留学先の友達との突然の別れ ヨロコビとカナシミが表裏一体であること

コロナウイルスの拡大をうけて、1年の予定だった交換留学を中断し、日本に帰国しました。イギリスでのコロナウイルスの影響はあまりにも展開が速すぎて、まともにお別れもできないまま、イギリスを去ることになりました。今回は留学先の友達と感じた気持ちをnoteにします。

まだあと3か月かけて、もっともっと仲良くなりたい、いろんなことを一緒にしよう、次会うのは何日後かなと思っていた友達との急すぎる別れ。

留学先で友達をつくることは私にとって一つの大きなミッションであり、留学中ずっと抱えていた課題でした。英語があまり話せないまま渡英し、日本でも人見知りが激しく、仲良くなるのに時間がかかるタイプの人間が言語が不自由な中で1年という限られた時間の中で友達をつくることは自分の中で大きな挑戦でした。

渡航してすぐは、歓迎イベントでたくさんの人に知り合う機会はあったけれど、やっぱり話せないから、最初はごまかしていても相手にしてもらえなかったり、自分らしさを表現できず、一緒にいる時間を楽しめなかったり。

そんななかでも自分の好きな経済の勉強を一緒にする学部の友達や、日本Societyで繋がったり、音楽やバイオリンを通じて出会ったり、たまたまイベントで出会って気が合ったりした友達が少しずつできました。初めて会って、連絡先を交換してその後もう一回遊びに行ったり、ごはんにいけることになったときは本当にうれしかった。

でもやっぱり言語の壁は大きくて、なかなかネイティブの友達ができないことに焦りをおぼえたり、冬休み遊びに行く約束がない時期は日本人の友達のインスタにあがる投稿と比較して自分は友達が少ないんじゃないかって落ち込んだりもしていました。

そんなこんなで12月おわりくらいからだんだん話せるようにもなってきて、なんでも話せる友達も1人できて、春学期がはじまり、また新しい出会いもありながら、いままで仲良くなれた友達と深い関係を築ける時期が到来したように感じていました。学部の友達にお誕生日会やクラブに誘われたり、イギリス内の旅行に誘われたり、やりたいことがいっぱいあったし、3月以降そのような予定があることがとっても嬉しくてとっても楽しみにしていました。

自分なりに新天地でつみあげてきた友達関係。それがコロナの拡大による帰国で思いもかけない、心の準備のまったくできていない別れを迎えることになります。もともと来た時から1年間の友達だという心がまえはしていましたが、あと3か月あると思っていたから。

すでに帰国を決めるころには大学の授業はオンラインに移行していて、市内でも学内でも感染者がでていて、コロナの感染が怖いし、時間もなくて帰国前に会うということはほとんど不可能でした。

航空券をとったあと、荷物の引き上げや手続きに追われながら、なんとかお世話になった友達にメッセージを送りました。その子と撮った写真、一緒にやったこと、これからやりたかったこと、元気でいてね、また会えるといいな。ほんとうにありがとう。書くのには思ったよりパワーが必要だったし、現地の友達が少ないとずっと悩んでいたけれど、いざメッセージを送り始めると、あ、あの子にも送りたいな、って思っていたより友達ができていたことに気づくことができました。本当にたくさんの人に助けてもらって6か月間自分にとって未開の地で生きてこれたんだなって。

メッセージの返事がちょこちょこ片付けの合間に届いて、みんなとっても優しいメッセージをくれて、お互いもうしばらくもしかしたら二度と会えないことをわかっているから悲しくなって何度も涙がこらえられなくて空っぽの寮の部屋の中で泣きました。I miss youがこんなに悲しい言葉と知りたくなかった。ただでさえ無事に帰国できるかストレスに押しつぶされそうになっているところにこの悲しみが加わってかなり情緒不安定でエネルギーをつかっておなかがすぐにぺこぺこでした。

そして、イギリスを去り、無事に日本に帰宅。14日間の自宅隔離期間に入り、自室にこもる日々がはじまりました。そんな中メッセージの返事の返事の返事が届いて、また泣きました。

でも、この時、私はひとつ思いました。泣くくらい別れがつらい友達をこの留学中につくることができたのだと。それは人見知りかつ英語が話せなかった自分が短い期間の中で友達を作るというミッションの成功をも意味しました。6カ月しかいなかった自分のことを会えなくてさみしいよと言ってくれる友達がいる。そのことはとても幸せなことのように思いました。

留学に行く前、奨学金審査の面接でこのような質問がありました。ディズニーピクサーの映画『インサイド・ヘッド』の1シーンで絶対に泣かないはずのヨロコビの精がカナシミの種を抱えて泣くシーンがある。あなたは今までの人生で喜びと悲しみを同時に感じたことはありますか?

面接を受けた1年前、私はこの質問の意味がさっぱりわからなくてかなり困惑しました。当時の面接記録のメモにも謎の質問って書いてあり、印象に強く残っていました。喜びと悲しみが表裏一体ってどういうこと?今ならこの質問に答えられる気がします。大切な友達と別れるときの気持ち。別れは悲しいけれど、悲しいのはそれだけ幸せな時間をその友達とすごしたから。刹那の出会いだったけど、私にとって忘れられないまた会いたい大切な友達が留学先でできたことを幸せに思います。

寮で片付けをしながら、思わずこぼれ出た歌詞を紹介しておわります。

サヨナラに強くなれ。その出会いに意味がある。
--乃木坂46『サヨナラの意味』

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