開業失敗談 その2 周りに期待をし過ぎてしまった

自分で店舗を構えたのはいいけれど、実際お客様が認知をしてくれ、来院にまでこぎつけるまでの経由は中々ハードルが高いものです。ただお店を構えれば、技術があれば来てくれるという考えをお持ちの方は、さすがに今の時代あまりいないかと思います。Webサイトをつくったり、SNSを始めたり、チラシやビラを撒いたり、ご紹介を頂いたりとあらゆる方面で工夫や継続持続を繰り返して初めてご新規様が来てくれる経由が出来上がります。

その現実を知っていたのですが、私はそれを当初、怠ってしまい開業してから1年近く苦しみました。何故怠ってしまったか。それが今回の失敗になります。今回の事件は私の怠惰、現実を甘く見ていた結果になります。店舗を借りて開業日も事前に把握しておきながら、一切外部に告知や宣伝をしていなかったのです。それは何故かというと、今まで通ってくれた方が新しく店舗を構えたら来てくれると思い安心しきっていたからです。

今いる顧客+その方たちが周りにご紹介をしてくださるという事で、その時点で見込み新規は20人以上いると勝手に計算をし、それであれば無理に宣伝をする必要はないと高を括っていました。しかし現実は厳しく、開業日が近づいても予約の連絡が一切来ませんでした。お客様が開業日を忘れてしまったのかな?と思い、オープン一週間前に再度開業日のご連絡とご予約受付の確認メールを送ったのですが帰ってくる返信は「時間が出来たらいくね」「今忙しいから落ち着いたらね」。返信が返ってくるだけまだましで、中には連絡が途絶えてしまった方もいました。

この時から徐々に血の気が引くような焦りと不安が襲い掛かってきました。実際オープン日になったのですが、結局来てくださった方は1人でした。

この現実を受け止める事が出来ず、その後も連絡をし続けたのですが、結局来てくださった方は5人くらいでした。当初考えた売上見込みに届くわけもなく半年間くらい酷い赤字続きで結局その店舗を手放すことになりました。

私は来てくれなかった人達や紹介をすると約束してくれた人達をひどく恨みました。話が違う、嘘つきと。

しかし客観的に見ると、どう考えても悪いのは自分なんですよね。人に甘えて何もしないで開院日を迎えてしまった。事前準備はどうとでもやりようがあったはずなのに、今思うとひっぱたきたくなる甘ちゃんでした(笑)

自分の都合の良いように物事を解釈してしまい、期待をしているとこうなってしまうと勉強が出来ました。その後はSNSを活用したり、毎日ポスティングを行い、徐々に少しずつですがご新規様を獲得し、ご紹介も増えて、5年後の今は、ほぼSNSのみで集客が出来ています。

今回の失敗で得た教えは


1.紹介を期待をしない
2.「行くからね」は95%来ない
3.自分で事前準備をしっかり行い、自分で責任を持つ



1.紹介を期待をしない

期待をしないは失礼かと思いますが、それくらいの気持ちでいた方が自分の心は楽になります。真に受けてしまうと、「いつ来るかな?」「早く来ないかな?」と期待すればするほど、連絡が来ないと落ち込みます。

2.「行くからね」は95%来ない

私の中では「行く行く詐欺」と言っていますが(笑)行くからねといって実際来てくださった方は、本当に1割いないかと思います。来てくださった方には心底感謝しています。よく来てくださいましたと。それくらい来ないです(笑)なので本当に期待しない方がいいです。来てくれると思って色々尽くしても来ない方は、本当に来ないので時間の無駄です。来てくれる方は何もしなくても来てくださるので、SNSやポスティングに時間を使った方がいいです。

3.自分で事前準備をしっかり行い、自分で責任を持つ

出来れば開院日の3か月前、遅くとも1~2か月前からその周囲に認知をして頂き、事前の予約を1件でも2件でも確保しておけば良かったと思います。ベストは開院前からSNSで自分の得意な事、やっている事を発信し続けて、ファンを獲得しておき、実際リアル店舗を構えた時にファンの1割、2割の方が来院して頂ける導線が出来上がっていたら最高です。私は開院してから3か月後にSNSを始めましたが、全く役に立たず、効力を発揮するまでに3年~4年くらいかかりました。


今回の失敗は私の甘さが起こしてしまった事で、経験豊富な方からしてみたら、「こいつ何当たり前の事いってんの?」「これはどう考えてもお前が悪いじゃん」と言われるかもしれません。だけど実際やってみないとわからないんです。やっぱり最初は周りに期待を大きく持ってしまうんです。誰かが助けてくれる、自分は周りに恵まれていると都合の良い様に考えてしまうんです。今回の出来事は、その甘えた思考を断ち切れる経験だったと思います。

これから開業をされて集客を考えている方。少しでも参考になればと思います。

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