【創作】 アダムの音楽
(「そのときにだけ、小説家は自分に固有の声で、物語を語ることができるんです」)
東松が自らを小説家であり、演出家であり、と多方面にものを論じようとする姿勢は健一にとって新鮮だった。健一は、歌を唄うし、ギターも弾く。オーケストラでオーボエをやっていたので、その経験を活かして、音楽教室でオーボエと、そのほかの木管楽器を教えていた。歌を唄う自分と、ギターを弾く自分と、オーボエを教える自分とを、分けて考えてみたことは健一にはなかった。どれも自分自身、それ以上でもそれ以下でもないと思っていたし、そう思うことが当たり前だったから東松くんの話はとても新鮮だった」
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。