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文法を“当たり前だと思わない“素晴らしい例が映画『アナ雪』の中で使われていました。

big の比較級は bigger、interesting の比較級は more interesting です。これは文法という”法“の中で決まっています。

では beautiful は? 「 more beautiful で”当たり前“でしょう」という声が聞こえてきそうですが、そうでもなさそうなのが映画のセリフで使われていました。

その場面とは、「アナと雪の女王」の中で、エルサの戴冠式の際にアナが発言した場面で、アナが緊張のあまりbeautiful を beautifuller と間違えてしまいます。

Elsa: You look beautiful. (きれいよ)

Anna: Thank you.  You look beautifuler.  I mean, not fuller”.  You don’t look fuller.  But more beautiful. (ありがと。でも負ける。お姉さまはもっときれいよ)

Elsa:  Thank you.(ありがとう)

映画「アナと雪の女王」


beautifuller は間違いで、more beautiful が正しいのはわかりますが、

beautifullerは、

( obsolete ) comparative form of beautiful: more beautiful more beautiful  

glosbe.com

と定義されており、obsolete (廃れた)な語ですが、存在する語であるのは驚きです。

Anna が beautifuller を言い直そうとして、

“I mean, not fuller”.  You don’t look fuller.”

と言ったのもとても面白いです。

full は「いっぱい」ですが、「お腹が大きい」⇨「太った」という意味があり、

「太って(fuller)いるという意味で言ったのではないの。あなた(エルサ)は太ってなんかいないわ(don’t look fuller)」

が直訳です。この箇所は字幕には表れていません。

必死で間違いを否定しようとするアナのお茶目さが出ているシーンです。

でも 廃れて ( obsolete ) 使われてはいないですが、 beautifuller という言葉が存在しているのはビックリです。

もし試験でbeautiful の比較級を書く問題が出て beautifuller と書けば✖️ですが、厳密には間違いだと言い切れませんね。

もし、アナのように beautifuller を使ってしまっても相手の人は理解してくれるのは間違いありません。

少し変というぐらいでコミュニケーションレベルでは「間違いを恐れずに話そう」が当てはまると思います。

逆に She looks smarter. (彼女は賢そうだ)をShe looks more smart. と言っても通じますし、何の問題もないです。

実際、…er か more … のどちらか迷ってしまう時もありませんか?

例えば、polite。You are politer / more polite than he. のどちらか迷うかもしれませんが、politer / more polite のどちらでもいいのです。

他にも simple, likely, clever なども …er でも more …両方が使えます。

でもここで大切なことがあります。それは、”It’s … と言い出して、次が likelier か more likely か迷ったら、言葉として英語を学んでいる証拠だということです。

なぜなら、likelier も more likely も両方ともこれまでに聞いたり見たりしたことがあるため、「えっ、どっち?」となるのです。

これは「素晴らしい迷い」だと思います。(個人的には more likely をよく使うし、目にします)

さすがに more beatiful を beatifuller ということはないと思いますが、ネイティブスピーカーと話す時にわざと beautifuller を使ってみるのも面白いと思いませんか?

相手の反応を見て、『雪アナ』の beautifuller が使われていた部分を説明して... 話しが弾むかもしれません。

習った文法を当たり前と思わない」ー 常に頭に置いておきたいです。

Looking forward to seeing you again!

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