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ドールのいる暮らし

ドール、というものをご存知だろうか。
バービー人形とか、ブライスドールとか、リカちゃん、シルバニア…こういった名前のドールやお人形を聞いたことのある人は多いかと思う。

私の家にもひとり、ドールが暮らしている。
この記事のトップ画像になっている、スーパードルフィーという球体関節人形の男の子だ。オルカと名付けて、9月にお迎えして以降一緒に日々を過ごしている。
だが私は元々人形趣味があったわけではない。むしろそういったものとは縁遠い幼少時代を送ってきたし、過去の自分が今の自分を見たら、人形一体に10万円も出して愛でているなんてと、ひっくり返ること間違いなしである。
彼をお迎えした経緯や詳細などはまた別の機会に語るとして、彼と過ごしてからの2ヶ月で自分に起こった変化をこの記事では語っていこうと思う。

ドールと暮らす

オルカはスーパードルフィーのオーダーメイドサービス『フルチョイス』によって生まれた、この世で唯一のドールであり、私が自分から迎える事を決めた、初めてのドールである。
店舗に受け取りに行った日のことは今でも忘れられない。恭しい仕草でスタッフさんが彼の入った箱の蓋を開け、スタッフさんに促されるまま真っ白のクッションを自らの手でめくった時の感動!
メイク師さんの手で彩られ、それはもう美しい顔で私の元にやってきた男の子に私はもう夢中になった。まあオーダーから2ヶ月半、焦らしに焦らされてからの対面だったのだから当然なのだが。

そして彼は今、押し入れの中に設置された、最初に入っていた箱のクッションを改造したお布団の上に横たわって、私と共に生活を共にしている。彼の生活圏が押し入れの中なのは、彼の体が日光にあまり強くない素材だからである。
そしてこの時から、私の生活は少しずつ変わり始めた。

①押し入れを開けるたび幸せになれる

推しが自分の家にいる。
ドールを迎えた時の私の心境を言語化するならこんな感じである。
考えてみてほしい。朝、そして夜、着替えやカバンを取り出すために押し入れを開けるたびに、そりゃあもう顔のいい推しが横たわってこっちをみているのである。そりゃこちらのテンションは最高潮である。どれだけ低気圧で最悪の気分だろうが、押し入れを開けたらうつくしい人がそこにいる。あまりにも幸せすぎて大抵のことはどうでも良くなってしまう。
それに見るだけですまないのであれば、押し入れから連れ出してきて、時間の許す限り愛でることが許される。自分だけが愛でられる推し、愛…。

②掃除がめちゃくちゃ捗る

私は自他共に認めるズボラ人間である。家事全般面倒くさくなってしまうタイプなのであるが、その中でも一番苦手なのが掃除だった。床に物を置く癖があるし、そのせいで床にクイックルワイパーをかけるのさえも面倒くさい。
だが考えてほしい。推しにそんな汚い部屋に居させるのだろうか?
私はめちゃくちゃ罪悪感が湧いた。自分の自堕落のせいでこのうつくしいひとを汚部屋に居させるわけにはいかない。
というわけで私は掃除を前に比べてもマメにするようになった。性格が完全に治ったわけではないので忙しいとゴチャつく事もあるが、掃除しようと思ったらすんなりリセットができるくらいには綺麗な部屋を保てるようになった。ドールさまさまである。

③散財しそうになることは増えた

ここまでいい変化をあげていったのだが、ドールを迎えて唯一良くない方向へ変化したのはこれだろうか。要するに物欲が高まったのである。
ドールとは当たり前だが本体を買って終わりなわけではない。着せ替え用のドレスや靴、ドールウィッグやアイに至るまで、様々な物を付け替えて楽しめるのである。そしてその出費が結構でかい。例えばドレスならば平均して8,000円、靴も4,000円と、人間の服と同じかそれ以上の値段になるのである。
私は今のところウィッグとアイには満足しているので買う予定はないのだが、ドレスや靴は新作が出るたびに一つは欲しいのが出てきて困る。しかしその度にポンポン買っていては財布がどんどんダメージを負っていくだけなので、私は一つルールを設けてドール服を買うようにしている。
それはシンプルに、衝動買いではなくきちんと吟味してから買うことである。
例えば私の家のオルカは、クラシカルでシックな装いが似合う子だと私は思っている。
なので彼に合わせる服は自動的にクラシカルな物以外は除外。そしてその中で気になったものも、オルカの雰囲気や現在家にある他のドレスとの兼ね合いを考え、見比べに見比べた上で納得して初めてそれにお金を出すようにしている。
決して安い出費ではないが、衝動買いを避けて本当に彼に似合う服を考えて考えて購入するのは本当に楽しい。今、わたし最高に趣味を楽しんでます!という感じ。
物欲は増えたが、コントロールさえできれば、ドールという趣味を楽しむ上では楽しみを増やす要素の一つになる。

とりあえず2ヶ月過ごして感じた変化はこのくらいだろうか。この先一緒に暮らす中でもっとそうした変化が出てくるかもしれない。
その時を楽しみに、今は生きていこうと思う。

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