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【楽曲解説】"SECRET TRACKS OF YOUTH"について

アルバム情報


ジャケット

プールと銃口 配信限定 秘蔵音源集
「SECRET TRACKS OF YOUTH」
(読み:シークレット・トラックス・オブ・ユース)

プールと銃口の秘蔵音源がアルバムになった! 
自主企画の来場者特典や、デモ音源、期間限定で配布していたレアトラックなど、全17トラックを収録。 
現役でライブ定番曲となっている「さよならアクアリウム」のシングルバージョンはサブスクリプション初配信。
 ヘクトーよるをまもる「きょーふのだいまおう」、四丁目のアンナ「街」など、サブスク未配信曲のカバーに加え、プールと銃口が実際にライブで使用している入場SEなどレアトラックが満載!

収録曲

01. さよならアクアリウム (Single ver.)
02. プールサイドにて (Re-Recording ver.)
03. きょーふのだいまおう (ヘクトーよるをまもる cover)
04. 街 (四丁目のアンナ cover)
05. natsumachi (しもボーカル ver.)
06. 街について (しもボーカル ver.)
07. 街について (しもボーカル噛み edit)
08. カルアミルク・ファンクラブ (feat. DJあたい)
09. カルアミルク・ファンクラブ (feat. リオBEAR岡)
10. カルアミルク・ファンクラブ (NGテイク「ここでDJあたいあたい」)
11. 農民 (Acoustic ver.)
12. natsumachi (Acoustic ver.)
13. everblue (Acoustic demo)
14. アメジスト (demo)
15. バースデイ (demo)
16. SEIJINGAZER (demo)
17. 人海を泳ぐ (プールと銃口入場SE)

楽曲解説

01. さよならアクアリウム (Single ver.)

リリース年:2015年
2nd demo "city(e)scape" 収録曲のシングルバージョン。
アルバムバージョンは、M1 "改札口へ"からトラックが繋がっているため、少し前のトラックの余韻が残っています。
こちらは僕の前に所属していたAPRIL MONETというバンドとのスプリットシングルに入っていたバージョン。当時からライブ定番曲だったこともあり、その当時最新曲だったnatsumachiと合わせて収録し、フリーCDとしてビバラロックなどで配布していました。


当時配布していたスプリットCDのジャケット

2022年の今でも銃口のライブの鉄板曲!
銃口の切り札と名高いさよアクですが、いかんせん録音したのが昔すぎて配信に出すのを躊躇っていました…今回、いい機会ということでついにサブスク解禁!

大学に進学したタイミングで、「高校生の頃の自分は随分狭い世界でイキがっていたんだなあ…」と実感し書いた歌詞。Base Ball Bear、the cabsなどからの影響がモロに出ています。
2nd demo ”city(e)scape”は、うだつの上がらない大学生活のなかで感じたもの、出会ったきらめき、諦め、憧憬の気持ちを、1日の時間の流れに即して組んで行ったコンセプトアルバムです。(なので通学で使っていた電車がジャケットのモチーフになっている)

曲としての影響は、People In The Box「アメリカ」や、Base Ball Bear「YME IS VISION」などが大きいです。
またサビは7回ほど書き直すくらいの難産だったのですが、QOOLAND「ドグラマグラ」を参考に、爆発力のあるサビにしよう!とできたのがこの最終系。遊び心のあるテクニカルが大好きなバンドです。ちなみにこのMVには客として大学時代のジンくんもしれっと映っています。

ちなみに、この音源はジンくんがベースを弾いています(コーラスは当時のドラムたなじゅんと、当時はサポートメンバーだったしもちゃんです)

02. プールサイドにて (Re-Recording ver.)

リリース年:2017年
自主企画の来場者特典として配布した、1st demo "プールと銃口 EP"からの再録。高校生の頃に、「街について」の次に、人生で2曲目に書いた(完成させた)曲です。

高校時代にリリースした1st demoのジャケット

かなりの初期曲、かつ地味な曲にしてはライブ人気がぼちぼちあったことと、サポートドラムのりおがどうしてもBメロが苦手でなかなか叩けず、それを面白がってなんだかんだセットリストに組み込んでいました。ちなみに俺もBメロのカッティングが苦手で、当時のライブのBメロはなかなかに壊滅的な演奏だったと思います。

「3拍子で4つ打ちしたら面白いんじゃないか?」という発想から着手した曲なのですが、実は曲のプロットはねごと「Lightdentity」をそのままなぞるような形になっています。特にBメロの3/3/3/2拍子、サビへの入り方などはそのままこの曲。是非聴いてみてください。

新録にあたって、アウトロにポエトリーリーディングを追加したのですが、ミックスの関係上ほぼ聞き取れないので、以下に改めてその部分の歌詞を載せておきます。

記憶の中、顔のない少女が笑っている。
君は誰でもない。僕が誰でもなかったように。

その水槽は外から見れば案外陳腐なものさ。
だけど外に広がっている世界のどこにも君はいない。
どこにも意味はない。
今となっては、何も思い出せない。

或る少年の心象風景。
そこはプールサイドで、銃声だけが響いていた。

03. きょーふのだいまおう (ヘクトーよるをまもる cover)

リリース年:2019年
友達のバンド「ヘクトーよるをまもる」の企画に呼んでいただいた際に、来場者特典として音源化+ライブでも演奏した、「きょーふのだいまおう」のカバー音源です。

ヘクトーくんと信号くんのドット絵はジンくんが手打ちしました。

ヘクトーのオリジナルバージョンはもっと禍々しいなかに明るさがある、オルタナティブな塩梅なのですが、銃口バージョンはコード進行や展開もガッツリ変えてパーティチューンになっています。
特に2番Aメロのラップ、ギターソロからのサビ入りなどは完全に銃口のさじ加減で作ったくだりです。アウトロの追いかけきょーふのだいまおうも個人的にお気に入りのポイント。でも肝心のサビは原曲そのままで、サビの絶対的な強さを感じます。

ライブ定番曲の人気曲にも関わらずこちらの曲だけサブスクになく、原曲がネット上ではトレーラー動画で一部しか聞けないので、そちらの動画を掲載しておきます。

04. 街 (四丁目のアンナ cover)

リリース年:2022年
友達のバンド、「四丁目のアンナ」がWWWワンマンを開催するにあたって出した応援コメント動画で作成した「街」という曲のカバー。
音源化は2022年時点ではされておらず、ライブ映像しか公開されていないのですが、アンナの中でも屈指の名バラードで、個人的に大好きな曲。

最初にライブで見た時に、ボーカルの凜佳さまに「街」が好きな旨を伝えたところ、その後もずっとそのことを覚えていてくれていて、それがとてもうれしかったこともありカバー曲に「街」を選びました。

原曲はこのように切なくも明るいバラード。こういった本気の歌では銃口は戦えないので、銃口らしい底抜けに明るくキメの多いアレンジになりました。
急いでアレンジしたこともあり、ボーカルのキーがかなり低くなってしまっており(原キーのオクターブ下で歌っています)、あまり質の高い音源ではないのですが、とってもお気に入りのアレンジのためこのような形で配信してしまうことにしました。

原曲キーだし、いつか凜佳さま本人に歌ってもらいたいなあ、と密かに思っています。

歌詞はアンナのWWWワンマン(11月開催)に宛てたり、アレンジの都合で適宜変更しています。
一番好きな「赤い季節の到来は私だけが知ってると思ってた」のラインがそのまま歌えて満足です。

05. natsumachi (しもボーカル ver.)

リリース年:2018年
来場者特典として作成した、natsumachiのしもちゃんボーカルバージョン。
しもちゃんは銃口の活動の中でも現時点で一番長く銃口の看板を背負ってくれていた、本当にファニーでキュートなベースボーカルです。

DLカードのデザイン。配布時期が年始だったため年賀仕様。

キーが確か-6とかで、女性用のキーになっています。ベースは無理やりピッチ補正で下げていて、とてつもなく禍々しい低音になっています。
ギターもカポの位置などでは原曲の再現ができないので、変則のオープンチューニングで演奏しているのですが、詳細は全く覚えていません…
オープンチューニングならではのemoっぽいギターになっていて、個人的にお気に入りです。

06. 街について (しもボーカル ver.)

リリース年:2017年
来場者特典として作成した、街についてのしもちゃんボーカルバージョン。
こちらも前述のnatsumachiと同じような作り方をしています。

DLカードのデザイン

こちらのバージョンは、ライブで一度だけ演奏したことがあり(!)、吉祥寺Planet Kの年末イベントでお酒を飲んでベロベロで立ったステージで、ろくに弾けていなかった気がする(もちろんよく覚えていない)んですが、年末イベント特有の爆盛り上がりをした覚えがあります(それは何となく覚えています)。

07. 街について (しもボーカル噛み edit)

リリース年:2017年
来場者特典として作成した、街についてのしもちゃんボーカルバージョンの、ポエトリーリーディング部分にNGテイクを使ったバージョン。

特別滑舌の悪い人でもないのですが、しもちゃんが本当にポエトリーリーディング(曲中に喋っているあれです)ができなくて、レコーディングの時に噛みまくったのを面白がって作成したNGテイクバージョンです。

「あの日の記憶は」が全く言えず、何事もなかったかのようにはにかんで誤魔化し録音を続けたのが面白くて、当時はそれでずっと笑っていました。

08. カルアミルク・ファンクラブ (feat. DJあたい)

リリース年:2018年
自主企画の来場者特典として配布した、4th demo "youthful dead"収録の「カルアミルク・ファンクラブ」の"MC俺"のラップ部分を、しもちゃんにやってもらったバージョンです。

フランツフェルディナンドのアルバムを模したDLカード

ライブでもしもちゃんにラップをしてもらったことがあり、絶妙にへなちょこなラップに中毒者が続出。音源化の運びになりましたが、別に大々的に配信をかけるほどの音源でもなかったため、来場者特典としてしか世に出ていませんでした。

その流れもあり4人編成になってからもギターボーカル高田蒔!(ステージネーム:DJあたい)とMC俺の掛け合い、
2022年現在もサポートベース高のしま(ステージネーム:高のしまGAL)との掛け合いスタイルを取っています。

ちなみにステージネームである「DJあたい」は、しもちゃんが小学生?のころの一人称が「あたい」だった痛めのエピソードから来ています。
高田蒔!のステージネームも同一なのは、まってぃは未だにノリで一人称に「あたい」を使う人だからです。

09. カルアミルク・ファンクラブ (feat. リオBEAR岡)

リリース年:2018年
自主企画の来場者特典として配布した、4th demo "youthful dead"収録の「カルアミルク・ファンクラブ」の"MC俺"のラップ部分を、サポートドラムりおにやってもらったバージョンです。

りおも壊滅的にラップができないひとで、「頑張ってそれっぽくやる」と「開き直ってちょける」を行ったり来たりして最終的に噛みまくってヘラヘラする、というなんとも微笑ましい音源になっております。

りおは本当にかっこいいドラマーで、こんな音源を世に残しておいていいのかと心配もあったのですが、本人にラインでしっかり配信の承諾をもらったので、ここに配信します。

ちなみに、りおが今やっている「SHIFT_CONTROL」は本当にかっこいいバンドで、りおは本当にいいドラマーなので是非そちらも併せてご覧ください。僕の一番好きな曲(アイウォンチューとめっちゃ迷った)のMVを貼っておきます。

10. カルアミルク・ファンクラブ (NGテイク「ここでDJあたいあたい」)

リリース年:2018年
自主企画の来場者特典として配布した、4th demo "youthful dead"収録の「カルアミルク・ファンクラブ」の"MC俺"のラップ部分を、しもちゃんにやってもらったバージョンの、NGテイク部分だけを切り取った音源です。

なぜかわからないのですが、しもちゃんは「ここで登場DJあたい」というべきところをどうしても「ここでDJあたいあたい」と言ってしまう癖があり、ライブでもその失敗をしていた覚えがあります。

録音の時もドツボにハマって、しばらくわけがわからなくなっていました。
銃口一同このくだりがお気に入りすぎて、かなり長いことイジっていた気がします。

11. 農民 (Acoustic ver.)

リリース年:2017年
3rd demo “himitsu_no_kisetsu”収録の「農民」のアコースティックバージョン。

しもちゃんと2人でアコースティックセットでライブするようになって、最初に仕上げた曲の一つ。鍵盤ハーモニカがいい空気感を作っていて、「農民」っぽい(?)郷愁漂うアレンジになったと思います。
元々アコースティックギターで作った曲というのもあるのか、個人的にはこのアレンジが農民という曲の完成形だと思っています。

“himitsu_no_kisetsu”は名前の通り季節をコンセプトにしたEPで、春夏秋冬の4曲のあとに季節を俯瞰した(季節を網羅した)農民で締める、という構成になっています。
銃口はなりにコンセプティブなところがあるので、こういう地味な曲ほど真剣に作っている節があり、個人的にもかなりお気に入りな曲。
だけどバンドセットでやるにしては地味かつ長すぎるので、アコースティックセットの時の鉄板曲になっていました。(エンプティーズも全く同じ理屈でアコ曲になった)

おばあちゃんが亡くなった時、色々と思うことがあって書いた歌詞。
どんな辛い終わり方をしたとしても、全部忘れてしまったとしても、今まであった幸せは無くならないし、
死んだほうがマシだと思うような瞬間も沢山あったけど、頑張って生きてた分なりの幸せがあることも知っているから、
俺は生まれ変わるなら、また人間として人生を歩みたいなあと、少なくとも今の自分は思っていて、
それがこうして形に残っているだけでも意味はあるのかなあ、なんて思います。

ちなみに、僕のお母さんの誕生日は1/15の冬の日です。

12. natsumachi (Acoustic ver.)

リリース年:2017年
3rd demo “himitsu_no_kisetsu”収録の「natsumachi」のアコースティックバージョン。

せっかく2人でアコースティックセットをやるなら、どうせならガラッとアレンジ変えたいよね〜と、全然わからないなりになんとなくのボサノバ調にアレンジ。
弾くのが難しすぎて、早々にセットリストから脱落した曲です。

俺は元々ドラムをやっていてドラムが一番好きな楽器なのですが、
それと同じようなベクトルでパーカッションもとても好きで、特にシェイカー(ちっちゃいマラカスみたいなやつ)が大好きなんですね。
お家でも気軽にできる、値段も300円くらいで安い、構造も単純だけどだからこそ出音のコントロールし甲斐があり、中の粒の動きを徹底的に意識して管理することでアタックや音の余韻を揃えるという、本気で向き合えばどこまででも楽しめる楽器です。どんな曲に合わせてでもできるし!
メトロノームに合わせてきっちりリズムを刻むことの、どれだけ難しく、楽しいことか…

ぜひ皆さんもシェイカー、始めてみてくださいね。

13. everblue (Acoustic demo)

制作年:2020年
元々はバンド用に書いていた「everblue」(未発表)という曲のアコースティックバージョンのデモ音源。
ソロ同期弾き語りライブの際に何回か披露しました。

エモ+ネオアコをやろうとしたバンドバージョンとは毛色を変えて、自分の思うコテコテのネオアコっぽさをてんこ盛りにしたアレンジになってます。

また、制作環境をCubaseからLogicに移行しようと試行錯誤していた際に、Logicの練習のために作成したプロジェクトでもあります。(ので、打ち込みなどかなり拙いです)

曲としての扱いはほぼボツ曲なのですが、歌詞はかなり好きなラインがたくさんあるので、いずれ何かに活かしたいなあ〜

14. アメジスト (demo)

制作年:2020年
2020年に出演した「アメジスト」というイベント用に書き下ろした短い曲です。
同期音源用に作ったデモ音源なので、歌とギターは記録程度になっております。

イベントのフライヤー

主催の1人、なかきょんにはライブ写真、アーティスト写真などいつもお世話になっています。
2023年1月14日に予定している新体制初の自主企画フライヤーも撮ってもらいました!

自主企画のフライヤー

15. バースデイ (demo)

制作年:2023年
友達の結婚を受けて書いた曲。こちらについては別記事で制作経緯などをまとめています。

16. SEIJINGAZER (demo)

制作年:2015年
成人式のタイミングで個人的に書いた曲。個人のSoundCloudに投稿していました。

成人式に行かなかった側の人間として、成人式に対しての偏見を歌詞にしたネタ曲です。

吉祥寺Planet Kのブッキングで成人の日にかこつけたイベントがありまして、その日は銃口を中心に作ってもらったイベントだったかつ、プラケー統括のロンドンさんがこの曲を面白がってくれていたこともあり、実は一回だけライブで演奏したことがあります。
この曲を合わせたことに関しては何の記憶もありませんが、20歳の頃の成人の日とは打って変わって楽しい1日だったのは覚えています。

銃口としてのデモというわけでもないのですが、今回せっかくなので収録することにしました。

17. 人海を泳ぐ (プールと銃口入場SE)

制作年:2015年
プールと銃口のライブで使用している、自作の入場SEです。
読みは「ひとうみをおよぐ」、Base Ball Bearの「東京ピラミッド」という曲から引用しています。
最初のライブハウスでのライブから、ほぼ必ず入場の際に使用しています。

街の喧騒がフェードインして、途中からギターのアルペジオが始まるのですが、こちらは今は友達に譲ってしまったFenderのテレキャスター(cream soda songのMV、レコーディングで使ったギターです)で録音しています。

最初はPeople In The Boxのような雰囲気・コンセプトのあるバンドを目指していたので、そういう雰囲気のあるトラックではありますが、現在のポップで明るいライブをするようになってからも変わらず使用しています。

銃口はなるべく一旦ハケてからこのトラックを流し、順番に入場することにしているのですが、それによってライブ前に心を落ち着けてしっかりライブモードに切り替えてライブができていると思います。
ちなみに、ギターイン「ファーフォ」の前後で、ステージ裏で必ず「プールと銃口銃口!!」と円陣を組んでいるので、もしかしたら場所によってはその声も聞こえてくるかもしれません。ライブの際は、耳を澄まして聴いてみてください。


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