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【感想/レビュー】クリミナルガールズ PSP/vita

ジャンル : 少女おしおきRPG ... 待て、帰るな

まず、戦闘システムが面白い。

とりあえずジャンルを見て帰る人を少しでも減らすためにRPGとしての面白さを書く。
ちなみに、プレイした人の評価は高くて、有象無象のちょいエロゲー(概念)とは一線を画す完成度になってます。

戦闘システムについて

ディレクターが初代世界樹の迷宮を作った新納一哉さんなだけあって、本当に良く出来てて、純粋に戦う楽しさを提供してくれる。

基本的にはよくあるターン制コマンドバトルなんだけど、1つ特徴的なのが、1ターンにつき選択出来るコマンドが1つ(パーティ自体は戦闘4人+控え3人)かつ、各メンバーから提案されたスキル(=提案者が使えるスキル)を1つ選んで実行という独特のシステム(+メンバー入れ替えとアイテム使用1回の3つが1ターンに出来る行動)。
これは本当に目新しくて、しかもクリミナルガールズという作品の戦闘パートとしてこの上なくマッチしてた。

提案する内容は基本的にランダムだから、思うように行動できなかったり悪い引きが続いて負けることもあるけど、無意味な行動は提案しない+本当に必要なスキルは基本的に提案するという2つの原則があるおかげで「クソ提案のせいで負けた」みたいな理不尽な気持ちになった事は一度も無かった。
例えば、回復スキルはHPが減ってる時にしか提案しない+HPが減っていれば確実に提案するとか、敵が大技をチャージした次のターンは防御系のコマンドを提案するとか。

あと、強い技はアイテムを使うことでそのターンだけ固定で提案させるとかも出来る。当然ながらそのアイテムは貴重なんだけど、逆に貴重であることで切札感が出てかなりアツかった。
ボス戦の最後で敵が大技を準備してる時に、防御の提案が並ぶ中で火力が高い技を提案させて押し切った時とか。

提案したものから1つ行動を選ぶっていうのはシンプルかつ幅が少ない戦闘システム(ツモゲー)かと思いきや意外と奥深さがあって、ゲームが進むにつれて上手くやるコツみたいなのに気づくのが楽しいんだけど、詳しく書くと野暮だから、ここでは想像以上に奥深いシステムだったとだけ。

戦闘全般についてになるけど、冒頭に書いた通りDがすごい人だからバランスもマジで良い。敵の強さ、レベルの上がり方、スキルの取り方どれを取っても良いバランスでターン制のRPGとして完成度が高く、良いゲーム体験が出来た。下手に高難易度にしたりせずに、とりあえずレベルを上げて勝つみたいなルートも取れるバランスになってるからコマンドが1つという簡単さも相まってターン制の戦闘が苦手な人でも楽しめるゲームになってると思う。本当に隙がない完成度。

ストーリーについて

物語の大きな流れは、亡くなって地獄に落ちる一歩手前の不良少女達を率いて敵を倒して試練を受けながら塔を登って生き返ろうぜって感じ。
地獄とか不良とか曇り要素があるかと思いきや暗い雰囲気とか鬱展開は特に無く、雰囲気はヤンキー×スポーツ物に近くてがっつり王道シナリオになってるから誰でも楽しめると思う。

キャラクターに関しては公式サイトを見て、絵も声もかわいいから。
http://nippon1.jp/consumer/criminalgirls_invitation/main.html

自分的には変わり者が集まってつるんでるみたいなのが好きでとても良かった(リトバスとかAB!とか放クラとかの類)。
最初はパーティメンバー同士で衝突が多いんだけど一緒に過ごすうちに仲良くなっていく様がかなり好き。個人個人の関係性としては特別感があるわけではないんだけど、戦闘時の掛け合いがあったり、それが物語の進行に合わせて仲良くなっていく感じとか良かった。
後半は特に悪友同士みたいな関係性で◎

特に凝ったシナリオという訳では無いから凝ったシナリオを読みたい勢には物足りないっていう見方もあるかも。設定/世界観も甘めだし。
終盤の過去の罪と向き合うパートもそんなに重くない内容(重さ0ではない)で極悪な罪も無かった(1人除いて)し直接的なエグい描写も無いから耐性無い人でも安心。

おしおきシステム

本作の超重要要素。
本作はスキルを覚えるのにおしおきというのをやる必要がある。(キャラによっていわゆるジョブは固定)
おしおきをするとポイントが貯まっていって一定数貯まるとスキル獲得といった感じ。で、実行にはOPっていうのが必要で戦闘で手に入る。お仕置きしてない最初のうちは通常攻撃すらせずにサボるという徹底っぷり。
おしおきの出来によってスキル覚えるポイントが増えるんだけど、そうじゃなくても腕次第でセリフとか変わってくるから上手くやってやりたいという気持ちが湧いてくる。で、何回かおしおきしてるとキャラと仲良くなる個別イベントが発生して追加でパッシブスキルとかが付く。

基本的には良い塩梅に調整する系のミニゲームなんだけど、難易度が高くて慣れるのにコツがいる。コツを掴んだらミニゲーム自体が楽しい上に、成果(スキルのポイント)があって結構ハマる。

あとは、おしおきの難しさがコミュニケーションの重みみたいなものを生み出してて良かった。ある程度真剣にやるからこそ臨場感が出る。
簡単だとただの作業になっちゃって時間かかるだけのめんどくさいシステムになっちゃうからね。コンテンツに昇華させる為に面白くしようっていうこだわりを随所に感じる出来だった。

っていうのがPSP版の感想だったんだけど、Vita版とSteam版もやったところ、おしおきに関してはこの2つの移植版はちょっと劣化してると感じた。
Vita版は難易度の方向性が変わっていて、おしおきの難しさというよりは操作が難しい感じになってた。感動はしないけど普通のゲームの出来って感じ
Steam版に至っては完全に作業と化していて正直ゲーム自体やる意味が無かった

最後に

戦闘、ストーリー、おしおき、どれを取っても高クオリティかつ、それぞれがお互いを引き立てている本当に完成度の高いゲーム。
新規タイトルかつ人を選ぶ見た目のゲームでちゃんと中身が評価されて売れたゲームだから本当にすごいと思う。(この辺りは同じ日本一ソフトのルフランも同じ感じだね)
女が嫌いとか悪い子におしおきするのに抵抗があるとかじゃなければやって損は無い。
1個難点があるとすれば、マップ移動のテンポが悪かったかな。
最近のゲームの快適なUI系に慣れてると若干やりにくさはあるかも。

あと、続編があるんだけどそっちはやってた頃の記憶が一切無くて、微妙だった気がする。Dとか絵が一新されてたし。。。
ただ、ちょっと昔のデータを触ってみたらいかがわしさとシステム周りの快適さ30倍だった。いかがわしさで言うとカグラとかωラビリンスに匹敵するぐらい。ちょっと伸ばす方向を間違った感が。

まとめると、

・シンプルで奥深く、素晴らしいバランスの戦闘
・ヤンキー×スポーツ風の王道シナリオ
・ストーリー、戦闘と絡み合い、ゲームに臨場感を与えるおしおきシステム
・最高のゲーム体験の為にこだわり抜かれた完成度

正味文句無しの神ゲー。

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