ワイナモイネンの知恵

毎週金曜日に、翌日からの１週間分の朝食に食べるパンを買う。安物だ。敷島製パンのスナックパン。８本入りで、１２０円くらいのものだ。これを毎朝４本ずつ、２日に分けて食べる。消費期限の日付が一週間後くらいになっているので、いつもこれを買っている。

さて、先週の金曜日２月１５日に、８本入りのスナックパンを３袋買った。消費期限の日付は、２月１７日、２月１９日、２月２１日。

こんなつもりで買った。

２月１７日のものは、２月１６日と２月１７日に食べる。

２月１９日のものは、２月１８日と２月１９日に食べる。

２月２１日のものは、２月２０日と２月２１日に食べる。

ところが、２月１７日の朝、食卓には、大きなケーキが載っていた。母が誕生日にもらったケーキだ。食べきれないから食べてくれ、という。しかたなく、そのケーキを食べた。

さて、これで、予定が１日狂った。しかたなく、予定を変更した。

２月１７日のものは、２月１７日と２月１８日に食べる。

２月１９日のものは、２月１９日と２月２０日に食べる。

２月２１日のものは、２月２１日と２月２２日に食べる。

消費期限が１日ずれたところで、どうということはない。

さて、今日、２月１７日の朝食に、スナックパンの封を切って、３本食べた。起床の遅い休日に食べる数を１本減らして、翌日の営業日に１本増やすということは日常的にやっている。

食べた後、残りの５本が入った袋にふたたび封をして、棚に戻したところで気がついた。

今開封したのは、２月１９日のものだった。

念のため袋に印刷されている注意書きを読んだ。

「開封したものはできるだけ早くお召し上がりください」と書かれている。

さて困った。

食べる順序をどうするかはともかく、やはり、一週間に１回だけ買い物に出かけて、一週間分をまとめ買いしようという横着に起因している、と考えを改めた。

少なくとも、一週間に２回は、買い物しなければいけないのだろう。

ワイナモイネンは、刃物の取り扱いを誤って自ら傷を負ったことで、新しい知恵を手に入れた。

僕も、パンの食べ方を誤ったことで、自分の生活を改めるに思い至った。

自分とワイナモイネンとでは比較にはならないが、これがカレワラの意義であり、カレワラを詠む者の姿勢なのだろう、と勝手に思う。