自主休校にしました。

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、2020年3月2日から始まった全国一斉休校は各校の春休み開始まで。つまり春休み終了と同時に学校は再開されることになっていました。
感染者数だけで言えばさほど多くない、平和?な地方都市で暮らす、我が家の「自主休校顛末記」をメモにします。もしどこかで迷っている親御さんがいて、少しでも参考になればうれしく思います。

春休みが終わる。でも増える感染者数と不安。

私たちが住む地方の街では春休みの終わった昨日、2020年4月6日から公立の小中学校の新学期・新年度がスタートしました。が、我が家の次男(新中3)と長女(新小6)は『自主休校』という形をとりお休みを続けることにしました。

ただ一点のみ、親である私が不安だったから。

全国一斉休校が始まった1か月前の3月2日の時点から、明らかに状況は全国で悪化しているのになぜこの段階で学校再開なのか。全く理解出来なかったから。

我が家の住む自治体(県)での現況 *自治体ホームページより
PCR検査後陽性者数 11名 (4月4日現在)
PCR検査数     700 うち陰性689(4月4日現在)

今日4月6日夕方の時点で陽性者数13名になっているので、検査数ももう少し増えているはずです。
*その後本日4月7日朝の時点で、陽性者数は15名になりました。

県内で初めて陽性であると確認された方が出たのが2月末で、そこから約1か月でこの人数と検査数です。
首都圏や各地の様子に比べたらだいぶ平和?に見えますよね。数字だけ見れば。

数字だけでなく、実際周りの生活はごく普通に営まれています。土地柄、通勤はほぼマイカーなので車は途切れることなく走っていて、スーパーやドラッグストアはもちろん、レストラン、モールも普通に絶賛営業中。10日に1度くらい食料品だけ恐る恐る買い出しに行くと、いつも通り買い物しているであろう家族連れがうろうろ。モールには近寄っていませんが、どうやら春休みを普通に満喫している子どもたちで賑わっているようだと小耳にはさみましたし、部活動も再開されているとか。
加えて今日からは小中学校が再開し、ランドセルを背負って通学する子どもたちの姿も見かけました。本当~に全く今まで通りの日常です。

日常生活が滞りなく行われていることが怖い

こんな中ですから、自主休校を私の中で決心するにはほぼ1週間かかりました。だって、周りは至って平穏。マスクが手に入らないくらいで、他は今までと全く変わらない日常。
テレビやネットでは毎日毎日新たな感染者数といつ緊急事態宣言が出されるのか、日本は瀬戸際だ、という話題ばかりですが皆それを目にしているのかいないのか、ここではそうしたニュースはまるで「テレビの中で見る、遠い場所のお話」のような感覚に陥るほど平和。

なぜこんなに「いつも通り」なんでしょうか。
その「いつも通りの日常風景」をものすごく異様で、恐ろしいと感じている私がおかしいんでしょうか。

家族会議はツラかった

「頭がイカれてしまったのかもしれない泣」と思いつつ、それでもやっぱり子どもたちを送り出すことがどうしても出来ない!と思った始業式前夜。明日の登校をするのかしないのか、家族会議を開催しました。

事前に「母は君たちを登校させたくない、自主休校を考えている」旨を伝えておいたので、次男も長女も家族会議にはすんなり出席。
でも、やっぱり「登校したい」という反論が出されました。
特に長女。小6女子は友達との世界がなによりも大切な時期です。もともと学校が大好きで休校中もしばしば「早く学校に行きたい。みんなに会いたい。」とこぼしていたような子です。
その娘が涙ぐみながら、家族会議の中で彼女なりに学校に行きたい(休みたくない)理由を見出して整理し、葛藤していました。

そうか~…そうだよね~そうなるよねぇ…
もう、「いいじゃんもう。明日からみんなで登校して学校再開して、いつも通りになればこんなに悩まなくて済むし。だってみんな文句言いながらもそうするんだから、その方がラクだよ。」
ってグラグラ揺れまくりました。

でもでも。やっぱり。私の考えを伝えなきゃ。

Youtube世代にはYoutubeなんだね

比較的自主休校に賛成寄りだった次男と娘に、私が今まで目にしてストックしてきた諸外国のデータや記事、投稿や動画を見せて、なぜ自主休校が必要だと思うのかを説明しました。

普段Youtubeを楽しんでいる彼らが一番真摯に受け止めたのはやはり、海外在住の日本人の方々が日本を心配して投稿してくれた動画でした。

テレビを観なくなった彼ら世代にはYoutubeやTwitter、Instagramなどで入ってくる情報が一番なんですね〜。
それには自分のチョイスした情報だけしか入って来なくなる、という側面もあるわけですが。でも今みたいな有事には、政府が動画作って投稿しまくって、伝えたいことをつぶやきまくる事が大事。真剣に動画に見入る子ども達を見ながら、もっと上手く使い倒してもらいたいと思いました。

こうして次男は100%、長女も90%で母の自主休校案に同意してくれて家族会議は終了しました。

学校再開の朝

小学校、中学校にそれぞれ電話して「自主休校します」の連絡。それぞれ新しく担任になった先生方は快く我が家の申し出を受け容れて下さいました。
緊張しましたが、今のご時世、恐らくこうした申し出も想定内なんでしょうね。

みんなは今頃学校へ行く支度をしてるんだろうな…と思ったかどうかはさておき、2人はこれまでの休校期間と同じにちょっとゆったり朝起きて時間を過ごしていました。
長女は少し悲しそうな寂しそうな、顔をしていました。

夕方にはそれぞれの先生方から電話を戴き、明日(今日7日)教科書やお便りを受け取りに行くことに。そこで少し私の考えをお伝えするべきかな…。要らないのかもしれないけど、分かってますよ、なのかもしれないけど。

まとめ

確かに県内で陽性の方は15名、幸いにも亡くなった方はゼロ。私の行動は常軌を逸しているのかも…ってまだグラついてます。

でもここは新幹線でなら東京から1時間ほどのれっきとした「首都通勤圏」で、実際に移住して来られ新幹線通勤をされている方も多い。
それに、自粛要請を受けた首都圏の方々が疎開みたいに続々とこちらへ移動してきていることもニュースとして取り上げられています。

小中学校の再開について「三密(密閉、密集、密接)を避けて、マスク着用・消毒を徹底します」という主旨の連絡があり、きっと学校は精一杯やってくださるんです。
でも、1クラス30人。絶対に2mの間隔を空けて座れないし、給食はマスクを外して全員で食べるし、なにより子ども同士が休み時間も含めてずっと距離を保っていられるわけがないし、それを先生方がコントロール出来るわけもないと思います。
先生方の能力云々ではなく、もとより学校での正常な活動の姿ではないのだから出来なくて当たり前なんです。

無症状感染の方が、発症前の感染済みの方が行き交っているかもしれない(…いや間違いなくいるはずの)この街で、政府から避けて下さい、とあれほど繰り返し言われている「三密」がすぐ成立する学校へ送り出すことが、どうしても怖かった。

今思ってるのは、2つのこと。

一つは超・楽観的に『爆発的な感染が起こらず、この我が家の決断が後で笑い話になるといいな』ってこと。
もう一つはかなり現実的で、『状況が悪化していくのに、学校へ仕方なく子どもたちを送り出す朝が来てしまうかもしれない。』ということ。



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