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まなざし

東京の雑居ビルの階段から、かすかにに見える富士山。

建物が今ほど多くなかった頃は、その姿はもっとはっきりと見えたかもしれない。
今も昔も存在する場所は変わらないのに同じ位置から見ている風景は確実に違う。

見ている位置や状況が変わるだけで同じものを見ているのに体験に違いがでてくる。
高いところに上ったり、低いところを覗き込んでみたり、
物理的な位置を変えてみるだけでも発見がある。
また、物理的だけではなく、
自分の心情などの内面の状態によっても見え方が変わってくる。

この富士山を見たときに思い出したのがハナムラチカヒロさんの
“霧はれて光きたる春”という病院の吹き抜け空間を使ったインスタレーション作品です。
昔からとても好きな作品です。

こういった作品は生活の中に必ずしも必要ではないかもしれない。
けれどもこの作品と触れることで生まれる感情や変化はあるはずです。

日常の中で感じたまなざしの変化を大切にすることで、
その思いや感情を別の形で表現し共有できることは素敵だなと思います。

偶々出会った都会の富士山から懐かしい気持ちとこれからも大切にしていきたいことを思い出すことができました。

富士山ありがとう。


ハナムラチカヒロさんは“まなざしのデザイン”や“風景異化”とい考え方を提唱し様々な活動を行っているので興味がある方は是非調べてみてください。


「企画でメシを食っていく」4期生の合同コラム企画「コラム街」 
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