乳ー母ー(Uber)

私は既婚者、子供なし、共働きのもうすぐ31歳だ。
昔は31歳までには子供が欲しいと思っていた。
今はピルを飲んでいるので直ぐに妊娠はしないが、妄想だけはふくらんでいく。

夫は仕事が忙しく、常々夜22時以降の帰宅であり育休がとれないこと、東京在住、双方両親が日本の果てにいること、決して楽ではない私の仕事、などなど。

平日のワンオペ育児はほぼ確定で、働きながら果たしてそれがこなせるのか。考えるとひたすら不安になる。

ルンバやドラム式洗濯機など、家事お助けの最新家電を揃えてなお、未知の子育ては不安だ。

2人子育て中かつフルタイム勤務の社内の先輩からは、どうしても無理なときはベビーシッターに幼稚園からの送り迎えしてもらっているよ。とアドバイスいただいた。その手があったか、なるほど。

一方で、友人にその事を話すと、命削って仕事して、育児は課金でなんとかする、とか本末転倒。という言葉がかえってきた。

彼女は結婚したら仕事を辞めるらしい。

育児に関わることをお金を払うことで代替するのはいけないことなのだろうか?

その根本には育児はなによりも大切な仕事。という考え方があるのだろう。それは間違いない。

かといって、私には仕事を辞めるという選択は今のところない。
それ以来、課金育児についてもやもやと考えるようになってしまった。

つい先日エンジニアをしている先輩とお茶した時のことだ。私は思わず、課金育児について考えているもやもやを口に出していた。

『介護をプロに任せるのと同じで、育児にもプロがいるんだから任せていいんだと思うよ。』

先輩はなんのてらいもなくそう言ってくれた。

急に人手がほしいときにアプリで近所の乳母を探せてマッチングできたらいいよね!
アプリ名は乳ー母ー(ウーバー)だな。

ターゲットは都内の共働き夫婦
保育士免許持ってるけど、事情があって保育園で働いていない人とのマッチング
プランは一時間単位、半日単位、1日単位

社会貢献できる素晴らしい企画じゃない?
企業しよう!!アプリつくろう!!イエーイ!

と気づけば二人でかなり盛り上がっていた。

正直成功するイメージしかなかった。

さんざん盛り上がった後、ネットで検索したら既に似たようなサービスがあることが判明した。

皆考えることは同じだなぁ~。といいつつ、先輩はしょんぼりしていたが、私はゲラゲラ笑いながら心が気づくと軽くなっているのを感じた。

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