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#6【基本だけど、意外と勘違いしているかも?】『ニーズ』ってなんだっけ?

こんにちは!マサです!
今回は、マーケティングで最も大切な『ニーズ』について、簡単に解説してみました。
「そんなの、もう知ってるよー」という方も多いかもですが、お付き合いいただけると嬉しいです。

『ニーズ』と『ウォンツ』

突然ですが問題です。
<問題>
朝早く、ターミナル駅に早足で向かうサラリーマンのAさんがいました。
聞くと、これから会社に出勤するために、始発電車に乗りたいとのことです。
さて、この駅に向かうAさんの『ニーズ』は何でしょうか。

チクタク、チクタク、チーン!
どうでしょう?お答えになれましたか?

Aさんのニーズは『会社に行く』ことです。
「始発電車に乗りたい」とありましたが、この裏には、『会社に行く』という必要性があるんですね。
この『会社に行く(目的地に行く)』というのが『ニーズ(必要性)』ということになります。

では、『電車に乗る』は、何になるでしょう。
これは、会社に行く、という『ニーズを具体的に満たす特定のもの』です。
これを『ウォンツ』と呼びます。
この『ウォンツ』は代替え可能で、例えばこの場合、電車の代わりに、バスでもタクシーでも『会社に行く』というニーズを満たすことができます。
もし、電車より安い価格、早い時間で、タクシーで会社に行けるとしたらどうでしょう?
電車に乗る必要性はなくなりますよね。
このように、何がニーズ(必要性)で、何がウォンツ(ニーズを満たすもの)かを意識することが、とても大切です。

もしも、「電車に乗ることがニーズだ」と勘違いしてしまったとしたら、どうなるでしょうか。
このAさんは、よっぽどの電車オタクで、「電車自体が好きでたまらない!電車に乗っている時間が最高の幸せー」みたいな人だということになってしまいます。
(もちろん、そういう方もいらっしゃるでしょうが)

というように、『ニーズ』と『ウォンツ』を混同せず、的確なニーズを把握することが、マーケティングの第一歩であり、とても重要なことです。
ここを混同してしまうと、お客さんが本当に求めていること(ニーズ)に答えていない商品・サービスを生み出してしまう可能性があります。
今、提供している商品やサービスは、どんな『ニーズ』を解消する『ウォンツ』になっているでしょうか。
一度考えてみても、面白いかもしれませんね。


高度なニーズとは?

さて、ここからは、もう少し踏み込んで、『高度なニーズ』について考えてみます。

さっきの例で、続きをみてみましょう。
「始発電車に乗りたい」というAさんは、途中で同僚のBさんに会いました。
聞くと、Bさんも「始発電車に乗りたい」とのことです。
そこで、「どうして始発電車に乗りたいんですか?」と2人に尋ねたところ、それぞれ違う答えが返ってきました。

Aさん「席に座れるように、始発電車に乗りたいんです。」
Bさん「とにかく、早く会社に行きたいんです。」

Aさん、Bさんの基本的なニーズは『会社に行く』ということで間違いありません。
しかし、それぞれに求めていることが違います。
ここを深堀りすることが、『高度なニーズ』の発見につながります。

では、Aさんの高度なニーズは何でしょうか。
それは、『快適に目的地(会社)に行きたい』です。
なぜなら、「席に座れる」ことで、始発電車という『ウォンツ』を選んでいるからです。
ひょっとしたら、仕事前に体力を温存したいのかもしれませんし、会社の資料をゆっくりチェックしたいのかもしれませんね。
もし、Aさんが、会社の経費でタクシーを利用できるのであれば、きっとタクシーを使うことでしょう。
現在は電車を利用しなければいけない環境なので、少しでも快適に目的地に行くために、早くに出勤して席を確保しているということになります。

この通り、Aさんのニーズは、『快適に目的地に行く』ことにあるということになります。
しかし、Aさんは質問に対して、
「電車に乗りたい」
「始発電車で座りたい」
と回答していました。

もし、Aさんの回答を聞いた鉄道会社の社員が、
「電車に乗りたいというニーズがあります。」
「始発電車に乗りたいというニーズがあります。」
と、ニーズとウォンツを混同して上司に報告したとしたら、どうなるでしょうか。
「よし、始発電車を増やそう」となるかもしれません。
しかし、これは有効な対策となるでしょうか。

もしも、同じ目的地に行く他社路線が『指定席のある列車』を導入したら?
Aさんは「始発電車でなくても、席に座れる」となり、始発電車はおろか、他社の電車に乗り換えてしまう可能性も十分にあります。
始発電車を増加したもともとの鉄道会社は、ニーズとウォンツを読み間違えた結果、コストだけ大幅に増加させてしまうかもしれません。

一方、「とにかく早く会社に行きたい」と言っていたBさんの高度なニーズは何でしょうか。
Bさんの場合は、『早く目的地に行く』が高度なニーズであることが分かります。
快適さを犠牲にしても、早く会社に行けるウォンツを選ぶことになりそうです。
ですので、たとえ会社の経費でタクシーを利用できるとしても、それが電車より遅く会社に着くのであれば、Bさんは利用しないということになります。

この場合、Bさんの高度なニーズを満たすとすれば、例えば『快速列車の導入』などが考えられそうです。

Aさん、Bさんともに、基本的なニーズは『目的地に行く』ことですが、さらにニーズに踏み込んだ結果、Aさんの高度なニーズは『快適に』であるのに対し、Bさんの高度なニーズは『早く』ということが分かりました。
そして、それぞれの高度なニーズを満たすウォンツを用意することで、例えばAさんからは『指定席料金』を、Bさんからは『快速料金』を払ってもらうことが出来そうです。
しかも、Aさん、Bさんそれぞれの満足度も上がることが期待されます。

というように、より高度なニーズを見つけることができれば、他社と差別化することができ、売上アップも可能になります。
ただ、繰り返しになりますが、欲しいという具体的な欲求である『ウォンツ』を『ニーズ』と理解してしまうと、間違った商品・サービス提供につながってしまいます。
そして、ニーズを理解した競合他社に、簡単に顧客を取られてしまうことになりかねませんので、ここはくれぐれも注意が必要です。

『ニーズ』と『ウォンツ』はさらに奥が深い

以上で、簡単ではありますが、『ニーズ』と『ウォンツ』の説明になります。
マーケティングを勉強する際には、最も基本的な部分になりますので、ぜひ押さえておきましょう!
さらに、このニーズとウォンツは奥が深く、ニーズにも『顕在ニーズ』と『潜在ニーズ』、ウォンツにも基本ウォンツのほか『条件ウォンツ』や『期待ウォンツ』などがあり、さらに似た概念で『インサイト』などがあります。
そして、顧客の属性別に、それぞれに対するアプローチ方法も違ってくるんです。
奥が深いですねー。
もしご要望があれば、このトピックでも取り上げていきたいと思いますので、コメント頂けたら嬉しいです。


ということで、今回は、『ニーズ』と『ウォンツ』について解説してみました。
「もう知ってたよー」という方には、ちょっとまどろっこしい説明になってしまい、すみませんでした。
「なるほどー」と思って頂けた方には、どこかで何かの参考にして頂けたら嬉しいです。

ちょっとブレイク!ビジネストピック。
次回も、仕事にちょっぴり役立ちそうなトピックスを、お届けしたいとおもいますので、よかったら、また読んでみてください!


以上です。
これからもよろしくお願いいたします!

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