鬼太郎に頻繁に呼び出され都合良くタクシー代わりに使われています。
オカリナをピョロピョロ吹くと
5秒と経たず飛んできます
いつなんどき呼び出されることかとハラハラしながら常にスタンバイしているに違いありません。ぬりかべや他の妖怪達についても同じことが言えます。
鬼太郎はいつも協力してくれる彼らに報酬をあげたいという気持ちはないのでしょうか。
鬼太郎達妖怪はともかく助けられた人間は彼らにお礼をするべきでしょう。
作中でねずみ男や目玉おやじが証言している通り
彼らは忙しいのです
名声もあり引っ張りだこの彼らに田んぼ作りまでさせてタダ働きとは何事か。
鬼太郎、並びにアンパンマンなど命懸けで戦うヒーロー達に報酬を貰う権利はないのでしょうか。
キョトン顔をしている場合ではありません。
鬼太郎達妖怪の世界では助け合いの精神が当たり前であり、人間世界のルールに囚われお金というものに価値を見出だす事を極端に恐れているのかもしれません。
そんな中で、人間と妖怪の間に生まれたねずみ男は2つの世界のルールに板挟みになりながらも自分の居場所を見つけようと必死に生きているのではないかと私は勝手に解釈しています。
時々悪どい事に手を出して大事件を巻き起こすねずみ男。アニメ第3期での鬼太郎は人間と妖怪の共存を望んでいますが、ねずみ男はある意味鬼太郎よりも人間を理解しており、ねずみ男を理解する事が人間との共存の近道になるのではないかと思っています。ぜひ鬼太郎にはねずみ男の話にも耳を傾けて欲しいものです。
長くなりましたが、最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました。
おまけ
ねずみ男は反撃しないと話しましたが
金銭的な交渉が上手くいかないと
臭い息やおならで攻撃します
これはいけませんね
頂いたサポートはみんなの活動費に使わせていただきます(*^人^*)TwitterやInstagramも良かったら覗いてみてください😄