手を抜くんじゃないよ
私たちは、仕事を続けていると、ルーティンの様に無意識に行うことがあります。
しかし、その仕事によって、それがきっかけとなって、人生が変わるお客様がいるかもしれない。
一期一会
その時の出会いが一生で一度の出会いになる。
「プロ」である以上、仕事に対して、真剣に誠意を持って、本気で取り組む心構えが大切である。
その出会いが最期になるのかもしれないのだから・・・。
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私の父が入院する病院には、末期ガン患者の人がたくさんいた。
父を見舞いに行ったとき、「頭がかゆい」という父にシャンプーをしてあげたのを機に、知り合いの入院患者さんたちから、カットやシャンプーを頼まれるようになった。
依頼したのは、手術のために頭を半分、丸ボウズにされた女性たちだった。
どんな状況でも「きれいにしていたい」というのは、女性の共通の願いなのだろう。
頭部に傷のある人のシャンプーとカットは難しかったが、私はそれから度たび、その仕事を引き受けるようになった。
あるとき、1人のおばあちゃんから、今日どうしてもやってくれとお願いされた。
そのおばあちゃんの頑な態度を不思議に思いながらも、私は無心でカットしシャンプーをしてあげた。
終わると、おばあちゃんは言った。
「私さぁ、本当ならもうとっくに寿命切れてんのよねー。
先生にいわれたわぁ、
『Oさんの娘さんに頭やってもらってたから、寿命伸びたんじゃないの?』
ってねー。
最後に、本当に心のこもったシャンプーしてもらったし、寿命まで伸ばして本当に感謝してるわぁー」
その翌日、おばあちゃんは亡くなった。
息子さんに、
「ありがとうございます。あなたのおかげで、母は少し欲張って生きることができました」
と言われたとき、私は病院に響き渡るほどの声で泣いた。
それから10年、あのあばあちゃんの笑顔と言葉は、
ずっと私の心に残り支えになっている。
「一生けんめい生きなさいよ。
人間、3分後に死んじゃうかもしれない。
心残りがないように、仕事も家庭も手を抜くんじゃないよ・・・」
出典元:(松本望太郎 涙のシャンプー)
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「一生懸命生きなさいよ」
人間はいつ何が起こるかわからない、儚いいのちを生きています。
だからこそ、「今を生きる」ことの大切さがあるのだと思います。
その年、その時の感情でしか感じることのできない「出来事」
その時の技術、その時の知識でしか行うことができない「仕事」
一生懸命に生きよう
今日という、奇跡のような一日を。
今日もnoteを読んでいただき、ありがとうございます。
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