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「ドイツ縦断ひとり旅」(14) ティエパーク・ベルリン ヘルタ そして クヌート

2019年9月18日(水) 曇り時々晴れ

ティエパーク駅に着いた! ええーっと、えーっと・・・・・あっ、見つけた! チケット売り場!

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ティエパークは広大な公園で、森や林を通り抜けると、小川の向こうにバイソンがいたりする。 ホッキョクグマはどこかな・・・・・。 私は地上の動物の中で、ホッキョクグマが一番好きだ。その姿が気高いと思う。

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おお、いたいた! トーニャおかあさんとヘルタちゃんが! ヘルター! やっと会えた!! あなたが生まれた日から毎日、ネット動画で見ていたんだよ。ずいぶん成長したねー。もう10か月児だもんねー。

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二人は大人気。遠足の園児達も来ているし、家族連れも多い。子供も大人も楽しそうに、また真剣に見つめている。ヘルタちゃんは水に入るのが苦手なようだ。おかあさんがスイスイ泳いだり、プラスティックのオモチャで遊んでみせても、池のフチまでは来るが、ちょっと前足を水中に入れてはすぐに引っ込める。一人遊びをしていたかと思うと、おかあさんにすり寄って甘えたり、おっぱいを飲み始める。何をしても可愛いので、あちこちから「わあーっ!」とか「きゃあーっ!」とか声が上がる。

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おかあさんのトーニャさん(モスクワ生まれ、10歳)は、ときどき観客を見回して、「みなさん、ようこそ!」みたいな顔をする。プロだね。「ウチの子、可愛いでしょ。」と言っているのかもね。

ヘルタちゃんは幸せだね。おかあさんと一緒で。おっぱいも飲ませてもらえるし、シロクマとして必要なこと、色々教えてもらえるから。

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ドキュメンタリー映画(2008年製作)にもなった『クヌート』は、ベルリンズーで生まれたけれど、母親が育児放棄をしたために、人工哺育された。飼育係として雇われたトーマス・デルフラインは、赤ちゃんと同じ部屋で寝起きし、24時間体制で、献身的にクヌートを育てた。二人が口づけをしている写真は『種を超えた愛情』と呼ばれ、世界中の人々を驚かせた。 トーマスは自分の人生を捧げ、愛情のすべてを注いでクヌートを育てた。 が、クヌートが2歳になったとき、もう哺育は必要ないと、彼は解雇された。或る日、元同僚が訪ねた時、トーマスはアパートで一人ぼっちで死んでいた。 私は映画館でワアワア泣いた。涙が止まらないので、トイレで泣いた。 クヌート自身もわずか5歳で亡くなっている。

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ヘルタちゃん、どうぞ長生きしてね。おかあさんの愛情に包まれて。

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何時間、二人を見ていたのだろう。せっかくだ、他の動物も見て回ろう。 ヤギやヒツジ、ヤマアラシ、レッサーパンダもいる。 閉園の1時間前に、再びシロクマ園へ。 トーニャ、ヘルタ、元気でいてね! 思わず、「ヘルター!!」と叫んでしまった。

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親切なゲートのおじさんが、「遠くからよく来たね。赤ちゃん、でかかったろ?」と笑って、「気を付けてお帰りなさい。」と、帰り道を教えてくれた。

トラムに乗り、Sバーンに乗り換え、カントシュトラッセをずっと捜し歩き、「ホテル・コルティナ」をやっと見つけた。さあ、「ホテル・セントラル・イン」にお引越しだあ。

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荷物を運ぶのが大変なので、タクシーを呼んでもらう。 正面階段の上で待っていたら、5分以内にきた。 タクシーの窓から、ジーゲスゾイレにさようなら。遠くにブランデンブルク門を見ることができた。

次のホテルに着いた。メーターを見て、「15,50ユーロ?」と訊いたら、初老のドライバーさんは、「いいや、18,18ユーロ」だと言う。そうか、余計な仕事、させちゃったもんね。2182円のうち、チップ約300円ってとこ。

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18時ちょうどに部屋に入り、座る前に洗濯をしてしまう。 二つのホテルは経営者が同じだけあって、部屋がそっくり。ハンガーは針金。洗面所の唯一の備品であるプラカップまで同じだ。トイレはやはり、廊下の先にある。この作りは、古い学生寮をホテルにしたのではと思われる。石鹸もシャンプーも置いてないし、小さなテレビは2チャンネルだし、コヴァレフスキー氏は経費削減に余念がないとみえる。

19:30、夕食にする。朝のパンと水。それに、ローテンブルクから運んできた青リンゴ。これが一番おいしかった。

20時過ぎ。ちょっとウトウトしようかなと思い、ベッドに横になった。 それが、しっかり眠ってしまったようで、起きたら22時半だった。テレビを付けたら、名探偵ポワロがドイツ語でしゃべっていた。またウトウトして、次に目覚めたのは 23:10。シャンプーはせず、シャワーだけ。 明日は早出。 

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