ep27.アイドルアナ
ホリエモンが「寿司屋で何年も修行するのはバカだ」と発言したことがある。確かに寿司を握る技術だけで言えばそうかもしれない。言わんとすることは分かる。
ただし、寿司屋の修行というのは基礎、経営、接客などを学んだり、忍耐力を養ったりする期間として必要だと感じる。握り方だけを学んで一人前に成れる、という簡単な世界でもなかろう。人間的に成長してから上に立つべき、という社会性も感じる。
麻奈は1年目から有名番組を掛け持ちして、一気にトップアナウンサーとなった。有名番組の司会進行役として番組を切り盛りし、雑誌の取材を受け、著書や写真集まで出版した。
あれだけの実績があれば、性悪女代表の麻奈でなくても調子に乗ってしまうだろう。先輩アナの小言などは「嫉妬しちゃってさ」などと、聞く耳持てなかったのもむべなるかな。
先輩アナに説教されても実績を盾に反論する上に、加えて今世紀最大の性悪。誰も麻奈に意見できないというより、気に掛けてくれる人はいなくなる。当然のようにアナウンサー室では浮いた存在となっていた。
クラスで浮いていた学生時代の思い出がよぎる。麻奈はこういうとき「嫉妬されている」と考えてしまうのだが、実際は嫌われていただけである。そして自業自得なくせに「いじめられている」と思い込んだ。
麻奈がこういう思い込みをしてしまったのは、下積み時代がなく苦労してこなかったからだと考えている。多少でも苦労していれば先輩アナの説教を真摯に受け止め、自分を見つめ直す機会があったかもしれない。いかに「修行期間が大切」かが分かる。
そして就職してから6年後、テレビ局を退職する。居心地が悪くなったのもあるが、それよりもフリーアナウンサーとして自分よりも稼ぐ妹に触発されたことが大きい。麻奈の行動原理はいつだって「金」が一番だ。
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ポンズケースケの考察日記
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