29)預け先は3つ!:忘れてしまう子育ての記憶

子育ての困りごとは時とともに過ぎ去ってしまう。
あたふたしながら困りごとをやっつけたら、振り返る暇もなく次の問題がやってくる。何とか無事に切り抜けたら忘れてしまう。個人単位では数年間そうして乗り切って忘れて、子育て界隈の困りごとはまた次の人が同じように味わうことになる。もったいない。

私自身は情報収集が趣味みたいなもので、しかもそれなりに社会経験を積んだ後の出産だったので、ありったけの情報をかき集めたことでかなり楽にやってきた。ひとりしか育てていないので比較のしようもないけれど、さほど病気をすることもない育てやすいタイプだった。そういう意味ではたいした経験ではないかもしれないが、10年あまり経ってちょっと振り返る気になったので、せめて覚えていることだけでも書き留めておこうと思う。

遅めの出産でよかったのは、近い世代の子育ての先輩が身の回りにたくさんいることだ。その一人が「職場復帰の前に、いざというときに子どもを預ける先を3つは確保しておくこと!」と強く勧めてくれた。

まず一つは、経済的な負担の少ないしくみ。もう一つはお金がかかっても臨機応変の対応ができるところ。あとは病気のときとか、多少の無理を聞いてもらえる親戚や友人とか。

結果的に3歳くらいまでにどれも必要になり、助言のとおりに準備しておいたことはすべて役に立った。

公的なしくみは比較的安い料金で利用できるが、なにかと制約がある。事前登録が必要だったり、利用の要件が細かく決められていたり。公平性が重視されるからやむを得ないけれど、問題はその細かい決まり事のために利用者が「自分は使えるかどうか」を判断できるところまでなかなかたどり着かないこと。

民間のベビーシッター会社さんはかなり柔軟な対応ができるところがある。お金はかかるけれど「その用件ではお預かりできません」などということはない。しかし、地方では業者さん自体がとにかく少ない。信頼度を測る尺度がなく、子育て初心者にはその判断が難しい。

病児保育は実は一番たくさん使った。いかに元気な子と言えども、突発的な発熱もあれば保育園で流行りの病気をもらってくることもある。預けられる月齢になるとすぐに登録に行き、その都度小児科で書いてもらわないといけない書類の書式はデータにしてUSBで常備していた。受診前に印刷すれば書類をもらいに行く1往復が省ける。電話をかけるときの最大の心配は「今日空きがあるのか」だった。枠そのものがそれほど多くないので、たまたま希望者が重なったら埋まってしまっているかもとハラハラしていた。

最後の手段はウチの場合は従姉。伯母も近くにいるし、大きいお兄ちゃんたちも多少相手をしてくれる。これはたまたま頼める関係性の人が比較的近くに住んでいた幸運というしかない。

突発的な、家族だけでは対応できない事態は必ず起こる。そのときの選択肢は複数あった方がいい。

2019/08/07



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