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「ドイツ縦断ひとり旅」(15)ベルリンからツェレへ 友との再会!

2019年9月19日(木)快晴

目覚ましのベルで6時起床。教会の鐘の音も小鳥の声も聞こえない。朝食は抜きで、8:00、チェックアウト。

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歩いて駅へ。バスやトラムに、重いスーツケースを載せられない。もう道が分かるので、レンタル自転車やキックボードを見たり、きれいなトラムに見とれたり、「さすがドイツ。クルマを減らす努力をしているな。」と感心したりしながら歩いて行く。

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8:30、ベルリン中央駅着。60歳くらいの男性が近寄ってきて、「コーヒー代をくれ。」と言う。「何にも食べてないんだ。」 「冗談じゃない。私だって何にも食べてないわよ。」と言いたかったけど、何も言わずに通り過ぎた。

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8:50発 ICE652。予定のちょうど1時間前だ。私が早く来すぎたのだ。5番ホームはどこ? ディレクションを見ながら進む。乗り場は地下2階だったよね。円筒形で透明のエレベーターで下りる。下りた所は3-4番ホーム。しまった。向こう側へ行くには1階上がって、通路を渡って、また下りればいいんだ。はい、ちゃんと5番ホームに来れました。

時間になっても来ないなあと思って表示を見ると、「+15」になっている。そっかー、15分遅れるんだね。

来た、来た。ケルン行き。予想通り、予約マークがズラーッと付いている。でも、良かった。空席を一つ見つけた。眼鏡をかけた、大学生風の女性の隣。「この席、よろしいですか。」と訊いたら、「ええ、どうぞ。」と、にっこり。 さあ、ハノーファーまで約1時間半の旅。MEREに乗り換えて、ツェレには11:07着。

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あー、おなかが空いたー。朝食をとってない。中央駅でパンを買うんだった。 お、車掌さんがやって来た。中年の女性で、とても品の良い話し方をする人。ジャーマンレイルパスを見せると、「どちらまで?」と訊かれたので、「ツェレまで。」と応えると、「ハノーファーで乗り換えてくださいね。」そして、「どうぞ、良い旅を!」と言ってくれた。

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通路側の席なので、窓から写真を撮ることもない。のんびりして、この快適なスピード(251キロで、揺れもしない)に身をゆだねよう。 それにしても、おなかが空いた。そうだ、ローテンブルクのホテルでもらったHARIBOのグミでも食べようっと。わずか10グラム、9粒のグミだけど、元気を与えてくれた。一日を始めるカロリーって大事だね。

隣の女性は時々ため息をつきながら、パソコンとにらめっこ。独り言をつぶやいたり・・・。何か難しい問題に取り組んでいるようだ。 へえ、ICEの表示って、ドイツ語の後、英語が出て、最後にフランス語が出るんだ。昔はなかったことだ。

ICEは遅れを取り戻し、定刻通り10:28に着いた。ハノーファーは割と大きな乗換駅だから、ショップもたくさんある。サンドイッチでも買おうかな・・・おっと、発車まで5分しかない。12番ホームから7番へ移動。エレベーターもある。1階(日本では2階)に着くと、両側の扉が開き、7番側と8番側と、大きく表示がある。気が利いている。

MERE2はきれいな色の電車。席も空いている。10:40、滑るように動き出した。11:07にはツェレに着く。

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さて、約束より早く到着してしまった。私は携帯電話というものを持っていないので、友人に連絡することができない。でも、平気。これが遅刻となると、相手に心配をかけるから、何としてでも連絡をしなければならないけれど(公衆電話を使うとか)、待つのはへっちゃら。異国の駅にいるのだから、見るものすべて珍しいし、私としては、非日常の時間をのんびり味わいたい。

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絵葉書を書いた後、駅前の風景を眺めていたら、友に初めて会った時のことが蘇ってきた。もう20年前になるだろうか、私はホテルを予約せずに旅をしていた。午後遅くなったら、どこかの駅で下りて、駅の近くで宿を探す、といったような・・・。ところが、ツェレ駅の周辺には、宿屋が1軒も見当たらなかったのだ。うーん、どうしよう。地元の人に尋ねるのがいいだろう。隣の郵便局から次に出てくる人にしよう。

それが、ハンネローレだった。快活な中年女性で、とっても親切にしてくれた。ホテルまで車に乗せてくれたのだ。「ちょうど帰り道の途中だから」と言って。 ホテルに着くと、チェックインもしてくれた。そして、「良かったら、明日、街を案内してあげましょう。」と言ってくれた。 それがきっかけだった。

私がお金持ちだったら、せめて中流だったら、毎年会いに行っただろう。でも、労働者階級としてはそうもいかない。私達は主に文通によって友情を育んできたのだ。

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12時5分前。ハンネローレがどちらの出入り口から来るのか分からないので(なぜなら彼女はホームで待ってくれる人だから)、通路で待ってみようと歩きだしたら、向こうから歩いてくる女性・・・ハンネローレ!! 思わず手を振った。彼女も私を見つけ、手を振った。私達は通路の真ん中で、しっかりと抱き合った。大好きなハンネローレ! 7年ぶりの再会!

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