見出し画像

ポップインサイト創業記(38)〜OEMで何百社も売ってもらうためには

良いサービスやプロダクトがあるのに、なかなか売れないという課題はベンチャーにつきものです。ポップインサイトのリモート・ユーザテストも同じ課題にぶち当たりましたが、その中でもうまくいった施策をご紹介します。

ソウルドアウトさんが数百社にユーザーテストを売ってくれた理由

創業当初、以前の記事でも紹介したように、OEM展開でソウルドアウトさんが精力的にユーザーテストを販売に力を入れてくださっており、約1年の間に100社近くものクライアントにユーザーテストのサービスを売ってくださいました。

(▼ソウルドアウト社のユーザーテスト販売が100社を突破したことを紹介する記事)https://webtan.impress.co.jp/u/2014/10/30/18565

スクリーンショット 2020-09-16 10.02.36

OEM展開ですから、当然1社売れるごとに我社にも利益が入ります。その意味で、このようにとても多くの会社に販売してもらえたことは、大変ありがたいことでした。

その成功理由の1つに、営業担当者向けに特化した研修会を開催したことがあります。

それまでは、ソウルドアウトさんで社内向け研修会をさせてもらう際には、先方からの依頼もあってユーザーテストを実際に取り扱う、クライアントの成果改善を検討する部署に向けて行っていました。

しかし、まず最初に顧客にユーザーテストを売ってくるのは、ユーザーテストを実施するこの部署ではないので、ここが知識を増やしても販売には繋がりません。実際に販売してくるのは営業担当者です。

そこで、改めてソウルドアウトさんからの依頼を受けて、営業マンを対象にした、10人1グループ10時間の研修を2セット開催しました。


営業マン向けに大幅に内容を特化した研修を開催

「ユーザーテストを行う部署」ではなく、「ユーザーテストを売ってくる部署」を対象にすることになるので、研修の内容を大幅に変更しました。

「ユーザーテストを行う部署」に対する研修は、“ユーザーテストの実施の仕方”が研修のメインになりますが、「営業部署」向けの研修は“どうやったら売れるのか”が主題になります。

売ってもらう事が主眼になるので当然内容を変えて、ユーザーテストが営業的にどのように価値があるのかとか、どういうニーズの人にとって価値があるのか、どうしたらクライアントの心に刺さるのか、といったように変えたのです。

私には、それまで自らが日本で初めてオンラインのユーザーテストを導入して以来、自分自身で多くのクライアントさんにユーザーテストを売ってきた“営業経験”がありました。さらには、私が営業した先のパートナー企業がOEMで営業した成功事例なども多数集まって来ていました。そういった実際の成功事例を基にした、本当に売れる営業研修を行ったのです。

▼営業向けに特化した研修資料(抜粋)

スクリーンショット 2020-09-16 10.09.00

スクリーンショット 2020-09-16 10.10.31

スクリーンショット 2020-09-16 10.12.33

自分や他社が営業を繰り返して来た中で、こんな風な流れで進めれば成約が取れるという営業の必勝パターンが確立できていたので、そのノウハウを紹介する形での研修となりました。

まずは、課題をヒアリングしましょう。じゃあヒアリングとは何をヒアリングするんでしょうか?私自身はこんなことをヒアリングしますよ。 といった感じでちょっと話を盛り上げます。

そしてパターンが見えたら、次は提案企画書を作ってお話ししましょうと。

スクリーンショット 2020-09-16 10.37.06

スクリーンショット 2020-09-16 10.37.21

スクリーンショット 2020-09-16 11.00.11

提案した結果、質疑の内容を盛り込んで受注しますよね。それを納品しましょう。 納品部隊の皆さんと一緒にやりましょう・・・といった一連の流れを紹介しました。

実際には、この資料は40ページ近い内容です。まずは営業マンの心に刺さって、そうすれば良いのかと思ってもらうことが、実際の成果に繋がると思い、その為に、なるべく具体的なノウハウを細やか詳しく伝えました。

さらに、実際にこういう風な営業をした結果成約が取れました、ということで、ある会社の成功例をケーススタディーとして紹介しました。

このケースでは、実際にこの様に話が進んでいき、こんな風に議論して盛り上がり、この様に成約し、こういう時間軸で納品をしましたといった感じです。

スクリーンショット 2020-09-16 11.10.55

スクリーンショット 2020-09-16 11.11.21

やっぱリアリティがないと説得力が薄いので、実際にこのようにして上手くいったというケーススタディを、ストーリーとしてしっかり明示しました。

・・・このような感じで研修を行った訳です。やはり、ここまで具体的なイメージを持って伝えると、営業マンとしても話がわかりやすかったようで、相当心に刺さったようでした。

「なるほど、こういう流れで売ってくるというのが良くわかりました。」

「どういうパターンやヒアリング項目があるのか理解できました。」

「こういうオファーをしても良いですよね。」

「どういう風に成約に繋げていき、納品するのかというイメージまで掴めました。」

・・・といった感じのポジティブな感想が、アンケートにも溢れていました。

やはり具体的なイメージを描きながら理解すると、概念ではなくて腑に落ちるので、かなり響いたようです。結果的に、研修が終わった後すぐに成果が数字になって目に見えて現れて来ました。

売る人が売りやすくすることが大切

世間には、クオリティーが高くて中身が良くても、営業ができないから広がらないというケースが多々あります。だから、売る人が売りやすくするように整えていく事がとても重要だと思います。

ソウルドアウトさんでは、この営業担当者への研修がバッチリとハマって、1年程の短い期間に100社を超える会社にユーザーテストのサービスを販売してもらうことができました。そして、それによって我社へも入金が実際に入ってきて、自社のさらなるビジネスの成長へと繋がりました。

そういった意味で、この営業担当者向けに特化した研修会は大成功だったと思います。

しかし、現時点から思い返すと、もっとこの研修を展開して行けば良かったなと少し反省も感じます。

このパッケージを社内に落として、どんどん同じ形を展開すれば良かった・・・。今見直してみても結構良い研修です。かなりの良い実績も上がりました。何でこれをもっと拡げて行かなかったのかなと疑問が残ります。

せっかく良い品質の企画を作っても、1回やって成功したら、繰り返しの座組に落とし込まずに、ついつい新しいことに進んでしまうのが私の悪いクセで・・・。振り返ってみても、やっぱりもっとやっていれば良かったなと反省しています。

次の記事((39)〜OEM提供がうまくいかないケース)へ進む

前の記事((37)〜創業期は、仕事を選り好みしすぎない)へ戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?