見出し画像

「ドイツ縦断ひとり旅」(11)ローテンブルクから列車に乗って ドイツ男子の騎士道精神

2019年9月17日(火)くもり

目覚まし時計の前に、きれいな鳥の声に起こされた。続いて、教会の鐘のやさしい音色。 7:50、朝食。あっちのテーブルも、こっちのテーブルも、英語が飛び交っている。隣席の御夫婦に挨拶をして訊いてみると、アメリカはテキサス州から来たんだって。かなり大きなツアーのようだ。

画像1

部屋に戻って歯を磨き、絵葉書を描いて、荷造り。10時少し過ぎにチェックアウト。1泊、98ユーロ(11,760円)。レセプションのレギーナさんに尋ねてみた。「マルクス・シュトルムって誰ですか?」「この街の聖人の名前よ。」 (へえ、そうなんだ。作家のテオドール・シュトルムとは何の関係もなかったんだ) 彼女は記念写真を数枚撮ってくれた。「日本に帰っても、ローテンブルクを忘れないでね!」「もちろん! また来て、またここに泊まるよ。」レギーナさんと仲良くなったので、立ち去り難い。 心を残して帰るのだ。そうしたらまた、きっと来られる。元気でね!

画像2

ホテルを出ると、すぐ斜め前がスーパーだった。絵葉書1枚0,30ユーロ(36円)、水1・5ℓが0,95ユーロ(114円)。安い、安い。やっぱり買い物はスーパーだわ。でも、日本と違うのは、この建物が1732年建造だということ。18世紀の食料品店!

画像8

次に、昨日見つけた郵便局へ。一見おみやげ屋さんで、文具も売っている。奥に行くと郵便局もやっている。日本へ絵葉書を3枚出す。

画像3

レーダー塔から城壁に登ってみる。修学旅行、或いは遠足の学生達が大勢来ていて、にぎやかだった。 地上に下りたら、引率の先生らしき男性に出会った。高校の先生だった。彼が英語ペラペラなので、私もつられてスラスラ。今まで訪れた場所の話や、「ドイツの人達の親切心に、いつも助けられています。」とか、「騎士道精神を感じます。」とか、話をしていたら、少年達が近寄って聞き耳を立てていた。「わあ、英語だあ!」「先生が英語をしゃべってるぞー!」とか言いながら。

画像4

ローテンブルク駅にはプラットホームが一つしかなかった。入ってきた電車が折り返し、シュタイナッハ行きに。 乗り込むと、ガラガラ。 私は単線の電車が好きだ。両側が森だと枝葉が窓に触れてきて、森に包まれたように感じるから。

12:06、発車。 12:20、時間通りにシュタイナッハに到着。 げっ、エレベーターがない! 石段を下りるだけでも一苦労なのに、上るには更にエネルギー(これ、ドイツ語)が必要だ。上り切った所で、何と、バッタリ倒れてしまった。 15、6歳の少年が、私を助け起こしてくれた。スーツケースを運びますと言ってくれたけど、もうそこが3番ホームだったので、お礼を言った。嬉しさと同時に、騎士道精神は少年にも受け継がれているのだと感心してしまった。

次のアンスバッハ駅でも、乗り換え時間は4分しかない。覚悟!

無事に乗ることができて、ホッ。珍しく、車掌さんが改札に来た。久し振りにジャーマンレイルパスを取り出す。カチャリとハサミを入れる音。窓からの景色は畑と森。教会の尖塔が見えてきたら、町か村。

画像5

12:46、時間ピッタリにアンスバッハ着。5番ホームはどこ? 通りかかった御婦人に、「エレベーターはどこでしょうか?」と尋ねる。「どこに行くの?」と訊かれたので、「ニュルンベルク中央駅」と言うと、「あれじゃないかしら、25番ホーム」「えーっ、5番じゃないんですか?」見ると、確かにニュルンベルクの文字。「あっ、あれです! ありがとう!」 「あと3分で発車よ!」 急いで乗り込んで、またもやホッとした。

乗客が後から後からやってきて、なかなか発車できない。自分でボタンを押してドアを開ける方式だから、誰かが押す以上、発車できない。7分遅れて発車。

20分遅れて、ニュルンベルク中央駅に到着。23番ホームから7番ホームへ移動。でも、へっちゃら。エレベーターがあるし、乗り換え時間もたっぷりある。エレベーターの前で、同じ電車でやってきた、エリック・クラプトンに顔も声もそっくりな男性が、「どうぞ、先にお乗りなさい」と言ってくれた。

画像6

ホームにはたくさんの人。さすが都会の駅。もう乗り換えはない。 ドイツに来たら必ず立ち寄っていた、アイゼナッハにも、ヴァイマールにも、リューベックにも、今回は行かない。ぜひもう一度訪れたかった、ハイデルベルク、バンベルク、ヴュルツブルク、ポツダムへも行けない。残念だなあ・・・とか考えていたら、13:57、ICE506が滑るように入ってきた。

画像7


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?