ep14.イビサ島

白雪姫プロジェクトの打ち上げで、麻奈とNO2のキャバクラ嬢は、スペインのイビサ島に旅行に行こうと話がまとまった。どちらも旅行には行ったが結局、日程が合わずに2人は現地で合流してはいない。

イビサ島と言えばスピリチュアルの聖地。近くには遊覧船で行けるエス・ベドラ島という、磁場の強い有名なパワースポットがある。そして大麻の聖地でもあった。エリカ様が連日、大麻パーティーでラリっていたという、パリピやセレブ御用達の島だ。

ヴァージン教が人を集めた要因として、大麻が大きな役割を担った。信者への販売はもとより、ヒーリングのツールとしても利用していた。教祖らがしばしば大麻パーティーを開催していたことは有名な話だ。イビサ島はまさに彼女たちにおあつらえ向きの場所だった。

NO2と日程の合わなかった麻奈は、イビサ島に小雪とマコトを連れて旅立った。このときはまだ多少の恋心はあれど、マコトと結婚するなんて考えてもいない。

イビサ島での麻奈はかなりテンションが高かった。「身体が勝手に動く」と至るところでヨガのポーズをしたり、普段は飲まない酒も飲んでいた。

どうも様子がおかしい。麻奈の写真はテンションが高いだけでは済まされない、何か独特の異様さがあった。ビーチの写真は肩紐がずり落ち、歯に口紅を付けて半笑い。「これから夕食のパーティーです」と、朝帰りの写真をわざわざ夕焼けとミスリード。明らかに何かを誤魔化そうとしている。

何度も言うように麻奈は虚言癖があり、しばしばつかなくていい嘘もついてしまう。麻奈がわざわざ発表するということは、必ず裏には何かある。

決定打となったのは、大麻パーティーで有名なクラブのマッチをブログに上げたこと。我にかえって慌てて削除したようだが、この写真もきっちり文章と共に残っている。

麻奈はイビサ島で大麻を嗜んだ。ラリっていなけりゃクラブのマッチをブログに上げない。