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器用貧乏な私ができるまで~ギター 1度目の挫折

「ギターが弾きたい」
そう思った私の手元には、幸いなことに すでにギターがあった。
おそらく、私が高校生のころのおはなし。

ただ、大きく違っていたのは、
「アコースティックギターが弾きたかった」私の手元に居たのは、「エレキギター(ミニアンプ含む)一式」。ちょうど写真のようなギターが居たのだ。
「ギター」であることに変わりはない・・・と、とりあえず手近にあったエレキギターで、練習を始めた私に、第1関門は恐ろしい速さで襲ってきた。

ギターの構え方がわからない。どっちが右?!どっちが、上??

「好きなギタリスト」が居たわけでもなく、身近にギターが弾ける人がいたわけでもなく(身近な人が挫折したためギターを譲り受けた)、大量に見ていた音楽番組では専らボーカリストを見ていた私。
ギタリストの記憶は、曖昧以外何物でもない。

必死に考えた結果、独自の理論にたどり着いた私。
①六本の弦を箱ごとに抑える指先
②ジャーンっと上から下に振り下ろす指先(それ以外の弾き方を知らなかった)
「利き手(=右手)が、より複雑な動きを求められるに違いない」
勘の鋭いひとは、お気づきだろうか。

あろうことか、私はギターを左右逆に構えて練習を開始したのた。

そんなことにはまったく気づかず、最初の関門を越えた(つもりの)私は、当時毎月購入していた月刊誌の巻末近くに乗っているコード一覧(運指表)を見て【Cコード】に挑んだ。

何とも言えない不協和音が鳴り響いたことは言うまでもない。

いったい何が悪いのか?しっかりと押さえられていない?
あ、1弦と6弦が逆なのか?(ちなみに、今でもどちらが第1弦かよくわかっていない)
残念な人には、残念な人なりの頑張り方がある。
弦を抑える指先に力を込めてみたり、手首の角度を変えてみたり、気分を変えるために違うコードに挑んでみたり、試行錯誤は続いた。

何かがおかしい。どこを弾いても不協和音だ。
そもそも、【Cコード】って何なんだ?

このnote内、何度でも言おう。
私は「クラシックピアノ」を弾いてきたのだ。

私が師事した先では「コード」というものはその存在すら解説されず、
「楽譜の上に書いてあるアルファベットが変わるところは、ペダルを踏みなおすポイントだよ」と目印のように出会ったのが、実は「コード」であることに気づくのは、数十年の時を経てからであった。

いい加減 不協和音の連続に飽きた私は、月刊誌の巻末のコード一覧(運指表)に、「ギター」版と、「鍵盤」版があったことを思い出し、パラパラとページをめくった。
鍵盤版を見れば、【Cコード】の構成音がわかるのでは・・・と閃いたのだ。
【Cコード】=ど・み・そ
〝どみそ〟の和音の音なら覚えている。明らかに違う。

そういえば、ギターと一緒に教則本が進呈された覚えがある。
パラパラっと読み飛ばした(実質読んでいない。風を浴びただけ)その本の最初に、ギターの構え方が載っているのをみつけて、愕然とした。

左右が逆だ。

左右逆に構えて数時間。右手指先の痛みとともに不協和音の世界をさまよった私は、ギターをそっとケースに収めたのだった。

その後数年間、ギターは(2度目の挑戦意欲が湧くまで)、そっと部屋の片隅に保管されることになる。これが、ギター1度目の挫折のおはなし。

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