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『名もなき王国』の感想ツイートを見てにやにやおしゃべりするしげさやみど

今月5日、発売を迎えた倉数茂さん『名もなき王国』。作品に関するインタビューをポプラ社で受けていただいたあと、倉数さんにお時間をいただいて、担当編集者2人とともにツイッターにあがっている感想を拝見しながら「嬉しいね」と話をしました。※今回ピックアップしていないご感想も、すべて大変嬉しく拝読しております。本当にありがとうございます。

※以下、「しげ」=倉数さん、「さや」=ポプラ社小原、「みど」=ポプラ社矢島です。↓こちらのノリというか流れを汲んだものになっております…大変恐縮です…!

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しげ:「色や匂いが文字から出てくる感覚」と言っていただけると嬉しいですよね。『はてしない物語』、確かに共通点ありますね。児童文学のメタフィクション部門の永遠のチャンピオン。

さや:寝食を忘れるなんて、本気のハマりかたですよね。その感覚を共有できて嬉しい! 我々も、あらゆる事務作業を放棄してゲラを読みふけりましたものね、みどりさん。

みど:最終章の「幻の庭」なんて、デスクの椅子の上に正座して読んでました私…。しかし1日でとは。。本当にすごいです。

:こ、これは!!(あの方々とは…!?)

:次のつぶやきに「あの方(M先生の方)」とあったから、皆川博子先生のことかしら。続けて「ボルヘス、カサーレス、葛原妙子etc...へのラブレターなんだと思った」と書いてくださっていて、ああ、受け止めてくださっているなぁと。「秘密結社の読者への恋ふみ」ってフレーズもいいですよね!

:熱いですね。この興奮ぶり、とても嬉しい。

:そうなのそうなの! 立田さんの選んでくださった場面は、どれも情景が美しくて、印象に残りますよね。映像で見てみたい……。

:「夏茱萸の庭」というのは僕が執筆中につけていた仮題でもあったんですよね。「茱萸」の字が難しいという理由で採用になりませんでしたが。文章が非常に映像的だということは時々言われます。ただその割には、僕は視覚的記憶力が大変弱い人間で、人の顔が全然覚えられません。

:最後の庭のシーンは、耳からの情報も重要……。まだ読んだことがない人がうらやましいほど打たれました。

:この前高山羽根子さんの『オブジェクタム』読んだんですよ。意識してなかったけど、このツイートの影響ですね。大変、おもしろかったです。

:この二冊の合わせ技が絶妙ですね。しかし、『名もなき王国』の読者の方は、みんな文章がお上手だなぁ。

:そして「王国」の最後の一文を確認してにやりとする我々3人。

:厳しいご指摘も頂戴しました! おっしゃること、よくよくわかります。我々もとても悩みました。『名もなき王国』に惹かれてくださるかたは、ふだんから小説や本を読み慣れている方々が多いと思うのですが、そうじゃない方々にも手に取っていただき、どうか(複雑な構造にくじけず)最後までこの物語を見届けていただきたいという思いで、決断しましたね。

:そういうものなんですね。

:お叱りごもっともです。無粋ですよね……。この場を借りて、憤られた皆様に深くお詫び申し上げます。ただただ、一人でも多くの方に、とにかく手に取っていただくべく、なりふり構わずあらゆるフックを総動員させていただきました。最後まで読んでいただけたら、憤りを上回るほどの満足感を得ていただけるかな……と。

:書店でビビっときていただけたなんて、光栄です! 出会えましたね、私たち(笑)。

:見た目の情報にビビっときてもらえて、内容に満足してもらえるって本当に嬉しいことですね。しかも私より物語を深く理解されている。

:よく読んでくださっているなあ。いろんなスタイルの小説が出てくるので、ひとつひとつを楽しんでもらえると嬉しいです。

:さすがミュージシャンのご感想は詩的ですね。

:しおり機能もないのに、noteで全文読んでくださったなんて。。

:読み返して少しずつ謎解きをしたいなんて、最高の誉め言葉ですよ!

:ならのさん、なんて読解力。興を醒めさせてしまわなくてよかった…。

:ここにも「沢渡晶掌編集」希望者が現れましたね! 未収録短編を、いま、noteで随時公開していますが、お読みいただけているかな。沢渡晶掌編集、実現したら、とても美しいたたずまいの本になりそうですよね。『名もなき王国』がたくさん売れたら、あるいは……(妄想中)

:標本箱とは、素敵な表現だなあ。ありがたい限りです。そういえばジョゼフ・コーネルという美術家がいて、彼の作品というのは、小さな箱の中にちょっとドールハウス的な感じで細々としたものが詰め込んであるというものなのですが、沢渡晶の本を出せるとしたら、そういうイメージの本にしたいですね。

:私たちの異常な往復メールを、こんなふうに言ってくださる方々もいましたね。徳さん、ありがとう。。

:僕も驚きました。知らされてなかったですからね(笑)。

:必死で書いてたんです…。お知らせする余裕もありませんでした。

:おもしろく書けなかったらお蔵入りにしようと思っていたので…。

:この往復メールは、本当にたくさんの反響をいただきましたね。お読みくださったみなさん、ありがとうございました。その後、メッセンジャーでの「さやみど通信パート2」を経て、今回の「しげさやみど鼎談」(?)に至ったわけですね。


素敵なご感想をつぶやいてくださったみなさま、本当にどうもありがとうございます。平成最後の夏もあと少し。物語の王国へぜひ足を踏み入れていただけたらと思います。

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