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尾道 naïf (ナイーフ)ふたたび 〜魔法にかけられた夜〜

尾道の路地に佇む隠れ家のようなレストラン。
伺う度に、料理の奥深さ、素晴らしさ、本質を、シェフから教えて頂くような気持ちになる。

今回も、驚きと新たな発見に満ちた一夜だった。

見目麗しきアミューズブーシュと泡を頂きながら、期待感が徐々に高まっていく。

オマール海老とホワイトアスパラガスの料理。
オマール海老もフランス産ホワイトアスパラガスも高級食材だが、シェフはこれみよがしに提供しない。
素材の持ち味に寄り添い、さりげなく本質を提供。
シンプルなヴィネグレットソースで頂く抑制の美。
甲殻類のジュレによる「味変」の遊び心。
飾らないシンプルさと、経験したことのない料理の奥深さを。

瀬戸内の魚のスープ。
魚介類の身だけでなく、アラなど骨付きの部位も裏漉しし、徹底して旨みを抽出したスープ。
南欧風に香草やスパイスを効かせている。
火を通し、形を変えることで、海の幸の豊穣さを表現。
日本料理とは別の形での素材の活かし方だ。
西洋料理の伝統により、瀬戸内の恵みの素晴らしさを表現した名作。

太刀魚を焦がしバターソースで頂く一皿。
火入れが絶妙で、肉厚な太刀魚の旨みを思う存分楽しんだ。
以前もシェフのサゴシ料理で感じた嬉しい誤算。
「魚は和食が一番旨い」「太刀魚は塩焼きに限るよね」といった固定観念が、ガラガラと崩れ去ったのである。
そして、焦がしバターソースがすごかった!
焦がしバターソースが太刀魚の持ち味を邪魔しないどころか、塩焼きで食べるのとは違った魅力を引き出しているのである。添えられた野菜も、ハーブも・・・
皿の上のみんなで太刀魚を引き立てていた。最優秀助演俳優賞ものである。

神石牛のランプステーキも傑作。
絶妙な火入れ。主張を抑制したソース。そして、牛肉に負けない付け合わせの魅力。

今回もシェフの魔法に酔わされてしまった。
尾道の隠れ家は、魔法使いの館でもあるのだ。

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